Track 2

2.最高の吐露

あっ、ヤビツでーす。こんばんは!ああー、よかったぁ。やっぱり君だったんだ。もう~、びっくりしたよぅ。いきなりID渡されて。なになに、もしかして告白でもしちゃうつもり?あはは。もうもう、君は草食さんなのかな?私なんていつでもフリーなんだから、そんな回りくどい事――え?......、......また言うの?それ。......。はァアッ......。たぶん、分かってると思うからさ、言わせてもらうけど。お前、どういうつもり?いきなり現れてさ、失礼な事言いやがってさ。何なの? お前は私のなに?私の何を知ってるっての?おい。今日ね~、お前のせいで気分超最悪なの。分かる?分かるよね。分かってて言ったんでしょ?私がさ、友達多くて?成績良くて?割かし可愛いし?もしや嫉妬しちゃった?輪に入れない身分だからかな?知らねえよ。イラつくイラつくイラつくイラつく......!お前みたいなの見てるとさ、当たり前に出来る事が出来ないような、そんな奴見てるとさぁ......!ぼっちはぼっちらしく、陽キャの輪を外から眺めてろ、クソ根暗ぁッ!――はぁ......はぁ......。何か、言えよ。何で黙りこくってんだよ。......あ?え、なに?......お前、マジのアホ?私の声と話聞いて、どこが楽しそうに思えたの?あべこべすぎない?おい。いいか。お前がどういう経緯で私の......これを知ったか知らないけど、まあ、陰キャのお前が考える事は大体分かるよ。ちゃちな脅しか、それとも、この事実を自分だけが知ってるって優越感?どっちにしろ馬ッ鹿みたい。......違うのか。じゃあ何だよ。......、......は?何だよ、それ。え、なに、お前、本当に私の事......好きなの?へ、へえ。ふーん。ああそう。いや別に私はお前の事なんかさ、全然さ、好きじゃないけどさ。むしろ......嫌いの部類。大嫌いさ。ていうか全員嫌いだ。どいつもこいつも馬鹿ばっかりだからね。のほほんと生きて、間抜けヅラして生きて、恥知らずの馬鹿ども。そんな能無しど――......あッ......。あ、ぁ、そうか、お前は......。くッ......。うぐ......、ウグググ......。ああ、分かったよ。それだけは認めてやる。親も教師も同級生も見抜けなかった私の本心を......暴いたのだけは、うん、まあ、正直焦った。こんな風に、一切を取り繕わず喋るのも......初めてで。それに共感するっていうならお前は......、私と同類なのかもしれないな。まあ、限りなく程遠いけどね。だって、私ぼっちじゃないし。友達たくさんいるし。お前は真逆じゃん。で、そういう何やかんやをひっくるめても、ただそれだけだよ。冷静になりゃ、ふーん、それで?って感じ。お前が脅迫だとか邪よこしまな気持ちがないなら、もうこの話は終わりね。別に私は好きじゃないし、お前の下らない告白に応えるつもりもない。......ああ?いや、その。......イエスかノーかだけじゃないだろ。......告白......されるのは、初めてじゃないけど。そりゃ私、可愛いからな。でも、今までしてきた野郎は、脳ミソ空っぽの木偶でく人形みたいな、アホ丸出しの勘違い男ばっかりでさ。ほんとキモくて、キモいんだよ死ねって言ってやりたくて、でもそれを飲み込んで、って感じで......。だから、ええと......、......今回は、単に拒否するだけじゃ、つまらないだろ。い、いや、つまるつまらないっていうか!私、お前の事......あんまり知らんし。だから、......ああもうッ、返事は待ってろって話だよ、クソが!なに笑ってんだよ、ニヤついてんだろお前ッ。死ねッ!死ね死ね死ねッ!このッ......童貞野郎ッ。......はあッ?私は――......、......うるさい、うるさいうるさい!もうお前黙れッ。ずっと黙って、私の話を聴いてろッ。はッ――ち、違ッ......、ぁああッ......。くぅうううッ......!もう切るからな!ほんっとお前ウザい!クソクソクソクソ&クソ!じゃあな、もう二度とかけない!あっ教室でも話しかけんなよ。もちろん図書室でも。近づいたりもすんな。仲睦まじい~♪とか思われたくないから。いいな!切るぞ!