4.家族愛と
もしもし。うふふ。黒崎愛、君と私の為に電話かけちゃいました。今、大丈夫?......ん、よかった。うう、今日も寒いね。あー、季節って早いなぁ。夏が来たと思ったらもう冬だなんて。しかも、もう年末......恐ろしいくらい時間が過ぎ去るね。......暑さ寒さも彼岸まで......、うふふ、君と一緒なら七日間もあっという間だろうねぇ。ね♪今年一年、どうだった?私は......君と同じ時間を過ごせた事、君に支えられて、君を支えて、大好きな大好きな君と並んで歩いて、もう、神様に叱られちゃうんじゃないかなってくらい、幸せだったよ。その幸せは今も続いてるし、この先もずっと......。ああっごめんねっ。しみじみとしちゃって。何かね、ふと思うときがあるの。こうしてふつうに電話して、ふつうにお話ししてるけどさ、それが当たり前だって感じられる事そのものが、どれだけ幸せでありがたいんだろうって。テレビを見てて、事故のニュースとか、災害とか......当たり前の日常って、ある日いきなり壊れるものでしょ?だからね、毎日毎時毎分毎秒、今ここで君と生きられる私って......。うん......言ってみれば奇跡かな。奇跡......君が私を見てくれたのも、声をかけてくれたのも、......告白......してくれたのも。全部が奇跡。君と、つながれた事も。ふふふ。ぜーんぶ、大事にしてるからね。この前言ったけどさ、これから先、色んな事が起きると思う。それがひとの一生だもん。困難が来ても、君と一緒に乗り越えて、喜びを分かち合って。もう生涯離れない、永遠のパートナーだね!えへへへ♪......あ、お母さん?わ、ありがとう。うん、そこに置いていいよ。......な、なにさー!いつも通りだよっ。うん、いつも通りっ。う、うううう。からかわないでよもう~!しっし!もおお。......あっ、もしもし?ごめんね、......うん、お母さんがケーキと紅茶持ってきてくれて......。ふぇ!?お、お嬢様......?......そ、そんな事ないよ。いやいやいやお姫様でもないから。違うから。そんな可愛くないから。うううう、可愛い可愛い言わない!まったく、すぐ調子乗るんだから......。え、んん、うん、私はどっちかと言うと......お母さん似......って言われるよ。でもね、若い頃のお母さんの写真、すっごく可愛くて。さらさら~な髪で、すごく整った顔でさ、でもちょっと暗い雰囲気かな。なのにね、そんな印象が消し飛ぶくらい可愛くて可愛くて。地味しか取り柄のない私とはえらい違いだよ......。別人というか、もはやDNAを疑っちゃうよね......。え、え?いやいやいや、似てないから。ほんと。ほんとに。そ、そうだっ。君はお父さんとお母さん、どっちに似てるの?ふんふん......、へええ、そうなんだ。ふふ。君のご両親、お優しいひとだよね。ほら、優しさ遺伝子、受け継がれてるし。......なんだろ、例えるなら......お坊さん?菩薩様?何かしっくりこないけど......。
......ん......どうしたの?うん、......うん。うん、君の言う通り、当たり前に家族がいて、優しくしてくれるのも奇跡だね。普段まったく気にしてないけど、ふっと思えば、......何て温かいんだろう。いつでも忘れないようにしておけば、寒さなんて吹き飛んじゃうなぁ。さて、と。いただきます......。ごめんね、食べながらお話するなんて、ちょっとお行儀が悪いけど。でも仕方ないよ。だって君と話してるんだもん。優先順位ってあるでしょ?私の中では、いつも君がピラミッドの頂上にいるの。で、その次に君がいて、その次にも君がいて、結局、全部君ね。それ以外の事はピラミッドの外でお座りしてます。ふふっ。......ふう。おいし。紅茶とケーキに、あとは君がいるから、幸せの向こう側に行っちゃうよぉ。今日も一日......素敵な時間を過ごせそうだなぁ。君と一緒の、素敵な時間。毎日がエブリデイでオールハッピー♪あい、らぶ、ゆー♪うふふふっ。好きだよ、今日も昨日も明日も......大好き。大好き~♪