Track 3

第3話「新たな鎧」

[お店から出て路地を歩いてるふたり] はぁー、美味しかったぁー んふぅ……また新しい味を覚えてしまったな。 毎日菓子パンとスナック菓子を食べてた私が、どんどんグルメになってしまう…… もうあの頃には戻れないよ。少なくとも、お前が隣にいる限りは。 ふふ……ありがとな。 (主「僕も、一緒に食べてくれる人がいて嬉しいよ」) んふふ……そうだな。一緒に食べるご飯は美味しいよな。 んで、次はどこに行くんだ? 今日のコースはお前に任せるから、どこへだって連れて行ってくれて構わないぞ。 ああでも、あんまり人が多いところは勘弁してくれよ。 [少し後、商業施設の中のアパレル店] ほぅ……なるほど、服屋か。 しかもレディース……ってことは、私の服を、か? (主「もちろん」) むぅ……確かに、体のサイズがあんまり変わらないから、羽織るものとかずっと同じの着まわしてるもんな。 (主「いつもと違う服を着てる君を見て見たくて」) んふふ……そういうことか。 まあ、いつもと違う装備をしてると、気分も幾分か違ってくるかもしれないしな。 だが……サイズ、さっきお腹いっぱい食べたから大丈夫だろうか…… (主「そんなにすぐ変わらないって」) (自分の胃のあたりをさする少女) んー……少々胃のあたりがぽっこりしてないか? (主「大丈夫大丈夫」) 本当か?……ならいいが…… (周囲を警戒する様子の少女) あ、あと、もし店員が近寄ってきたらガードしてくれるか? こういう店はめちゃくちゃ話しかけてくるらしいから怖いんだよ…… (主「姫の御命令とあらば」) んふ……頼もしいな。 ではその大きな盾で、私をしっかりと護衛するように。 (店内を見回しながら) それで、お前は私にどんな服を着せようとしてるんだ? この店、結構派手なイメージがあるんだが。 (主「そう?結構落ち着いた印象だけど」) いや、私にとっては十分派手だしかなり目立つ印象だぞ? ふわふわAラインのワンピース……ばっかりだな。そういう専門店か? 私としては部屋着ならともかく、外で着るならあんまり目立たないのがいいんだが…… 黒とか灰色とかフード付きとか、カモフラージュ機能がありそうなやつが…… (主「これなんてどう?」) うおぉ、マジか…… お前、私にどんな印象を持ってるんだ? そんな女の子女の子した服、私に似合うわけが…… (主「まあいいから試着してみなって」) ん、んむ……だが、私なんかが試着してもいいのか……? 試着室からBANされたらどうしよう…… (主「ついていこうか?」) ううぅ……そうして欲しいのは山々だが……一緒に入ったらそれはそれで変な目で見られそうだし…… (半ばヤケになってる少女) あーあー、わかった、わかりました! ……それじゃ行ってくるから、ちゃんと声が聞こえる距離で待っててくれよ? 勝手にどっか行ったら怒るからな……? [試着室から出てくる少女] ど、どうだ……? (主「めちゃくちゃかわいい」) そうか……? うぅ……恥ずかしいから一刻も早く脱ぎたいんだが…… (主「クルッと回ってみて」) クルッと……こうか? うわ、スカート長いからフワって広がるの、確かにちょっとかわいいかも…… お前って結構少女趣味というか、かわいいもの好きだもんな。 いや、だからと言って私がこれを着て外を歩くのは…… (主「着て一緒に歩いて欲しい」) ん、まあ、そこまで言うのなら…… お前と一緒に歩くときくらいなら、着てやってもいいが…… んー……でもやっぱ恥ずかしい…… では、ひとまず家の中から慣らしていくってのはどうだ? いきなりはまだちょっと抵抗あるし、こんなふわふわで女の子っぽい服を本当に私が着こなせるのか、少しずつ見極めて欲しい。 な?いいだろ? (主「オッケーじゃあそれで」) あ、だったら他の服も見てみたい…… だいたいこんな感じのシルエットの服ばかりみたいだし、せっかくならもうちょっといろんなデザインを試してみたいなって。 もしかしたらもっと落ち着いた印象のもあるかもしれないし……な? [お店で買い物した後、同施設内] はぁ……結局買ってしまった……しかも二着も…… こっちの方はまだいいが、こっちは完全にお前の趣味だろ…… そう言えばお前、キャラクリエイトができるゲームはこんな服着せがちだよな。 全く、私はお前の着せ替え人形じゃないんだが…… そのうちゴスロリとか着せてこないだろうな? (主「着たいの?」) そんなわけあるか! ゴシックなのは嫌いじゃないが、ロリータの方は絶対似合わないだろ。 んまあ、どうしてもと言うなら家の中限定で着てやらなくもないが…… ん、まあ、まずはこいつらからだよな。 これが無理じゃなくなったら、その時は考えてやらなくもない。 さてと、それでは次はお前の服を見に行こう。 あるだろう?メンズ服のフロアも。 今度は私がお前のコーディネート、してやるからな。 んふふ、覚悟しろよ?