■トラック2「施術――君の身体をほぐしてあげよう」(全身マッサージ)
//優しめに、
//ボイス位置:1
【あやめ】
「おはよう、眷属くん。調子はどうだい?」
【あやめ】
「君が第二の生を得て早数日が経ったが……もうちゃんと目は開いているし、身体も徐々に動かせるようになってきたみたいだね」
【あやめ】
「おっと、まだ無理をしてはいけないよ。まだ精神も肉体も、僕の力に慣れていないのだから」
【あやめ】
「……おや。どういうことか分からない、という表情をしているね? いい機会だから、改めて説明しよう」
【あやめ】
「最初にも言ったように。眷属というのは、吸血鬼と人間の中間に位置する存在だ」
【あやめ】
「吸血鬼の僕は人の血を吸えるが、今の君にはまだできない。もちろん、眷属を作ることもね」
【あやめ】
「しかし、君もいずれは吸血鬼として、立派に独り立ちする日が来るだろう」
【あやめ】
「そのためには、君自身がもっと僕の力に慣れなくちゃならない。君が一人前の吸血鬼になるためには、まだまだ僕の世話が必要だということだ……わかったかい?」
【あやめ】
「それに、君は一回死んだ。固まってしまった体をほぐしてやらなきゃいけないんだ。つまり、生きている人間が眷属になるよりも、一つ手順が多いというわけさ」
【あやめ】
「だから、今日も僕が直々に、君の身体をマッサージしてあげよう」
//優し気に、
【あやめ】
「ふふ、恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。僕に全て任せるといい。ではまず、うつ伏せになってくれるかい?」
//SE:ソファの上にうつぶせになる
//ボイス位置:5
【あやめ】
「最初は、背中のマッサージからしていくよ」
//SE:オイルボトルを空けて、手のひらにオイルを出す
【あやめ】
「マッサージ用のオイルを、こうして手のひらに馴染ませて……」
【あやめ】
「腕の付け根から、肩甲骨周り。背骨の両サイドから腰の方に向かって、ゆっくりと筋肉をほぐしていこう」
//SE:背中を手でほぐしていく(20秒ほどオンリーで、その後セリフIN)
//恍惚とした感じで、
【あやめ】
「ふふっ、気持ちいいかい? 見ているこちらも思わずにやけてしまうくらい、とろけた表情(かお)をしているよ」
【あやめ】
「痛かったらすぐに言いなよ。やり過ぎは良くないけれど、こうやって両手で念入りにほぐしてやらないと、上手く身体が動かないからね」
//ここまで、背中の施術
【あやめ】
「よし、と。……次に、肩と首を指先で押していくよ」
//SE:首の指圧(15秒ほどオンリー、その後セリフIN)
//少ししんどそうに、
【あやめ】
「ん……これは、相当に厄介なコリだね。なかなかの強敵だ……」
【あやめ】
「仕方ない、こっている部分を一ヶ所ずつ指圧してから揉んでいくことにしよう」
//SE:肩の指圧
【あやめ】
「いち、に、さん、よん……いち、に、さん、よん……」
【あやめ】
「今度はもう少し下のところを……いち、に、さん、よん……いち、に、さん、よん……」
//指圧はここまで、
【あやめ】
「これでどうかな? じゃあ、肩と首を揉んでいくよ」
【あやめ】
「まずは肩から」
//SE:肩もみ(15秒ほどオンリー、その後セリフIN)
//甘ったるい感じで、
【あやめ】
「どうだい? 痛くないかい……?」
【あやめ】
「君の肩、とてもこっているね……これは念入りにやらないと……」
【あやめ】
「いち、に……いち、に……いち、に……いち、に……」
//肩もみここまで
【あやめ】
「これでよし。次は首を揉んでいこう」
//SE:首もみ(15秒ほどオンリー、その後セリフIN)
【あやめ】
「知ってるかい? 首の付け根の部分は、とてもこりやすいところなんだ。こうやって入念に揉んであげることで、血流が良くなって、君の血も美味しくなるというわけだ」
//柔らかい感じで、
【あやめ】
「ほら。僕が揉んでいるところ、だんだん温かくなってこないかい? 僕の指にも、君の体温がじんわりと伝わってくるよ」
【あやめ】
「首の付け根が終わったら、今度は首筋も……」
【あやめ】
「肩の方から頭の方に向かって、ゆっくりと丁寧に」
//首もみここまで
【あやめ】
「……よし、こんなものかな」
【あやめ】
「肌にうっすらと赤みがさしてきたね。血の巡りが良くなって、気分も明るくなってきたんじゃないかな?」
【あやめ】
「じゃあ、次は頭皮をマッサージしよう。こっちも念入りにやっていくよ」
【あやめ】
「また追加でオイルをつけて……」
//SE:ボトルを開けて、手のひらにオイルを付ける
【あやめ】
「はじめるね」
//SE:頭皮マッサージをはじめる(20秒ほどオンリー、その後セリフIN)
//少し声色を変えて、
【あやめ】
「気持ちいいですか? 痒いところがあったら仰ってくださいね?」
【あやめ】
「……って、よく美容師さんが言うけどさ。的確にどこですって言うの、大変だと思わないかい? もうちょっと右とか、もっと左のほうとか、アバウトな言葉になってしまいがちだよね、どうしても」
//10秒ほど間を空けて、
【あやめ】
「……お。この辺かい? それともこっち? あはは、やっぱりアバウトだ。とりあえず、全体を重点的に指圧していくね」
//SE:10秒ほどオンリーで聞かせてから、頭皮マッサージ終わり
【あやめ】
「よし……これでマッサージはおしまいだ。あと少ししたら、君の体も思うように動かせるようになるだろう」
【あやめ】
「君の回復を祈っているよ、眷属くん。今日はゆっくりおやすみ」