トラック4:『耳かき、右耳、膝枕』
;ボイス位置:7
【真夜】
「あそこのマンション……ひとつ、またひとつと、明かりが消えていきますね」
【真夜】
「あそこにも生きた人間がいるんだなって実感するんすわ」
【真夜】
「まあ夜明けになっても、電気を点けっぱなしの所も結構あるんすけどね」
【真夜】
「電気を点けたまま寝ちゃったのか、点いていないと寝れない人なのか、それとも遊んでいるのか……」
【真夜】
「なんにせよ、みんな今は、思い思いに疲れを癒してるみたいっすね」
【真夜】
「お兄さんも、ちゃんと息抜きはしてくださいね」
【真夜】
「ほら、お礼をしますから、ボクの膝に頭を預けてください」
;SE:頭を膝に置く音
;ボイス位置:3
【真夜】
「……へへへ。お兄さん、無防備っすねー」
;ボイス位置:3 囁き
【真夜】
「素直すぎると、いつか悪い女に騙されちゃいますよ?」
;ボイス位置:3 普段の感じで
【真夜】
「まあボクがその悪い女かもしれないっすけどね」
【真夜】
「でも今日のボクは優しいので、悪い事をせずに良き事をしちゃいます」
【真夜】
「よかったですね。優しいボクは排出率1%のSSRですよ?」
;SE:ポーチから耳かきを取り出す音
【真夜】
「ちなみにー、SRボクが好きなものを語るボクで、Rのボクが日陰にいるボク、Nのボクは……†闇†(ダガー、やみ、ダガー)っす」
【真夜】
「じゃあ、引き当てたSSRのボクをじっくりとご堪能くださいね」
;SE:耳かきの音 浅め
【真夜】
「(一分ほど息遣い)」
【真夜】
「お兄さん、人に耳かきされるの怖くないんすか?」
【真夜】
「それも出会ったばっかのボク相手に……ビッグな器っすね」
【真夜】
「そんなお兄さんのことは、ビッグブラザーって呼んだ方がいいっすかね?」
【真夜】
「じゃあビッグブラザー。耳かきをもう少し、深淵に近づけていきますね~」
;SE:耳かきの音 深め
【真夜】
「痛かったら言ってください。これは拷問ではなく」
;ボイス位置:3 囁き
【真夜】
「良きことの為の行動なので」
【真夜】
「(一分ほど息遣い)」
;ボイス位置:3 普段の感じで
【真夜】
「気持ちよさそうな顔。なんだかこっちも安心してしまいそうですわ」
;SE:耳の下の方をぞりぞりとする音
【真夜】
「ここすか、ここがええんすか?」
【真夜】
「じゃあここを重点的にやってあげますね。はっ……もしかしてこれが、奉仕精神?」
【真夜】
「(一分ほど息遣い)」
【真夜】
「お兄さんの顔、だんだんと溶けていって……あれっ? し、死んでる!?」
【真夜】
「良いお兄さんでした……今日会ったばっかだけど」
;SE:もぞもぞ動く音
【真夜】
「あれ、生きてる? ああ、良かった~」
【真夜】
「相当疲れてるんすね。あれだったらこのまま寝ちゃっても良いっすよ」
【真夜】
「まあ、寝てても話しかけ続けるので、夢の中に出てくるかもしれないすけど、そこはご了承ください」
【真夜】
「朝日が昇るころには起こしてあげますから」
【真夜】
「ほいじゃあ、また耳をかいていきますね」
;SE:耳かきの音
【真夜】
「(一分ほど息遣い)」
【真夜】
「こうしていると、なんだか青春(セイシュン)っぽいっすよね」
【真夜】
「まあ、今だと青春の訓読みをカタカナにした、『アオハル』という言葉が広まりつつありますけど」
【真夜】
「でもこの状況はあまりアオハルっぽくないなって思うんすよ」
【真夜】
「個人的なイメージでは……青春は範囲が広いですけど、アオハルは昼間から夕方なのかなって」
【真夜】
「あるいは、青春よりももっと熱い感情のことを、アオハルと呼ぶのかもしれません。若者文化難しい……ボクも若者ですが」
【真夜】
「まあ、ボクたちはボクたちでマイペースに生きましょう」
【真夜】
「(一分ほど息遣い)」