Track 8

■トラック8『文学少女とお茶しばく』

;◆BGS 喫茶店内。2人が喋りだしたら若干絞って下さい ;◆SE 二人分の足音 ;◆SE 椅子を引いて、座る2人 ;◆ダミヘ位置・1 【絵空】 「……あわわわわわわわ」 【絵空】 「あれが噂の、トールとか、グランデとか、ふにゃららなやつ。  ふらぺちーのとか、トッピングとか、分からなすぎて、頭真っ白になっちゃった……」 【絵空】 「……うぅ。恥ずかしいとこ見せしちゃって恥ずかしい。  だ、だって来ないんだもん。こんな喫茶店、なんて。コーヒーなんて、のまないし。麦茶でいいじゃない、麦茶で」 【絵空】 「だってそれ。ただのおちゃのくせに、700円もするんだよ。  本が買えます。叡智の詰まった本が。お茶いっぱいと本いっさつじゃ、釣り合わないのに」 【絵空】 「(ラテをストローで飲む)……んっ。あ、でもこれ、たしかに美味しい。……あまぁい。  んー……♪ (もう一口飲む)……なるほど。これが、700円の味」 【絵空】 「……うちね、月のお小遣いが2000円なんです。  他の子達は、もっと貰ってるものなのかな。2000円じゃ、本を4冊買って終わりだもの」 【絵空】 「タピオカとか……バナナジュースとか……ブームのときは指を咥えて見てただけ。  私もバイトとか始めようかな……でもそしたら読書の時間が無くなるし…………詰んでる」 【絵空】 「1日、34時間ぐらいになったら良いのに。思いませんか?」 【絵空】 「……………………って」 【絵空】 「……ごめん。私。なんか。……上がってるというか。緊張してると言うか。  ……滑ってるね、ごめん。……あの。……友達と……お茶……ぐらいはしたこと在るけど、男の子とお茶なんて……初めてだから」 【絵空】 「そ、そりゃあキミは違うでしょうよ。癒やし部の子達にモテモテなんだしさ。  お茶ぐらい百万回ぐらいしばいたかもしれないけど。……わ、私は。初めてなんだもん」 【絵空】 「なんか……ほっぺ、熱くて……。変なこと、口走っちゃいそう。…………あぅ。  私が変なこといい出したら、長めの棒で叩いていいからね」 【絵空】 「……それで……どうしたの?」 【絵空】 「急に私と、お茶したいなんて。もしかして、あれ? また恋愛相談?  ふふ、ちょっとは役に立ててるのかな。良いよ。話して」 【絵空】 「……違うの? だったら……なに……?」 【絵空】 「…………私と、ただ……おしゃべりとかしたかっただけ?」 【絵空】 「…………………………ひにゃ」 【絵空】 「な、なにゆってるのキミは。急に……。そんな、オモシロ喋りした覚え無いけど。  印象に残らない人で逆に有名だよ私。だから…………その………………」 【絵空】 「うぅぅう……。キミが変なことゆーから……また、頭真っ白、なんですけどぉお……。なんなのさぁ……うぅ」 【絵空】 「あ、分かった。キミ、どんな女の子にもそうゆうこと言ってるんでしょ。  ……だからモテモテなんだな。とぼけたお顔してるくせに……意外と、軟派なんだ」 【絵空】 「え? そうゆうことってなに? って……そりゃ……その……女の子を……勘違いさせるような事というか……。  …………えー。何なんだろこの人、ワンチャンあるのもしかして。みたいの、思わせることっていうか……」 【絵空】 「あいやっ、違……っ。私がワンチャンあるのかなって思ったわけじゃなくてっ。  一般的なっ。常識的な態度としての話ですからっ。私は……別に……そんなの」 【絵空】 「……大体。私にそんな目を向けられても。迷惑なだけですよね。  い、いや向けてないですけどっ。向けてないですけどねっ」 【絵空】 「………………………………ただ」 【絵空】 「男の子の友達なんて初めてで……その……一緒に居ると楽しいから」 【絵空】 「……友達として、これからも……仲良くしてくれると嬉しいなとは……思いますケド……そ、それだけ」 【絵空】 「えっ。ていうか逆に。キミは……どう思ってるのさ」 【絵空】 「(気まずそうに飲み物を飲む)」 【絵空】 「……あのっ。ごめん。やっぱ。言わなくて……良い……。忘れよ? ……えーっと。  別の話とかしよ。もうすぐ文化祭だよね。君のクラスはなにするの?」 【絵空】 「……………………」 ;◆声 小声で 【絵空】 「私も……いつか……勇気が出たら…………イイナ」