死亡
す、凄いお食事だったね……!
まさかあのお爺さんがすごいお金持ちだったなんて……。
うん。お家もすごいお屋敷だったし、使用人の人もいっぱいだったね~。
あっ、そうそう。お爺さんから貰ったこの金貨の入った袋、君にあげる!
骨董品屋に売れば凄い値段になるってお爺さん言ってたし!
君も貰った事ぐらい知ってるよ〜。そうじゃなくて、これはね、
君がミアにマンドラゴラくれるって言ってくれたお返しだよ!
うん! 貰っておいて!
君には助けられてばっかりだもん! ミアも少しぐらい何かして
あげたいって思ってたんだ……!
ん……? えっと、君さっきからなに見てるのー?
え? あとをつけられてる……?
どういうこと?
後ろの建物の陰……? あ、本当だ……!
男の人がこっち見てる……。何か用なのかな……って、えっ!?
怖い顔でこっちに走ってきたっ!?
きゃあっ!?
…………あ、あれ? なんとも……ない……?
君はだいじょう……ぶ……?
う、うそっ……。
そんな……そんなっ……! 血が……君からこんなに血が……!!
えっ? 金貨を取られた……? まさか、まさかそんなのの為に君を
……!?
そ、そんなことより今は血を止めなきゃ!
でも、でもどうしよう……! もう素材も何も持ってないよ……!
あっ! いつのまにかこんなに人が集まって……!
だ、誰かっ! 誰かお医者さんを呼んできてっ! 知らない人に刺されちゃ
ったんですっ!!
な、なんで……? どうして誰も動いてくれないの……? そ、それなら、
この子を病院まで運ぶの手伝ってくださいっ!! 誰でもいいからっ!
そんな……誰も動いてくれないなんて……見てるだけなんて……。
だ、ダメっ! 意識を集中させてっ! 眠っちゃったら死んじゃうよ……!
目を、目を開けてっ! あけてよぉっ! ねえっ!