Track 4

蘇生

ネクロマンサー様……? 本当に、これで生き返らせる事 が出来るの……? い、いえ……疑ってる訳じゃなくて……本当に人を生き返らせる事なんて できるのかなって……。 ……えっ? もう生き返らせた……? で、でもまだ目閉じた ままだし……あ……っ!? ね、ねぇっ! キミっ分かるっ!? ミアの事見えるっ!? みえ……るんだ……。本当に……生き返ったんだ……。 う……うぅ……。よかったぁ……よかったよぉ…… ぐす……。 ぐす……えっとね、いきなりこんなこと言われてもビックリするかもしれ ないけど、いままでずっと君は死んじゃってたんだよ……? 1年前、お金目当てに襲ってきた人に刺されてそれからずっと……。 だけど、ミアの後ろにいるネクロマンサー様が死んだはずの君の魂を 呼び戻してくれたの。それでこうして君は生き返れたんだ……本当に よかった……。 ……え? 身体が動かない……? あ……。えっとね、それは……。 驚いちゃうかもしれないけど、今の君の身体は頭しか無いの……。 詳しく説明すると長くなっちゃうんだけど、今の君の身体は本当の君の 身体とは違うものなの……。 ホムンクルスって言って、ネクロマンサー様が君の……その、死体を モデルにして新しく作った身体なんだ……。 ミアがネクロマンサー様に君の事をお話しして、生き返らせて ほしいってお願いしたとき、頭だけは作ってあげるって言われて作ってく れたの。 分かりづらいかな……? 簡単に言えば、錬金術で作った空っぽの頭に、闇魔法で君の魂を閉じ込め た状態なの……。 ネクロマンサー様は、闇魔法のほかにも色々な魔法に詳しくて、錬金術も その一つなんだ。 あっ! も、もちろんずっとそのままって事はないから安心してね……! ミア、ネクロマンサー様に弟子にしてもらったの! だから、 これから色々な事を教えてもらって、いつか君の身体を完全に全部作って あげるから! え……? あ、うん……。そうだよ……。 ネクロマンサー様に弟子にしてもらうって事は、ミアもネクロマンサー になるって事……。 君の言いたい事……分かるよ……。 ネクロマンサーは、人の命や生命力を奪って、それを使って闇魔法を使う 悪い魔法使い……。 でもミア! ネクロマンサーになっても悪いことはしないから!  ミアは君をちゃんと生き返らせる為にネクロマンサーになるんだもん! あっ、ネクロマンサー様……じゃなくて、これからはお師匠様だね。 この子を生き返らせてくれて本当にありがとうっ!  ミアのとっても、とっても大事な人だったから……師匠はミアに とっても命の恩人だよ! うん! 生き返らせてくれたら弟子になるって約束だもん!  それに頭だけじゃなくて身体も作ってあげないといけないしね。 えっ……? ネクロマンサーになる為の儀式……? 今からするの? えっと、どういう事をするの……? お耳を? もしかして他の人に聞かれたらダメな事……? (ひそひそ話で儀式とは自分との性行為だと聞かされる) え……えぇ……!? そ、それ本当に儀式なの……? で、でもミア、そういうことは好きな人……この子と……。 う、うん……それは分かってるけど…… ミアがネクロマンサーにならないと、あの子はずっと頭だけ……。 その、師匠……。 少しだけ、部屋を出ていってもらってもいい……? うん、あの子とお話ししたいから……。 ありがとう……。それじゃあまた後でね……。 久しぶりに二人きりになったね……。 え? あはは、そうだね。確かに君の感覚からしたらさっきから ずっとかもね。 1年前に……その、死んじゃってからずっと寝てたみたいな感じだもんね ……。 でも、ミアはずっと寂しかった……。 この1年間で、もう君とは会えないのかなって思いながら、 色々な街にいって、そしてとうとうネクロマンサー様を 見つけることができて……。 ね……。ミアは君の事、すごく大好きだよ……。 小さい時からの幼馴染で、魔法の才能が無いミリアの事をずっと応援して、 支えてくれて……。 たぶん、君がいなかったら諦めて魔法の修行も続かなかったかもって思う んだ……。 だからミアは、何があっても、何をされても君の事が好きだからっ! ごめんね。突然言われても困るよね……。 その、驚かないで聞いてね……。 さっき、お師匠様にこれからネクロマンサーになる為の儀式をするって 言われたの……。 それで、その方法がね……。男の人にご奉仕する事……なんだって……。 ご奉仕っていうのは、その、エッチなこと……。 さっき言ったよね……。ネクロマンサーの使う闇魔法はね……。 人の命や生命力を奪って、それを使って発動するの……。 ほとんどのネクロマンサーの人は、手っ取り早く生命力が欲しいからって ……その……人を殺しちゃったりするんだって……。 でもミアそんなこと絶対にしたくない……。 だけど、だからって君の事を諦めるのも絶対に嫌っ……。 それでお師匠様に相談したら、他にも生命力を集める方法があるって 言われたの……。 その、男の人の精液を身体に取り入れる事で生命力にする事ができるって ……。 男の人の精液の中には、精子がいっぱいいっぱい含まれてて、 その精子から生命力を取れるってことなの……。 だから、ミアみたいに人に迷惑を掛けたくないけどネクロマンサー になりたい人は……男の人に沢山精液を出してもらう為に、エッチな事を いっぱいお勉強して、上手にならないといけないんだ……。 これから、ミア、ネクロマンサーになる為にお師匠様にたくさん 汚されちゃうと思う……。 そうなっちゃったら、もう君に好きだなんて言える資格が無くなっちゃう と思うから……。 だから今のうちに大好きだって伝えておきたかったの……。 ……そんな事やめてほしい……? それは……君の頼みでもいや……。 ミア、この1年間ずっと一人だったもん……。 君の事を生き返らせられるかも分からないで、ずっと不安で、 ホントにいるかも分からないネクロマンサーを探して、夜になるたびに 1人で泣いて……。 もうあんなのイヤだよ……。 せっかく、もう一度君に出会えたのに……。 今までの事に比べたら、ミアの身体ぐらいで君の事を生き返らせられる なら、ミアはお師匠様に汚されるぐらい平気なの……。 だから、君もそんな事言わないで……? ミアは、絶対に、何があっても君のことだけが大好きだから……! あっ……! うん……ありがとう…。 君も好きって思っててくれたんだ……。 えへへ。実はずっとそうなんじゃないかなって思ってた♡ ミア、君の事ならなんでも分かるもん。 ね、だから……さ。ミアが汚れちゃう前に、初めてのキス……貰って欲し いなって……。 ……あれ? 君、どうしたの……? 眠くて目が開けられない……? あ……そうか……。 えっと、今の君って、まだ頭しか無いでしょ? そのせいで生きるのに必要な、例えば心臓とかが無くて、 師匠の魔力でなんとか動けてる状態なの……。 だからお師匠様がお部屋を出ていっちゃって、だんだん君へ注がれる魔力 が少なくなっちゃってるんだと思う。 大丈夫だよ。このまま寝ちゃっても。 またお師匠様が魔力を君に注いでくれたら、目が覚めるから。 ミア? ミアは……まだそういう魔法は使えないから……。 でもでも! いつかは絶対にミアが君の事を 普通の人と同じみたいにしてあげるからね! その為には……この後お師匠様と……しなきゃいけないけど……。 う、ううん! 何でもないよ! それじゃあ、君は眠りながらゆっくり まっててね……。 そして、ミアの事嫌いにならないでね……。