Track 3

あったかいから、寄り添って

「彩愛」: 早々っ、入って入って! 「陽奈」: うん、お邪魔します。 「彩愛」: あっ、ああ、ごめん、やばっ、ちょっと待って。取り合えず、この辺の雑誌とか片づけるから。 「陽奈」: えー、そこからなんだね。でも、お洋服とかアクセサリーとか、色々見て研究してるんだね。 「彩愛」: うぇ?あ、いや、研究ってわけじゃなくて、別にただの趣味っていうか?こういう組み合わせにしたら可愛いかなっとか、陽奈に着てもらうんだったらこっちの方いいかなっとかさ、そういうの考えるの楽しいよ。あ、なんか読む? 「陽奈」: うーん、気にはなるけど、今日は追試範囲の復習が終わらなかった分の勉強会でしょう? 「彩愛」: あ、そうでした。いや、昨日も妄想は捗ったんだけどね。 「陽奈」: ふぇ? 「彩愛」: あ、ううん、こっちの話。とにかく、今日はよろしくお願い申し上げます! 「陽奈」: はい、お願いします。 「彩愛」: どうせ明日休みだし、もしどうにもダメそうだったら、徹夜でとことんコースという手も。 「陽奈」: えへへ、そうしなくてもいいように、ちゃんと頑張ろうよ、ね。 「彩愛」: そのまま、お泊りコースっていう手も。 「陽奈」: おぅーん、じゃあ、そうしようかな。 「彩愛」: うふっ!よっしゃー!そうとなったら、途中で心が折れないように気合い入れなきゃね! 「陽奈」: 大丈夫、彩愛ちゃんなら出来るよ、心を強く持ってね。 「彩愛」: そうかなそうかな!心、弱いかな。 「陽奈」: うぇ?そんなことないと思うけど。。。 「彩愛」: あ~、陽奈まであたしのことヘタれてるとか言っちゃうんだ~。わぁぁ~ 「陽奈」: そんなことないよ。えっと、一緒にいてくれて、いつも心強いよ。 「彩愛」: ちょっと言い淀んだし。 「陽奈」: そういうことじゃないよ! 「彩愛」: んっ、ん、ごめん、まためんどくさい感じだった。 「陽奈」: ふぇ?そんなことないけど。 「彩愛」: ん、うんっし!やろう! 「陽奈」: うっ、うん! 「彩愛」: うぇへへ、やっと全部解けた~。 「陽奈」: うん!ちゃんと当てるし、これなら追試もばっちりだね。 「彩愛」: あははぁ~、疲れた~。 「陽奈」: うん、お疲れさま。 「彩愛」: うん、だ、今日もちょっと膝枕借りるね。 「陽奈」: うふふっ、はい、おいでおいで。 「彩愛」: うぅ、えへへぇ~。 「陽奈」: えへへっ、最近好きだね。 「彩愛」: 触れ合いたいお年頃なのだよ。 「陽奈」: よしよし、いい子いい子。 「彩愛」: いい子かな。 「陽奈」: うん。そうだよ、そう思うよ。 「彩愛」: 陽奈に甘えちゃっても? 「陽奈」: うん、私も彩愛ちゃんに甘えちゃってるよ。 「彩愛」: そう、そっか。 「陽奈」: うん! 「彩愛」: いや、えへっ、この安心感、たまらん! 「陽奈」: うふふっ、ありがとう。 「彩愛」: えへへっ、やっぱこうしてるの好きだな。 「陽奈」: ん-、また急にどうしちゃったの? 「彩愛」: ん?どうしちゃったっていうと、恋しちゃったというか。 「陽奈」: もう、そういうことじゃなくて。 「彩愛」: んー、これだから陽奈は最高なんだよな~。 「陽奈」: ううぇ、なにそれ? 「彩愛」: よし、膝枕交代してあげる! 「陽奈」: ふぇ?私はいいよ。 「彩愛」: いいから、いいから。遠慮しなさんなって! 「陽奈」: んー、そう?じゃあ、ちょっとだけ、お邪魔します。ん、んっしょっと。 「彩愛」: この角度、これはこれで。 「陽奈」: うぇ?なに? 「彩愛」: ん?慣れない方向から陽奈を見るのも、なんか新鮮でいいなって。 「陽奈」: それなら、私も今そんな感じだよ。 「彩愛」: よし、そんな陽奈にあたしから問題。 「陽奈」: ふぇ? 「彩愛」: 膝って10回言ってみて。 「陽奈」: うん。膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝! 「彩愛」: じゃあ、ここは? 「陽奈」: うぇ?えっと、ひざ? 「彩愛」: あはははっ、惜しい。正解は太ももでした! 「陽奈」: ふぇっ?もう~。 「彩愛」: あはははっ! 「陽奈」: んーっ。じゃあ、彩愛ちゃん、好きって10回行ってみて。 「彩愛」: えっ?おー、えっと、す、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き! 「陽奈」: え、えへへっ。 「彩愛」: えっ?それだけ? 「陽奈」: うん、正解! 「彩愛」: な、なにそれ!それならもっと気持ち込めて言ったのに。 「陽奈」: うん。じゃあ、お願い。 「彩愛」: ぐっ、いや、やっぱ恥ずいから、今はいや。 「陽奈」: うぇ~? 「彩愛」: ん、今日の文、お終い!売り切れ! 「陽奈」: う、うふふっ、残念。 「彩愛」: ぐっ、陽奈に弄ばれている。。。でも、なんかいい。 「陽奈」: そんなことしてないよ。 「彩愛」: なんかさ、思ったんだけど。 「陽奈」: うん。 「彩愛」: あたしたち、一緒に暮らしてたら、毎日こんな感じなのかな。 「陽奈」: ふぇ?どうだろう、家族とかいるし。 「彩愛」: あ、なんだ、二人きりじゃないか。 「陽奈」: おぅ、どっちかの家でってことじゃないだ。 「彩愛」: まあ、そうだよね。二人きりだと、色々と恥ずかしいハプニングとか起こっちゃったりするかもだしね。 「陽奈」: 恥ずかしいって? 「彩愛」: へ?いや、ほら、色々さ。 「陽奈」: もう、そういう変なことはもうちょっと大人になってからだと思うな。 「彩愛」: え?大人になったらいいの? 「陽奈」: うぇ?ダメかな。 「彩愛」: うーううん、いいと思う。さすが陽奈! 「陽奈」: ん~~、この話、お終いね。 「彩愛」: はぁ~い。 (ん、心の準備しとかないとな。) ていうか、陽奈も好きって10回言ってよ。 「陽奈」: おぅ?ま、また今度ね。 「彩愛」: しぇえー。 「彩愛」: は~い、あたしのベッドにようこそ。 「陽奈」: お、お邪魔します。 「彩愛」: えへへ、陽奈が近い~。 「陽奈」: ひゃ、うふふっ、お布団の中で暴れないで。 「彩愛」: うぇー?暴れたないって、うふふっ。 「陽奈」: あははは、うふふふ、くすぐったいよ。 「彩愛」: 如意ではないか、良い触り心地ではないか。 「陽奈」: うふふふっ。でも、彩愛ちゃんのベッドで一緒に寝るの、初めてだね。 「彩愛」: あれ?そういえば、そっか。いつもお泊りは陽奈の家ばっかりだったしね。あ、そんなこと言われると、なんか急に緊張してきたかも。 「陽奈」: おぅ、う、うん、そうだね。 「彩愛」: うぁ、えへっ、あれ、電気消すね。 「陽奈」: うん! 「彩愛」: (あー、なんか寝付けない。) 「陽奈」: ぐうぐう~。 「彩愛」: は? 「陽奈」: ぐうぐう~。 「彩愛」: (え、へっ?あんなこと言ってて、陽奈普通に寝てんじゃん。あー、でも、まあ、なんていうか、なんか嬉しいかな。あたしの傍にいて安心して眠ってくれるとか。えへへっ、あたしの方まで嬉しくなるやつ。) 「陽奈」: んっ、んー、ん。。。 「彩愛」: ん、ちょ、ちょっとぐらい、ぎゅうってしてもいいよね。 (こうしてるの、やっぱ落ち着きし。ドキドキしちゃって、寝られるかどうか分かんないけど。) えへへ~。 「彩愛」: ぐうぐう~。 「陽奈」: えへへっ。 「彩愛」: んっ、ん。。。ん、うぇ?あれ、もう朝? 「陽奈」: うん、おはよう、彩愛ちゃん。 「彩愛」: ふわ~、おはよう、陽奈。 「陽奈」: うふふ。 「彩愛」: ん?どうしたの? 「陽奈」: ううん、彩愛ちゃんの寝顔、見てただけ。 「彩愛」: え?そ、そっか。じゃあ、二度寝でもしよっかな。 「陽奈」: いいよ。後で起こしてあげる。 「彩愛」: うん。 (あっ、てか、寝ぐせがいっぱいかも、恥ずかしいな。でもまあ、こういうのも、たまにはいいか。)