Track 2

妹、がんばってます

「真衣」: 今から真優の部屋の片付けを始めます! 「真優」: そう、頑張ってね。 「真衣」: グルル、真優もやるの! 「真優」: はー、いきなり張り切ってどうしたのよ。 「真衣」: いや、ほら、たまにはさ、できる妹感見せとこうと思って。 「真優」: 別になくなってないわよ。 「真衣」: それにさ、皆が遊びにくるためにあれこれ誤魔化すの大変なんだからね。彩愛ちゃん何か部屋間違えたフリしてわざと入ろうとするし。 「真優」: なんていうか、そのありがたいんだけど、別に無理しなくてもいいわよ。皆には、もう気付かれてるんじゃないかって思うし。 「真衣」: えっ、そこ今更? 「真優」: な、なによ。 「真衣」: あっ、でもダメ!いくらメッキが剥がれかけているとはいえ、いい感じのお姉ちゃんのイメージを給ってもらわないとね。 「真優」: はいはい。 「真衣」: ってのは冗談。今日は部活ないし、何かできることないかなって思っただけ、思い付き。ほら、せっかくの休日なんだから、ゴロゴロしてるともったいないよ。 「真優」: 分かったわよ、もう~。 「真衣」: それじゃ、取り合えず、真優はお菓子の袋とかペットボトル拾っていてね。はい、ゴミ袋。 「真優」: は~、まったく。仕方ないわね。 「真衣」: さーって、散らばってる服を畳んで、こっちはクローゼットに戻して、あっ先にクローゼットに押し込まれてる本とか美術の道具を移動させないと。うぇ?なんでこんなところに、ん~。 「真優」: は~、ゴミが多いんだけど。。。 「真衣」: そうだね。 「真優」: ん~。 「真衣」: 本当、学校で完璧美人なのに、家では残念美人なんだから。 「真優」: 美人ならいいでしょ? 「真衣」: そりゃそうだけど。 「真優」: ん。あっ、ねぇ真衣。 「真衣」: ふぇっ、あっ、なに、急にくっついたらびっくりするよ。 「真優」: 今日は、何だか、いつにも増して可愛いわね。 「真衣」: そ、そう?あ、ありがとう。 「真優」: それに、いつも私のこと気遣ってくれて、本当に助かってるわ。 「真衣」: えへへっ、そうかな。 「真優」: 部活も毎日大変だろうし、たまにはゆっくり休んでもいいじゃないかしら。 「真衣」: え、えへへ~っ。 「真優」: うふふ~っ。 「真衣」: まあ、でも片付けは止めないよ。 「真優」: ぐっ。 「真衣」: いやいや、さすがにそこまでちょろくないよ。大体普段の前はあまりそういうこと言ってくれないしさ。 「真優」: なるほどね、じゃあ逆に毎日続ければ効果があると。 「真衣」: はっ?それは何か困るよ。 「真優」: なんでよ。 「真衣」: 照れるし、慣れっちゃったらもったいないしさ。 「真優」: ん。 「真衣」: さ、ほら、続き続き!何か中二的のノットとか出てこないかな。 「真優」: 出てこないわよ。 「真衣」: へぇ?分かんないよ。だってこんなに散らかってるしね。 「真優」: だ、だから片付けてるんでしょう。 「真衣」: あっ、何か本棚の裏から、スケッチブックは出て来た。 「真優」: 勝手に見ないでよ。 「真衣」: ちょっとだけちょっとだけ。あっ、何か人がいっぱい書いてある。 「真優」: あー、部活の時、練習で書いたやつかしら。 「真衣」: おっ、これあたしだ。 「真優」: へっ? 「真衣」: ていうか、何か途中からあたしばっかりなんだけど。 「真優」: はっ!? 「真衣」: おぉっ、やだ、ちょっと、裸とかあるよ。止めてよ、そんなに見たいの? 「真優」: そういうつもりじゃないわよ! 「真衣」: いや、分かってるけど、顔真っ赤だよ! 「真優」: んっ、さー!それじゃ、ゴミは早速捨てちゃおうかしらね! 「真衣」: うぇ、え~?ちょ、それならあたしが貰うから。 「真優」: あ、ダメ!絶対ダメ! 「真衣」: 後生です姉上! 「真優」: なりませんっ! 「真衣」: ん、チェ~。後で回収しとこう。 「真優」: まったく! 「真衣」: あっ。 「真優」: 今度は何!? 「真衣」: お絵書き帳だって。ほら、子供の頃のかな。 「真優」: だから見ないでよ。 「真衣」: まあまあ、そう言わずに。うぉほほ~、上手! 「真優」: 別にそんなことないわよ。今だったらもっと上手く書けるし。 「真衣」: は?それはそうでしょう。子供の頃の絵なんだし。 「真優」: むしろ、書き直したいぐらいよ。 「真衣」: えへへっ、そうなんだ。ん、でもこれ、何処の景色かな。 「真優」: ん。。。ん、さあ、何となく覚えてるけど、どこだとかしら。 「真衣」: 草原。。。あっ、高台みたいなところかな、展望台になってるし。んで、そこから海が見えてるだよね。 「真優」: 割と、どこにでもありそうな景色だけど。 「真衣」: でも、これだけしっかり描いてあるってことはきっと思いでのある場所なんだよ、思い出そうよ。 「真優」: あ、いいわよ、別に。ていうか、掃除するんじゃなかったの? 「真衣」: あっ、そうだった。あ、ぐぐ~、あぁでも、気になる~。 「真優」: はいはい。 「真衣」: は~、ちょっと休憩しよっか。 「真優」: そうね、数ヶ月分は片付けた気がするわ。 「真衣」: 本当だよ。そうだ、気分転換にお散歩行こうか。 「真優」: ええ?疲れる。 「真衣」: ちょっとコンビニにも寄るけど、アイス食べたいし。 「真優」: んっ、行く。 「真衣」: あっ、序でに此間借りてたディーブイディー返しに行こうか。 「真優」: あー、忘れてた。 「真衣」: だと思った。新しいの借りる? 「真優」: そうね。 「真衣」: オッケー。せかっくだし、手繋いで行く? 「真優」: あっ、嫌よ、恥ずかしい。絶対人に見られるし。 「真衣」: えぇ~?じゃ今繋ぐ? 「真優」: 意味分からないだけど、はっ、はい。 「真衣」: おっ、繋いでくれるんだ。 「真優」: で? 「真衣」: うぇっ? 「真優」: 次は? 「真衣」: あー、ぎゅってするとか。 「真優」: じゃほら、早くしなさいよ。 「真衣」: あっ、おほっ、えへへ~っ。 「真優」: なによ? 「真衣」: いや、こうすると、真優がここにいるなーって思って。 「真優」: そりゃいるわよ、大丈夫。 「真衣」: 元気だよ。なんだったら、お姫様抱っこしながらでも行けるよ!せーのっ、はっ。 「真優」: はっ! 「真衣」: ほら! 「真優」: あ、ちょっ、もっ、元気なのは分かったから。 「真衣」: 軽い軽い! 「真優」: 知ってるわよ!もう着替えるから降ろして! 「真衣」: おー?このまま良くない? 「真優」: バカ言わないでよね!一緒に外歩くなら、もうちょっとちゃんとした格好でなきゃダメなの! 「真衣」: え、えへへっ、それもそうだね。あぁじゃ、ちょっと待てて。 「真優」: おっ? 「真衣」: お待たせ、靴出して来た。 「真優」: あ、そのパンパスね。最近は時々入ってるみたいじゃない。 「真衣」: まぁね、せっかくだし。 「真優」: ん~?真衣にしてはいい心掛けね。 「真衣」: でしょう?あ、あとほら、ヘアピンもお揃いだ。 「真優」: 一緒に買いに行ったんだから知ってるし、見れば分かるわよ。 「真衣」: いいでしょう~。 「真優」: なんで私に言うわけ? 「真衣」: うぇ?ここに誰いるの? 「真優」: まあ、いいけど。 「真衣」: んじゃ、行ってきます! 「真優」: 行ってきます! 「真衣」: んー、あっ、これとかどう?ミラクル動物王国、犬猫編。 「真優」: ちょっと子供っぽ過ぎない? 「真衣」: だって真優、ホラーとか苦ってでしょう? 「真優」: そっ、そんなことは。。。ないわよ。余り趣味じゃないってだけで。 「真衣」: あー、あぁじゃ、アクションとか、トランステラフォーマーとか面白いよ。 「真優」: そういうのは煩いし、よく分からないし。 「真衣」: んじゃ、んー、恋愛もの? 「真優」: まあ、いいんじゃない。最近話題になった映画とか。 「真衣」: キスのシーンとかあるかもよ!恥ずかしくない? 「真優」: べっ、別に。 「真衣」: おやおや、そういうことに興味があるお年頃ですかな? 「真優」: なっ、ないわよ!まったくない! 「真衣」: ふぇー、それはちょっと残念。あ、まあ、でも取り合えず、これと。あと動物王国ね。 「真優」: 結局借りるのね。 「真衣」: 可愛いよ、犬! 「真優」: あんたで十分だけど~。 「真衣」: 犬じゃないよっ! 「真優」: うふっ、分かってわよ。犬より可愛い。 「真衣」: んもう、比較対照がな~。 「真優」: ねぇ真衣。 「真衣」: え?他のにする? 「真優」: ううん、なんでもないわ。 「真衣」: あ、そう?んじゃ、借りて来るね。 「真優」: ええ。。。 「真衣」: えへ、アイス、溶けっちゃう前に食べる? 「真優」: 歩きながらだとお行儀悪いでしょう? 「真衣」: それもそっか。んじゃ、そこの公園やってこう! 「真優」: ええ。 「真衣」: にやり~。おっ、なに?こっちの欲しくなっちゃった?半分かする? 「真優」: ん、ちょっと脱いで。 「真衣」: ふぇ? 「真優」: 脱ぎなさいってば。 「真衣」: へ?あ、ちょっ、ちょっといきなりそんな、ここ外だよ!こんなところじゃ誰かに見られるかもしれないし。 「真優」: いいから、早く脱いで。 「真衣」: へ?ふぇ~? 「真優」: ほら、見せなさいよ! 「真衣」: あ~、やだやだ、恥ずかしいってば! 「真優」: 大人しくしなさいっ! 「真衣」: ふぁっ、ダメ~! 「真優」: あ、ほらやっぱり。 「真衣」: へっ? 「真優」: 足、大分赤くなってる。慣れない靴無理にして履いて、靴ずれしたんでしょう。 「真衣」: あ、気付かれちゃったか。 「真優」: 血は出てないみたいだけど、これじゃ部活困るでしょう。 「真衣」: まあ、その、テーピングすれば、何とかなるかなって。 「真優」: はー、そんな簡単じゃないでしょう。 「真衣」: ん、ごめん、ちょっと痛いです。 「真優」: 謝らなくてもいいけど。多分、私が履け履けって言ってたからだろうし。 「真衣」: 真優のせいじゃないよ。 「真優」: 私がこういうだろうって思って、黙ってたんでしょう。 「真衣」: うっ、えっと、うん。 「真優」: 私、いやよ。 「真衣」: ふぇ? 「真優」: なんていうか、その、前みたいにすれ違っちゃうな感じになるのは。。。 「真衣」: あ、あたしも。。。そう、だから。 「真優」: じゃ、隠さないで、こういうのは。 「真衣」: ん、こんなちょっとしたことで迷惑かけたくなかったんだけどな。 「真優」: どんな些細なことでもよ。どんなに小さいことでも、お互いのことなら気にしたくなるものでしょう。少なくとも、私はそう。 「真衣」: うん、そうだね、あたしもそうかも。 「真優」: それに、迷惑だなんて思ってないわ。大体それなら、二人でいる時の私、どれだけ迷惑かけてるのよ。 「真衣」: えへへ~っ。でも、そのままでいてくれる真優、好き。 「真優」: んっ、煩いわね!とにかく、今日は帰りましょう。大会前とかじゃなくて良かったわ。 「真衣」: うん。ごめん、ありがとう。 「真優」: いいわよ、お礼何か。それより、せっかく綺麗な足なんだから、もうちょっと気をつけなさいよね。 「真衣」: えっ?ちょっとは、足褒められるとか、初めてなんだけど。 「真優」: 私はそう思うんだけど。いや? 「真衣」: ううん、いやじゃないけど、そんなにじっくり見られると、何か照れる。 「真優」: まあ、どこも好きだけど。 「真衣」: へっ?更に恥ずかしいの来た。 「真優」: なんでよ? 「真衣」: だって、あたしの体全部好きとか。。。えへっ、えへへ~。 「真優」: そ、そうは言ってないでしょう?そんな変態みたいなこと言うわけないじゃない。 「真衣」: いや、でも、今のそういう意味になるけど。 「真優」: ふんっ、勝手にそう思ってればっ。 「真衣」: えへへっ、ありがとう。じゃ、そうするね!真優に好きって言ってもらうの、何か言われても嬉しいし。 「真優」: そう。帰り、負ぶって上げる。 「真衣」: うぇ?あ、いいよいいよ。歩けないわけじゃないだし。 「真優」: でも、何かずるい。 「真衣」: ずるいって、何が? 「真優」: 真衣は私のこと抱えられるのに。 「真衣」: え?あぁいやいやいや、そこで釣り合い取る必要ないでしょう。 「真優」: でも。。。 「真衣」: んー。じゃ、手繋いで、ゆっくり歩いて帰ろう。 「真優」: しょうがないわね。 「真衣」: おぅ、アイス、溶けちゃったかもね。 「真優」: そんなのどうでもいいわよ。また買って上げるから。 「真衣」: んっ、うん! 「真優」: それより先に、新しい靴かしら。 「真衣」: あ、でも、これも履けなくなっちゃうのは何かいやだな。 「真優」: まあ、そうね。インソール入れたりすれば、何とかなるかもしれないわよ。 「真衣」: そうか、さすが真優! 「真優」: 別に普通でしょう。ほら、ちゃんと前見て歩きなさいよ。 「真衣」: えへ、真優が優しい~。 「真優」: はいはい、いつもそうよ! 「真衣」: そうでした~、えへへ~。 「真優」: まったくもう。