Track 2

「暮らし。」

美味なる臭いがするな……ソラ、お主今日は何を食べておるのじゃ? (少年「今日は焼き魚です」) 焼き魚か、ふむ……食事をせぬわらわには塩梅がわからんが、いつも綺麗に焼けておるな。 (少年「空狐さまの分もありますよ!」) (仕方なさそうに言うが、ソラの料理は美味しいので食べたい) ぬ……わらわの分もあるとは……用意のよいことじゃ……。 しかしソラが"わざわざ"わらわのために準備したのなら仕方あるまい、いただくとしよう。 はむ……ん……ん…………ごくん……。 ほう、悪くない。 やはりお主は料理が得意なようじゃ……。 はむ……ん…………ん………… (食べ終わって) ふぅ……美味であったぞ、ソラ。 褒美に、何か願い事を聞いてやろう、何がよいか? (少年「あ……では、聞きたいのですが……空狐さまは本当にあやかしさまなのですか?」) ふふ……なんじゃ今更になって……それにわらわのこととは……。 まぁよかろう……最初にも言った通りじゃ、わらわはあやかしじゃよ。 (少年「でも……普通のあやかしさまでは無いような……」) ふむ……まぁそれはその通りかもしれぬな、あやかしにも位がある。 わらわはその中で”空狐”という存在なのじゃ。 それがどんな存在なのかは……いつか他のあやかしに会った時にでも、聞いて見ると良いじゃろう。 (自慢げに) それに、普通のあやかしではないことくらい、わらわのこの耳と尻尾の毛並みを見ればわかるであろう? ふふっ……どうじゃ、美しいじゃろ。 (少年「はいっ、とても綺麗です!」) ふふ……素直なのは良い心がけじゃ。 ではせっかくじゃ、少し触らせてやろう、特別じゃぞ。 (少年モフる) どうじゃ、さらさらじゃろう……毎日しっかりと手入れしておるからの……。 ん……お主……撫でるのが上手いの……心地よい加減じゃ。 うむ……ん…………しばしそのまま撫でておれ……。 ん…………ん…………んぅ…………ん…………んっ…………。 すぅ…………ん…………ん…………んぅ…………ん…………ん…………。 ふむ……お主には撫でる才能があるの……。 これからは毎日わらわの尻尾の手入れもするがよい。 ふふ、光栄に思えよ? そういえばお主、この後は何をするつもりじゃ? (少年「食材を取りに出かけてくる予定です」) 猟か、十分に気をつけるのじゃぞ。 しかし、たくましくなったな……背ももう抜かされてしまいそうなほどじゃ。 お主を拾ったときは豆粒のように小さかったものじゃがなぁ……。 (少年「そんなに小さくはありません!」) (少し寂しそうに) ふふっ……冗談じゃ……。 じゃがやはり、人の子の時は早いものじゃな…………。 いや、何でもない……気にするな。 気をつけて行ってまいれ。