あーんでアイスを食べさせてもらう
;◆SE 遠くで冷凍庫を開閉する音と、その後近づいてくる音。カリン、ソファーの隣に座る
【カリン】
「……はい……あなた……持ってきましたよ……」
【カリン】
「こ、こんなのホントはやっちゃいけないんですよ?
例え夫婦の大事なイチャイチャタイムでも……っ。これは罪です。あわわ……神様……許して下さい……」
;◆声 ささやき
【カリン】
「…………はい、それでは……あなた……どーぞ……。私の……とっておきの……♡」
【カリン】
「高級カップアイスです。そのお値段、なんと一個1480円。
うおお……夜にアイスを食べるというだけでも罪なのに、まさかの一個千円超え。これを罪と呼ばずに何と呼びましょう。
……でもこういうイケナイコトしてると、大人になったんだなーって気もしません? えへへ」
【カリン】
「高校のときは……100円アイスだって買うのためらいましたもんね。
ふふ。覚えていますか? 私がまた、1年生だったころー」
【カリン】
「ふふ、あの頃。あなたってば私と目を合わせることもできませんでしたよねー……♡
女の子に全然慣れてなくて……えへ……私いつも、かわいい先輩だなーって思ってたんですよー」
【カリン】
「部活の帰り道で……よく二人で帰って……アイス食べましたよね。
いつも金欠だったから……2つに折れるタイプのヤツ買って2人で分けて」
【カリン】
「……青春の思い出です。へへ」
【カリン】
「おっと、そろそろアイスも柔らかくなって来た頃ですね。
んー……一口……すくって…………」
;◆声 ささやき
【カリン】
「はい、あなた。あーーん……♡」
【カリン】
「えへへ。私、喜ぶより喜ばせたいタイプなのです。
……美味しい物食べさせて……幸せそうな旦那の顔が見たいんです」
;◆声 ささやき
【カリン】
「だから、あなた……♡ お口開けて? かわいい、あーん……見せてください。
はぁーい……ほぉら……あーーん……♡ あーーーーーー…………♡」
【カリン】
「あはは……っ♡ んー……♡ おいし? えへへ……そーですか……もっと、食べますよね?
はい……。あーーーん……♡ やーーん……っ♡ もぐもぐしてゆー……♡ はぁ、この旦那ほんとに……♡」
【カリン】
「……え? 私にも……あーん、してくれるんですか? い、いいですよ、別に……なんか恥ずかしいし……。
ぅ……で、でもぉ……んーー……まぁ……えと……じゃあ、はい…………あーーん…………ぱくっ」
【カリン】
「(アイス食べてる)」
【カリン】
「……恥ずかしさで……せっかくの高級アイスの味がわからないのですが……っ」
【カリン】
「わ、私は自分で食べるから、あーんはしなくていいです。
あなただけ……大人しく、私に可愛がられててください」
【カリン】
「まったく。学生時代の、私の手が当たるだけで顔を真赤にしていたくせに、
すっかり大人になってしまったんですから……もぉ」
【カリン】
「ほら。あなた…………あーーーーん…………♡」
【カリン】
「ん……えへ……♡ えへへ……♡ もう一口? いいよ……はい…………あーーーーん…………♡ えへ……♡」
【カリン】
「やっぱり私、尽くされるより尽くすほうが好きです。
いーーっぱい……あなたに、尽くしてあげたいです……♡」