Track 2

耳かきの前に耳のマッサージです♪

;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「とは言え、いきなり耳かきというのも性急過ぎていけませんね」 【瀬奈】 「まずは軽くお耳のマッサージをしながら、色々とお話でもいたしましょうか」 ;SE:両耳マッサージ音開始 【瀬奈】 「指で、表面を滑らせるように……。すこしくすぐったく感じるかもしれませんが、我慢、ですよ?」 ;SE:30秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「はあ~っ。それにしても、触れているだけでも本当に良い穴だとわかります……。一億人に一人の逸材ですよ、あなたは」 【瀬奈】 「わたし、一度穴を視ればわかるんです。その人の耳についての全てが、手に取るように……」 【瀬奈】 「耳かきの頻度、耳垢の乾き具合、付着しやすい場所など、わからないことなどありませんから」 【瀬奈】 「その上で申し上げますが、やはりあなたの耳はわたしの求めていた耳穴、そのものなのです。決め手となったのは……」 【瀬奈】 「耳垢生産の速さ! ……これです」 【瀬奈】 「高い頻度で耳かきを行うのはかえって耳に悪いのですが、あなたのその耳垢生産速度であれば、問題など微塵もございません」 【瀬奈】 「つまり、わたしの飽くなき探究の日々に着いてこられる優秀な穴は、今こうしてもみほぐしているあなたのものだけ、ということなのです」 【瀬奈】 「これからあなたにはわたしのリアルな耳かきの感触を覚えて頂き、それから制作したASMR音源を聞いて頂く。つまり、あなたにおこなってもらいたいのは、現実と、ASMRという一種の虚構を埋めるための助言なのです」 【瀬奈】 「やはり、どんなに高品質な録音機材を使用しようと、制作されるものと実際の耳かきには多少の差異が生じてしまうものです。しかし、その差を極限にまで縮め、よりリアルなASMR音声を作成することが、わたしの夢であり目標であり、使命なのです」 【瀬奈】 「そういう訳で、あなたにはわたしの野望に付き合って頂きたいのです。どうか、ご協力願えないでしょうか?」 【瀬奈】 「……返答はなし、ですか。そうですか。で、あれば……」 ;SE:両耳マッサージ音停止 ;SE:スマホカメラのシャッター音 ;SE:両耳マッサージ音再開 【瀬奈】 「この、あなたのとろけ顔を、SNSで拡散させて頂きます」 【瀬奈】 「こんな手段、できればとりたくはなかったのですが……。万が一、あなたに逃げられた時のための保険として致し方なく……」 【瀬奈】 「脅すような形になってしまったのは申し訳ありません。しかし、あなたも悪いのですよ? 先程からずっと黙って、煮え切らない態度ばかり……」 【瀬奈】 「こんな、魅力的な穴を前にはやる気持ちを抑えられるほど、わたしは我慢強い人間ではないのですよ。ふふっ」 ;SE:10秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「ああ、だんだんと赤みをましてくるこの極上の耳……。食べてしまいたいぐらいです」 【瀬奈】 「こうして耳を弄りながら、これからどんな快楽を与えてあげるかを考える、この時間がとても愛おしく、そしてもどかしい……」 【瀬奈】 「どうでしょう? だんだんとわたしに支配される覚悟は出来てきたでしょうか?」 【瀬奈】 「ふふっ。逃げ場はすでに塞がっておりますし、覚悟というよりは、諦め、という言葉の方が正しいかもしれませんが……」 【瀬奈】 「わたしの気持ちがご理解頂けるようになるには、時間がかかるかもしれませんね。でもいつか、この情熱を分かち合えるようになりたいものです」 【瀬奈】 「というのも、耳かきやASMRのことになるとわたしは周囲が見えなくなるほど熱くなってしまって、ヒかれてしまうことも多く……」 【瀬奈】 「他の部員にも、わたしが一番怖い、などと言われてしまっていてですね……。わたしからすれば、皆さんとそう変わらないと思うのですが……」 ;SE:30秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「さて、だんだんとお耳とその周りがあたたまってきたようですね。心地よく感じられているでしょうか?」 【瀬奈】 「はじまりは確かに強引でしたが……今日は満足して帰って頂けるように、丁寧におもてなししますから……。絶対、逃げないで下さいね?」 【瀬奈】 「わたしが耳かきを持つと、部員の皆さんは逃げてしまうんです。わたしの耳かきは『この世に戻ってこられなくなる』だとか、『自分が何者なのかわからなくなる』だとか、ヒドい言いようで……」 【瀬奈】 「最初の一回以降は、そんな風に断られてばかりでして。まるでわたしの耳かきが法的にアウトな代物のように扱われるのは、流石に納得がいかないのですが……」 【瀬奈】 「まあ、そんな経緯もあり、こうして被検体、コホン。協力してくれる方がいるというのは、本当に嬉しいことなんです」 【瀬奈】 「ええと、少し怖がってます? し、心配ないですからね? ちゃんと生きて帰ってこれますし、アイデンティティも喪失しませんから。大げさなんですよ、あの子たち」 【瀬奈】 「そのうち、彼女たちに出逢うこともあるかもしれませんね。個性豊かというか、少々変わり者が多いといいますが、普段の態度はともかく、ええと、ね、根は良い人ばかりなので。仲良くしてあげてください。お願いします」 【瀬奈】 「……なんだか、余計に不安にさせてしまったような。すみません。わたしったら口下手でして」 【瀬奈】 「肝心な部分を抜かして話してしまったり、誤解を招く表現をしてしまったり……」 【瀬奈】 「焦ったりすると特にそうなんです。悪癖、というやつです」 【瀬奈】 「今も緊張しているようですね、わたし。耳に触れていれば落ち着くと思っていたのですが、あなたはわたしにとって、特別な人みたいです」 【瀬奈】 「……今のも誤解を招く表現、だったりします?」 【瀬奈】 「時々相手の反応で解るのですが……。はあ。どうすればこの癖は治るのでしょうか。なぞです……」 【瀬奈】 「そろそろ、お耳のマッサージはおわりなのですが……。ふふっ、もっとして欲しいですか?」 【瀬奈】 「ではもう少しだけ、ですよ……? わたしも、今すぐ耳かきしたい衝動に抗うの、大変なんですから……」 ;SE:一分ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「んっ……。もしかして、ですけど。お耳、弱かったりします? あ、いえ。ただやっぱり、そうなのかなって」 【瀬奈】 「本当に適任ですね、あなたは……。この部の宝になりそうです」 【瀬奈】 「反応を観察して楽しみたい、という部員は多いですから。かくいうわたしも、そうなのですけれど」 【瀬奈】 「あなたがいれば、わたし達の作るASMR作品はさらなる進化を遂げられる。そんな気がします」 ;SE:30秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「これでよし、です。さて、お耳のマッサージは終了です。いかがでしたか? お耳の血行も良くなって、ほかほかしてきたと思います」 【瀬奈】 「お風呂上がりに耳かきをなさる方も多いですが、個人的にはマッサージをしてからのほうが、耳垢が余分な湿気を含まないので耳かきがしやすいんです」 【瀬奈】 「では、いい感じにあなたのお耳も美味しく仕上がってきたところで」 【瀬奈】 「本番の耳かき、やっていきましょうか♪」