Track 2

『歯磨き? 僕に任せておくれよ』

;ボイス位置:7 普通の会話 【結希】 「歯磨き? ぼくに任せておくれよ」 【結希】 「遠慮はしなくていいよ。そのための執事だからね」 【結希】 「ほら、君の綺麗なお口を開けておくれ?」 【結希】 「あーん。ふふっ。無防備に口を開けてくれる君の事がぼくは大好きだよ」 【結希】 「さて、そんな君に今日は特別な歯磨きをしてあげよう」 ;ボイス位置:7 囁き声 【結希】 「この歯磨きは、君も気に入ってくれると思うよ」 ;ボイス位置:7 普通の会話 【結希】 「これ、なんだと思う? 指につけるサック……に見えるけど、これも歯ブラシなんだ」 【結希】 「こうやって指にはめて……歯を撫でてあげると」 ;SE:シュッシュッと歯を磨く音 【結希】 「ほら。良い音がするだろう?」 【結希】 「じゃあこのまま君の歯をぼくの指で磨いてあげるから。ぼくに任せて?」 ;SE:前歯を磨く音 【結希】 「最初は歯の表面を浅めにね。いくら細い指でも、急に奥に来たらおえってなるだろう?」 【結希】 「ちゃんと坊ちゃんにやる前に自分で練習したからね。そこは信頼してくれたまえ」 【結希】 「ああ。ちゃんと自分用とは別に坊ちゃん用のものを今は使っているからね」 ;ボイス位置:7 囁き 【結希】 「それとも。ぼくが使ったもので磨いた方が良かったかな?」 ;ボイス位置:7 普通の会話 【結希】 「なぁんて、冗談だよ坊ちゃん。一族の跡継ぎ様にそんな事は出来ないからね」 【結希】 「ぼくときみが執事と主じゃなくて、ただの友人……もしくは、それ以上の関係なら出来たかもしれないけどね」 【結希】 「ここは『きみさえ望むのであれば、ぼくはいつでも』とだけ言っておこう」 【結希】 「なんて、ちょっと意地が悪かったかな」 【結希】 「ぼくは坊ちゃんの事を心からお慕いしている事に偽りはないからね」 【結希】 「きみと初めて会ってから、もう5年くらい経つんだね……時の流れは早いなぁ」 【結希】 「お仕えする事になってからはさらにあっという間だ」 【結希】 「今後ともよろしくね、坊ちゃん」 【結希】 「じゃあそろそろ奥の方も磨いていこうか」 ;SE:左奥歯表面を磨く音 【結希】 「なんだかいつもの歯ブラシと違って不思議な感覚だろう? 歯と歯茎の間が、気持ちよーくマッサージされているかのような」 【結希】 「まだあまり世間では聞かないけど、もう少し改良されたら一気に浸透しそうなポテンシャルがあるね」 【結希】 「こうやって口の中に指を入れられて歯を磨かれるっていう感覚、坊ちゃんはお気に召してくれたかな?」 【結希】 「坊ちゃんさえよければ、これからも……この指に着ける歯ブラシで、歯を磨いてあげるからね」 【結希】 「それじゃあ今度は反対側だ」 ;SE:右奥歯表面を磨く音 ;ボイス位置:3 普通の会話 【結希】 「坊ちゃんもこの感触に慣れてきたかな。中々クセになるだろう?」 【結希】 「でも、ぼく以外に頼んじゃだめだよ? きみの執事はぼくだけなんだから」 【結希】 「メイドにだってこの仕事を譲ってやるものか。坊ちゃんの世話はぼくの生きがいなんだ」 ;ボイス位置:3 囁き 【結希】 「だからやって欲しい事は、全部ぼくに言うんだよ? 坊ちゃん」 ;ボイス位置:3 普通の会話 【結希】 「次は歯の裏側を磨いていこうか。辛かったら言っておくれよ」 ;SE:歯の裏側を磨く音 【結希】 「指で歯を磨く時って、意外に裏側を磨くのが大変なんだよね」 【結希】 「奥まで届きはするんだけど、指の動きと歯の形が上手い事合わないというか」 【結希】 「だから指というより、手や腕全体を動かして磨いていく形になるんだよね」 【結希】 「裏側を磨く時は、一般的な歯ブラシの方に軍配が上がるのかもしれないね」 【結希】 「と言っても、ぼくは指磨きルーキーだから、達人クラスになるとまた別かもしれないけどね」 【結希】 「ん。そろそろ口をリフレッシュしようか」 ;SE:水を出す音 ;SE:コップに注ぐ音 ;ボイス位置:3 普通の会話 【結希】 「はい。それじゃあ口に含ませてあげるね。飲み込んじゃだめだよ?」 【結希】 「ふふっ。いい子だ。そのままお口をくちゅくちゅしようか」 【結希】 「口の中の水を前から後ろ、後ろから前。右から左、左から右へ」 ;ボイス位置:3 囁き 【結希】 「はい、出して」 ;SE:ゆっくりとした拍手(↓だ。まで) ;ボイス位置:3 普通の会話 【結希】 「ふふふ……エクセレントだ。では歯磨きを再開しようか。お口を開けておくれ」 ;SE:歯の噛む部分を磨く音 【結希】 「歯の噛む部分を指ブラシごしに指先で触れてみると、すごく不規則にごつごつしている感じがするね」 【結希】 「人体とは不思議なものだ。この歯で色々なものを噛んで食べているのだから」 【結希】 「だってそうじゃないか? ものを食べる為ならもっといい形があると思うし、個体差も激しい」 【結希】 「犬歯も進化前の名残だと言うけども、人間という種族になってから長い時が経ったにも関わらず、残ったままだ」 【結希】 「もしかすると、人間から犬歯が消えて他の歯と同じようになる時が、進化の時なのかもしれないね」 【結希】 「地球が太陽に飲みこまれるまで50億年だと仮定して、それまでに人類が進化するか、ぼくには分からないけどね」 【結希】 「よし。歯磨きは終わりだよ。それじゃあ坊ちゃんには、もう一度口をゆすいでもらおうか」 ;SE:水を出す音 ;SE:コップに注ぐ音 【結希】 「はい。綺麗なお口を開けて」 【結希】 「口の中全部をぐじゅぐじゅ~、ぺっ」 【結希】 「いーってしてみてくれるかい?」 【結希】 「うん! 今日も綺麗な歯になったね」