■トラック8『眠りの前のティータイム』
;◆SE 遠くで、お茶を注ぐ音。足音が近づいてくる。
;◆声 ダミーヘッド位置・9(正面・遠い)
【千歌】
「眠る前に、カモミールティーを淹れました。
これ飲むとリラックスして、朝、しゃっきりして起きられますからね」
;◆SE お茶のカップを、2つ、テーブルに置いて、隣(かなり距離が近い)に座る
【千歌】
「……お砂糖? ダメ。もう、歯、磨いたでしょ。
ん? ストレートじゃ飲めないの? 違う? 熱いから、少し冷めるの待ってるだけ?……子供なんだから」
;◆SE 千歌、リスナーのカップを手に取る
【千歌】
「ふぅーー……ふぅーー…………私が冷ましてあげますから。そしたら、飲めるでしょ。ふぅーー……ふぅーー……。
ホント……いつまで経っても、手がかかる人。……ふぅーー……ふぅーー…………」
【千歌】
「……はい、どうぞ」
【千歌】
「(自分のお茶を飲む)」
【千歌】
「ん……美味しい。最近少し、ハマってるんです。夜に、お茶、飲むの。
どうですか? 美味しい? …………そ。よかった」
【千歌】
「(自分のお茶を飲む)」
【千歌】
「……久しぶり、ですね。先輩がうちに来るの。
子供の頃以来。いつぶりか覚えてます? 私は覚えてます」
【千歌】
「バレンタインデーの日」
【千歌】
「ほら。チョコ。作ってあげたでしょ。うちで。
トリュフチョコ。今思えばヘッタクソなヤツ。先輩、美味しい美味しいって、食べてた」
【千歌】
「……でもそれがクラスの他の子にバレちゃって。
私達、散々からかわれて、何かそういうのが嫌になっちゃって」
【千歌】
「私、ずっと先輩のコト、避けてたの」
【千歌】
「……………………バカみたい。ホント、子供」
【千歌】
「でも。なんか。ずっと」
【千歌】
「……また、前みたいにしたいなって」
【千歌】
「(気まずそうに自分のお茶を飲む)」
【千歌】
「癒やし部入ったのも。部活選ぶとき。
……そういえばあの人、こういうの、好きだったなって」
【千歌】
「……癒やし部居たら、また話す機会とか、出来るかもって。
ホントバカ。ただ、顔を突き合わせて、また遊んでって言えばよかっただけなのに」
【千歌】
「………………まぁ、でも」
;◆声 ささやき
【千歌】
「先輩は私に甘やかされるの、嬉しかった。みたいだし。
あなたの耳を触るの、………………イヤじゃなかったし」
【千歌】
「これはこれで良かったなって。少し」
【千歌】
「…………また」
;◆声 ささやき
【千歌】
「してあげます。こういうこと。好きな時に、泊まりに来ればいいし。
また、バレンタインデーになったら、一緒にチョコ、作りますか」
【千歌】
「……そしたら……次こそは……」
【千歌】
「………………」
【千歌】
「あ、先輩。眠そうな顔、してますね。もう、ホント子供。
……じゃあ、お布団、行きますか? リラックス出来る音、聞かせてあげるから」
【千歌】
「……もう。目、しばしばさせちゃって。寝ぼけてるの、危ないよ」
;◆声 ささやき
【千歌】
「ほら。私の手、握っていいから。…………おいで? ほら……行こ」