第16話 実験21日目(金)
今度は重い足取りで部室に向うネル子
ネル子 「……また放課後がきてしまいました……こんなに放課後が待ち遠しくないのは初めてです……
部室でも会話もほとんどなくお互いにゲームをしているだけ……部長の少し寂しそうな顔が私にはとても辛いです……」
部室前でスゥ子を踏むネル子
スゥ子 「ふぁっ……おはようネル子」
ネル子 「お、お姉ちゃん!?どうして部室の前で寝てるんですか……思わず踏んでしまいました……
しかも律儀に体育のマットまで敷いて……まったく心配になりますよ」
スゥ子 「……私はネル子のが心配」
ネル子 「……!?(絶句)……はは、お姉ちゃんには何でもわかってしまうんですね……ねこだまし」
ねこだまし
スゥ子 「……おねえちゃんと一緒に帰るか?ネル子」
ネル子 「おふざけもなしですか……本当に心配されているんですね……まぁ胸揉まれてますけど」
スゥ子 「おーおー、これは随分と傷心のようだなわが妹……胸がしぼんでいるぞ」
ネル子 「しぼんでません!……いえ、しぼんでいるのかもしれませんね……」
スゥ子 「弟君絡みか……お姉ちゃんが何とかしてあげようか?」
ネル子 「お姉ちゃん……いえ、いいです……」
スゥ子 「遠慮するな。妹は姉を頼っていいんだぞ」
ネル子 「これは罰なんです。安易な手段で部長の気持ちを弄んだ私への罰……」
スゥ子 「どうしてそう思う?」
ネル子 「私は……正直、部長とイチャイチャしたかったんです」
スゥ子 「ふんふん、それで?」
ネル子 「でも、この前部長が迫ってくれた時、私は逃げてしまいました」
スゥ子 「ふーん」
ネル子 「……なんですか、その気のない返事は」
スゥ子 「いや、まぁそうだろうなって……ネル子は恥ずかしがり屋だからな」
ネル子 「否定は……しませんが」
スゥ子 「そう、それだ!」
ネル子 「な、何ですか?」
スゥ子 「その敬語、小さい時からクセだろ?……それが答えだよ」
ネル子 「答え……ですか?……どういう意味で」
スゥ子 「はい、おーしまい。続きを聞きたかったからお姉ちゃんに課金しなさい」
ネル子 「今月のお小遣いは渡しました」
スゥ子 「チッ……」
ネル子 「……お姉ちゃん、心配してくれて有難うございます……私、部活に行きますね……
本当に、大丈夫ですから」
ドアが開けてしまる
ネル子 「……部長こんにちは……あ、今日も私PCで艦セレでもしてますね!」
スゥ子 「はー、根がマジメすぎるカップルっていうのは面倒臭いもんだね……ふぁー、場所代えて寝よ」