デスクワークは肩が凝りますからね。」(肩もみ+肩たたき)
「はい、先生。休憩と言えば先ずはコーヒーだと思いますので、どうぞ。先生が休憩のときに飲んでいる、いつも通りのコーヒーです」
「仕事前と仕事中、そして休憩のときで砂糖の量やミルクの有無が変わるの、大人の拘りって感じがします」
「それ以外にもコーヒーの淹れ方の法則があるのかもしれませんが、それはまたおいおい観察させて頂くとして」
「では先生、私が休憩のお手伝いをしますので、思う存分おくつろぎ下さい♪」
「ふふっ、何をされるのかと思ってます? 先生でしたら既に何をされてしまうか、ご存知かもしれませんが」
「はい♪ 休憩――リラックスといえば、やはりマッサージですよね。先生、マッサージ動画を見ながら寛ぐの、お好きみたいですし」
「ふふっ、変わった趣味、ですか? マッサージ動画をご覧になるの、別に変なことだとは思いませんよ。私も興味があり見てみましたが、再生数も結構多かったですし」
「こんなにマッサージをされている動画を見る人がいるのは、何か根拠があるのかしら?」と思ってちょっと調べてみたのですが……ちゃんと根拠、あるみたいですよ、先生」
「マッサージは直接されるのも勿論気持ち良くてリラックス出来ますが、マッサージをしている・されている動画を見るだけでも同等程度のリラクゼーション効果が期待できるそうです」
「実際にマッサージをされているときの気持ち良さを感じられないのは残念ですが、気持ちが解れるのは良いことだと思いますよ」
「ですので、先生? お疲れの際はどうぞ自信を持ってマッサージ動画、ご覧下さい♪ まあ……他の生徒さんに説明をして、納得してくれるかは定かではありませんが」
「っとと、先生? 今更になってしまって申し訳ないのですが……肩もみの強さ、如何ですか? 強すぎたり弱すぎたりは……しませんか。それなら良かったです」
「ふふっ、ユウカちゃんはこれよりももう少しだけ強めのほうがお好きみたいですし、マッサージの強さは人によって好みがありますから確認は大事です」
「こうしてどれくらいの強さがお好みか教えて頂ければ、次からは殆ど同じ強さで再現できると思います」
「ふふっ、でも記憶や暗記としては完全に頭に入れていても、力加減は日によって誤差が出るかと思いますし、強さについては適宜仰って頂けると助かります」
「ユウカちゃんのように多少の誤差でも、気持ち良いーと言って下さるのでしたら、それはそれで構いませんが♪」
「ユウカちゃん、毎回必ず遠慮はするんですけど、肩もみさせてくれるんですよね。じゃあ、ちょっとだけお願いといいつつ、最近では途中から頭が揺れ始めたりするのを見るのが楽しみになっちゃってます♪」
「先生も宜しければうたた寝してしまっても大丈夫ですからね。そのときはちゃんとソファーかベッドに運んであげますから」
「生徒にそんなことをさせられない? ふふっ、確かにそうですね。それに、そういうときに限って他の生徒さんが急にやってきて目撃されてしまったりしそうですし」
「私は構いませんが……先生は困ってしまいますもんね、ふふっ♪」
「そういえば買ったもののあまり使われずに物置き場になってしまうものの代名詞にマッサージチェアがありますね」
「お店や外の施設で使用するととても気持ち良いですし、何時間でも座っていられるような気分になるのですが……家にあると使わなくなるのは不思議なものですね」
「私はそういうことはないのですが、買って満足してしまった、というのもあるのでしょうか? それか、思っていたほど性能が良くなかったとか」
「もしくは、やはりマッサージチェアを使うのでしたら周囲の環境も加味して、外のほうが気分的に良かったりとか。安いものではないのに勿体ない限りです」
「ふふっ、というわけで先生? マッサージチェアの購入をお考えでしたら、是非慎重にご一考を♪ もしどうしても欲しいというのでしたら、ユウカちゃんにも相談、して下さいね♪」
「あー……そういえばエンジニア部がマッサージチェア?を作ったという話を聴いたことがありますね。私は直接見たわけではないのですが、足や背中だけでなく全身マッサージ機だったと聞いてます」
「ミレニアムの誇るエンジニア部謹製のマッサージチェア、どうです? 確か脱出ボタンまでついてもしもの時も安心と……」
「あら、とりあえず今は結構、ですか? ふふっ、今のところは必要ない、とのことですし、必要になったときのためにエンジニア部に話だけでも通して――」
「ふふっ、では私の頭の中にだけ記憶しておきますね。必要になったらいつでも仰ってください、先生」
「マッサージチェアには及ばないかと思いますが、私のマッサージでしたら当番の日でしたらいつでも♪」
「勿論、しっかりとお仕事をして、その間の休憩の時間に、ですが♪」
「それにしても先生の肩をこうしていると……上手く形用出来ない気持ちになりますね。勿論、ネガティブな意味ではありません」
「……マッサージをされて気持ち良くなっている動画を見るとリラクゼーション効果が、という話をしましたが、動画でなくとも実際に目の前で気持ち良くなっているのを見るというのも効果があるのかもしれません」
「ユウカちゃんの肩を揉んでいるときも同じような気持ちになるか、ですか?」
「うーん、先生の肩をマッサージするのはホッとすると言いますか、落ち着くと言いますか、そんな感じですが、ユウカちゃんの肩に触れているときは……ふふっ、何だか楽しくなってしまっている気がします」
「ふふっ、先生もユウカちゃんのリアクション、想像出来てたりします? 遠慮はしつつも「もっと右ー」とか「もうちょっと強くー」とか、可愛いんですよ、ユウカちゃん♪」
「先生も機会があればユウカちゃんの肩もみをー……と思いましたが、流石に先生が生徒の肩を揉むのは……ふふっ、どうなんでしょうね?」
「まさかユウカちゃんだけを特別扱いというわけにはいかないでしょうし、他の生徒さんからも肩もみをお願いされて大変なことになりそうです」
「先生は生徒からのお願いは断れなさそうですし」
「はい。肩もみはこれくらいにしておきましょう。私も慣れているわけではないので、ちょっとだけ手が疲れてきましたし」
「ふふっ、謝る必要はありませんよ♪ 私が勝手にしてあげただけですので♪」
「それで、肩の調子は如何です? 少しでも楽になっていれば私も肩もみをした甲斐がありますが……ふふっ、具合が良さそうでしたら良かったです♪」
「さて、それではリフレッシュも出来ましたしお仕事、再開しましょうか」
「ふふっ、また疲れたころにちゃーんとリフレッシュタイム、してあげますから♪」
「それでは先生、お仕事中のコーヒー、淹れてきますね」
「お仕事中のコーヒーは……ふふっ、ちゃーんと分かってますから大丈夫ですよ♪」
「では、先生? 私がコーヒーを入れてくる間も遠慮せずにお仕事、していてくださいね♪」