Track 2

2マッサージ

では、奥の小上がりへどうぞ。 お足元にきいつけくださいね。 癒し処という看板を掲げとりますが、 この店は……ほうですね、 今風にいうなら、リラクゼーションサロン、 とでもいったところやと思いますわ。 心も身体も芯からリラックスできるような、 そんなサービスをさせていただいとるんです。 お客様、見たところずいぶんとお疲れやありません? ふふっ、私にはわかってまうんですよ。 さあ、さっそくそちらのお布団の上へどうぞ。 うつ伏せになって、楽になさってください。 まずはマッサージで、こわばったお身体をほぐしてさしあげますけん。 では後ろから失礼して…… っしょっと。 肩から揉みほぐしてきますけんね。 んっ……んぅっ…… ふぅっ……んっ…… やっぱり。 だいぶ凝っとりますよ。 普段から肩、重たないですか? たまにはこうしてほぐしとかんと……んっ…… どんどんどんどん疲れが蓄積されて……ふっ…… お身体が慢性的に……しょっと…… けだるくなってしまいますよ。 んっ……はっ…… 結構強く揉んでますけれど……ふぅっ…… 痛くはありませんか? 大丈夫? んんっ……やせ我慢してません? ふふっ……そうですよね。 こんな立派な肩をされてたら……んっ…… 私みたいな女の手でどれだけ強く押されたって……はぅっ…… ビクともしませんよね。 ふぅ……んっ…… よいしょっ……ふんっ…… どうですか? 肩、少しは軽うなりました? じゃあ背中に向かって降りていきましょか。 肩甲骨のあたりから……んんっ…… ゆっくり腰の方へ……ふっ…… お背中、とっても広いんですね……んっ…… だいぶこわばってしまっとりますよ……っしょ…… この大きなお背中にいろんな責任しょって……ふんっ…… 毎日毎日、頑張ってらっしゃるんですね……ふっ…… 足、少し広げていただけますか。 ……はい、ありがとうございます。 力ぁ抜いてらくぅにしとってくださいね。 腰も揉んできますけん……んっ…… ちょっと体重、かけますね……ふぅっ、んっ…… 重うありませんか? ふふっ、ええんですよ。 重かったら仰ってください……よっ、と…… 変な遠慮はせんとってくださいね……ふっ…… 日ごろ、よく歩かれるんですか? 腰にもだいぶ疲れがわだかまっとるようですわ……んぅっ…… デスクワークでも腰には負担がかかりますけん……はっ…… 普段からストレッチとかしてみるんも……ふぅっ…… お身体のために、えーかもしれませんよ? っと、さらに下の方も…… わっ、太腿もずいぶん張ってしまっとりますわ。 いえ、これは筋肉の硬さでしょうか…… でしたらなおさら、ほぐしとかんといかんですね。 筋肉が硬く張りつめたままやったら、 思わぬ怪我につながったりしますけん。 んんっ……ふっ……んはっ…… あっ、くすぐったかったですか? くすくすっ…… 笑ってまいそうになったら、 どうぞ我慢せんとってくださいね。 こらえたり、遠慮したり…… そんな気遣いは無用です。 ここは癒し処なんですから、 ありのままに、思うままに…… ふんっ……んっ……っしょ…… ふぅ……こんなところでしょうか。 お身体、いつもより軽うなりました? ふふっ、よかった。 いえ、お顔を見ればわかります。 とっても安らいだ顔つきになられとりますけん。