Track 3

3耳かき

さて、それでは…… お隣、失礼しますね。 ああ、いえ、どうかそのまま。 くすっ、そんなにみがまえんでください。 うんしょ、っと…… はい、どうぞ。 何って……頭を私の膝へ、お乗せください。 ええ、膝枕です。 そんなに恥ずかしがんで。 こちらまで、なんだか気恥ずかしくなってしまいますけん…… はい。 だってこうせんと、 うまく耳かきできんでしょ? だから……ね? はい、どうぞご遠慮なく、頭をこちらへ。 右耳から掻いてきますけん、 ええ、左側を私の太腿の上へどうぞ。 あっ、もう…… そんなに肩を緊張させて。 さっき揉みほぐしたのに、 また硬くなってしまってますよ? ゆったりと、楽にしてください。 そう、お身体の力抜いて…… そのまま寝てまうくらいのつもりで…… ではお耳の中へ、失礼しますね。 そーっと、お邪魔しますけんね。 んっ…… 普段はお耳のお掃除、 ご自分でされとるんですか? んっ…… ほうですか…… こうして人にされるんも、 心地ええもんでしょう? そーっと耳かきを……んっ…… こうしてお耳の中で……ふっ…… 動かされとると……んっ…… ふふっ。 くすぐったいようなもどかしいような、 それでいてとってもええ気持ちになりません? んっ…… 心がふわりと……んっ…… 安らぎませんか……んっ…… ちょっとお耳のそばまで失礼して…… (近くまで顔を近づける) (間近) んー……綺麗に……なったようです。 (離れる) っと、まだ終わっとりませんよ。 取れたもんを拭き取らんと。 (ふーを数回) はい。 このあたたかいおしぼりで。 耳の奥の方から外へ向かって…… そーっと、拭っていきますけんね。 んっ…… あつう、ないですか? んっ…… 耳がじんわりあたためられて、 また違った心地よさがあるでしょ。 んっ…… んっ…… はい、もうよろしいですよ。 次は反対側…… 左のお耳を綺麗にしていきますけんね。 お身体の向きを、さあ、反対へ向けて…… 左耳を上へ……はい。 あら、おしぼり、やっぱり熱かったですか? なんだか頬っぺたからお耳にかけて、 ほんのりと赤くなっとりますけど。 大丈夫……ですか? でしたらよろしいんですけど…… では、こちらのお耳へも失礼しますね。 んっ…… んっ…… ふふっ、お顔が私の方を向いていると、 なんだか少し照れてしまいますね。 あんまじっくり、見んとってくださいね? んっ…… もっと気ぃ落ち着けて……んっ…… 静かに呼吸をなさってくださいませ……んっ…… お、お客様の吐息が……くすっ…… 太腿やお腹にかかって、少し…… くすぐったいです……んっ…… あっ、もう…… だからって息を止めたり我慢したりは……んっ…… せんでええんですけんね……ふっ…… が、我慢は私が……くすくすっ…… します、けん……んふふっ…… んっ…… んっ…… くすっ……やっぱりくすぐったい…… んっ…… ……はぁい、綺麗になりました。 (ふーを数回) 仕上げにほかほかのおしぼりで…… んっ…… っしょ…… んっ…… ふふっ、もうええですよ。 普通に呼吸してくださって。 我慢せんでいいって言ったのに。 くすくすっ。 ほら、またお身体に無駄な力が入っとりますよ。 リラックス、リラックス…… あ、そうだ。 お顔もあたたかいおしぼりでお拭きしましょうか。 こちらの新しいもので…… ええ、さっぱりして、気持ちええですよ。 はい、そのままお顔を少しずらして、 まっすぐ上を向いとってください。 そーっと、お顔におしぼりをあてていきますけんね。 おでこから…… まぶたへ…… 右の頬っぺた…… ふふっ、柔らかい…… 左の頬っぺたも…… お鼻から、お口へ…… 顎の下も、お拭きしますね…… 仕上げに首筋にも、こうして…… んっ…… はい、お疲れ様でした。 どうぞ、今度はそちらの枕へ。 ふふっ、膝枕、名残惜しいですか? そんなことない? 私は……少し名残惜しいです。 なんて……くすくすっ。