Track 10

お肉がないんだけど

ほら、浮かない顔ね。何かあったの?ん?ああ、昨日のことをまだ後悔しているのね。私もあんま手荒らな真似をする気もなかったの。でも、お前が脱出をしようとしたから仕方なくしたの。ふふ、悲しそうな顔をしちゃうくらい反省しているのね。いいわよ、今日は特別に甘えさせてあげる。ちょっと待っててね。春さあ。はい、今行きます。待っててください。すいません。はい、何でしょう?遅いよ。何秒待ったと思ってんだよ。す、すいません。申し訳ありません。また床を舐めるか?いや。もっとしっかりしろよ。すいません。申し訳ございません。気をつけます。気をつけます。ですから、どうかお許しください。ふっ、ふっ、ふっ。別に土下座をしろなんて一言も言ってないじゃない。これだと私が無理やり土下座をさせているみたいじゃない。はい、すいません。これは私の意思です。私が残下の気持ちに耐えられなくなり、勝手に土下座をしているだけです。あら、そう。それならそのままの状態で聞いてくれるかしら。ああ、そうだ。ちょうどいい椅子代わりになりそうだから上に乗っちゃおっと。うっ、うっ。さっき冷蔵庫見たんだけど、お肉、無くなってるじゃない。どうしてなのかな?私、常備しとけって言ってなかったっけ?すいません。ですが、前様のお好みのお肉は、どれも栄養ランク以上のお肉。お金は、貯金を潰して、何とかしていますが、お肉を買うのに、こういった場がかかります。は?何言い訳しちゃってんの?それを探すのが、花生婦のお前の役目だろう。わかりました。すぐに買って参ります。よろしく。あと今日は久しぶりに私が料理を作るわ。どうせ遅くなるでしょ。だから、それまでに下準備だけでもしといてあげる。いいんですか?ええ。その代わり、ただとは言わないわよ。私、料理とっても上手だもの。そうね。その結婚指輪でどうかしら?これはちょっと…。会社ではどうせ外してるんでしょ?それは…。なら、いらないだろ。ほら、よこせよ。はい、わかりました。ありがとう。あの、すいません。そろそろ降りてもらってもよろしいでしょうか?ああ、ごめんごめん。座り心地よすぎて、お前の上に乗ってたの忘れてたわ。よいしょ。痛っ!ん?今何か言った?いや、なんでもありません。とりあえず、隣町まで行って、出してきますね。し、失礼します。