Track 3

track03 悪い予感

……よく、私の居場所がわかりましたね。……そうですね。私が初めてあなたのことを意識し始めたのも、この狭い倉庫であなたに声をかけられたからでした。あの時も、あなたは仕事でミスをした私を、慰めてくれましたね。その優しさが、本当に…………そんなことは聞きに来たんじゃないですよね。……別に、何もありませんよ。ちょっと、部長にお世話されただけです。そうですか、珍しくもないと思いますよ。部長には気に入られてますけど、その分厳しくもされてますから。だから、大丈夫です。心配ご無用です。あなたも、早く仕事に戻ってください。他の人に何を見られているか、分かりませんから。この会社は、相手の弱みに付け込もうとしている役割が本当に多いんです。これ以上何かあったら…………本当に何もないですよ。……口を手で隠してるのは、その……ちょっと今日は喉の調子が悪くて…………あ、あ、あ、ほら、あなたにも映しちゃうかもしれないですから。あ、待って、待って、どこに行こうとしてるんですか。仕事に戻る雰囲気じゃないですよね。あ、まさか、部長室に乗り込むつもりじゃ……ダメです!それだけは本当にやめてください。私がしたことが、全部無駄になっちゃいます。帰ったら全部話しますから。だから、ここは……ごめんなさい。あなたのためにも、今は仕事に戻ってください。あなたとの生活は、私が絶対に守りますから。わかってくれますよね。な、泣いたのが言いません。これは……ちょっと、目にゴミが入っただけです。こっち、見ないでください。大丈夫です。本当に、今は、私を信じてください。ようやくわかってくれたみたいですね。じゃあ、仕事に戻る前に……ぎゅーしてください。ほら、早く。時間がもったいないですから。ぎゅー……あなたは、すぐにそうやっておっぱいに抱きつきますね。今日のところは許してあげます。いっぱい甘えていいですよ。よし、よし。大丈夫。心配しないでください。あなたのかっこいい先輩は、何があっても負けませんから。