耳かき棒と梵天でお耳掃除
06. 耳かき棒と梵天でお耳掃除
○サロン内、ベッド上
<状況>
星蘭への相談を終えた後。
桔梗と星蘭が向き合っている。
(星蘭)
じゃあ気を取り直して☆
もう一度、横になってねー☆
(桔梗)
うん、お願いします
▽右耳を上にして枕に頭を乗せる。
(星蘭)
よしよし☆
次は耳かき棒を使って、
じっくりとお掃除していくよー?
《右耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
そういえば、掲示板で期末テストの成績見たよ☆
一年生は、桔梗ちゃんがトップだったらしいねー?
(桔梗)
うん。夜町先輩はどうだったの?
(星蘭)
ん、ボクかい?
そりゃ、文句なしの一番さ☆
▽悪だくみをした様子で。
……ふっふっふ。
これで先生と生徒会の子達も、
しばらくは強く言えないだろうね……☆
《右耳かき棒浅めSE》
(桔梗)
夜町先輩って、謎に勉強できるんだね。
(星蘭)
ちょ、謎にとは心外だなー!?
同じようなこと、夢亜ちゃんにも言われたよ?
真顔で『冗談は行動だけにして下さい』ってね!?
ボクの扱い酷くないかい!?
(桔梗)
それは、日頃の行いが悪いから……。
(星蘭)
むむむ……。
何も言い返せないのが悔しい……!
《右耳かき棒浅めSE》
(桔梗)
でも、夢亜も先輩のこと尊敬してると思うよ。
(星蘭)
え、そうなのかい?
えへへ……実は尊敬されてるなんて、照れちゃうなー☆
もー、夢亜ちゃんもツンデレなんだからー☆
(桔梗)
ん、多分ね。
(星蘭)
た、多分ってなにさ!?
さっきの喜びを返して欲しいな!?
(桔梗)
ん、なんかごめん。
(星蘭)
ぬぅー、まぁいっかー。
《右耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
あのさー、桔梗ちゃん。
お掃除してて気付いたんだけど、
キミのお耳、すっごく綺麗なんだよね。
かなりの頻度で、
月乃ちゃんにお掃除して貰ってないかい?
(桔梗)
……お部屋に遊びに行った時も、して貰ってるかも。
(星蘭)
ふふーん?
月乃ちゃんのお部屋でもねぇ……。
▽ニヤニヤしてからかうように。
ねぇねぇ桔梗ちゃん。
ちなみにいつも、膝枕かい?
(桔梗)
……。
(星蘭)
はいっ、無言の肯定もーらいっ!
そっかー、膝枕かー。
ふふっ、微笑ましいなー。
▽一華を思い浮かべながら、小声で。
……ボクも今度、試してみよっかな。
(桔梗)
え、夜町先輩のは要らないかも。
(星蘭)
ちょ、要らないはさすがに酷くないかい!?
……ふふっ。
まぁでも、それでいいよ☆
キミにはもう、特等席があるからね☆
《右耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
それじゃ、奥の方もお掃除していくよー?
《右耳かき棒深めSE》
(桔梗)
サロンの人たちって、いつも集まってるの?
(星蘭)
んー、ボクらかい?
同じサロン在籍生とは言っても、
実はそこまで、顔を合わせる機会がないんだよねー。
(桔梗)
そっか。学年も違うし。
(星蘭)
そうそう☆
在籍生は、各学年から一人って決まりだからねー。
《右耳かき棒深めSE》
同じ学年なら、寄宿舎で夕食が一緒だけど、そうもいかないし。
前にこっそり、二年生の夕食に潜り込んだ時は、
速攻でバレて、先生に摘み出されたよ……。
(桔梗)
それは夜町先輩が目立つから……。
(星蘭)
んむー。
ボクの場合、先生たちに顔が割れてるからねー。
良い意味でも、悪い意味でも、ふふっ☆
《右耳かき棒深めSE》
(星蘭)
だからね、月に一度、
放課後に集まってお茶するんだ☆
サロン在籍生の定例お茶会って感じ☆
そこで近況をお話したり、
備品の打ち合わせをしたりするってわけ☆
(桔梗)
そうなんだ。どこでやってるの?
(星蘭)
んー、ここで集まることもあるし、
過ごしやすい時期なら、
お庭の東屋でやることもあるね☆
《右耳かき棒深めSE》
(星蘭)
あとは、ボクのお部屋かなー。
このサロンは、三年生の寄宿舎にあるでしょ?
行き来するのも何かと便利だから☆
《右耳かき棒深めSE》
(星蘭)
さてさてー。
梵天でふわふわしていくよー☆
《右耳梵天SE》
(星蘭)
あ、そうそう。
夢亜ちゃんが在籍生になった時は、
衣装の試着会も兼ねて、
サロンでお茶会だったんだよ☆
(桔梗)
言ってたかも。先輩たちの前で試着したって。
(星蘭)
ふふっ、最初は夢亜ちゃん、
恥ずかしがってて可愛かったなー☆
▽小声で。
あと、ボクよりちっちゃくて共感した、色々と。
《右耳梵天SE》
(星蘭)
ふふっ☆
仲間が増えたって感じかな!
(桔梗)
夜町先輩は、成長期終わりだからって言ってたような。
(星蘭)
んなっ!?
ボ、ボクだってまだまだ成長期さ!
ぐぬぬ……で、でも!
ちっちゃい方が、下着の選択肢が広いし!
キミとか月乃ちゃんのこと、
別に羨ましくなんてないからね……!?
ホントに……うん。
《右耳梵天SE》
(星蘭)
こ、こほんっ。
お茶会でね、おすすめ道具の情報交換もするんだよー。
月乃ちゃんはアロマとか、
女子力高めなアイテムに詳しいからさ、
いつも助かってるよー。
《右耳梵天SE》
(星蘭)
逆に施術道具は、
ボクが色々と変わったものを試してて、
二人に教えることも多いね☆
(桔梗)
先輩も煤竹って耳かき使ってたかも。おすすめだからって。
(星蘭)
お、月乃ちゃんも煤竹耳かき、使ってくれてたんだ☆
ちなみに、今日使ってるのも同じだよー☆
《右耳梵天SE》
(星蘭)
これに付いてる梵天も一級品でね、
気持ちいいでしょー?
(桔梗)
ん、眠くなってくる。
(星蘭)
ふふっ、でしょでしょー☆
ほら、ふわふわー☆
《右耳梵天SE》
(星蘭)
▽耳に息を吹きかける。
はぁ……ふぅ――――。
さてっ、右耳はおしまいっ。
左耳も見せてくれるかい?
(桔梗)
ん、分かった。
▽左耳を上にするよう寝返りを打つ。
(星蘭)
ふふっ☆
こっちもしっかりと、お掃除していくねー☆
まずは浅いとこから、っと。
《左耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
この前のお茶会で聞いたんだけど、
夢亜ちゃんは夏休み、
なにやら行きたいイベントがあるとか?
(桔梗)
多分、本のイベントかも。
(星蘭)
ふむー、なるほど。
夢亜ちゃん、文筆家だもんね☆
《左耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
ふふっ、初めに噂を聞いた時を思い出すよ。
大量の蔵書リクエストを出して、
司書さんを困らせてる子がいるってね。
(桔梗)
それが夢亜だったの?
(星蘭)
ふふっ、そうそう☆
気になって図書室に行ってみたら、
本をたくさん机に積んで、
原稿用紙に齧り付いてる子がいてね。
《左耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
いやー、なんだか放っておけない雰囲気の子だなーって思ってさ。
話しかけないでオーラが凄かったけど、
つい声を掛けちゃってた☆
(桔梗)
夢亜、大丈夫だった?
(星蘭)
ふふっ、想像通り、最初はすっごく嫌な顔されたよー☆
《左耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
でも、蔵書リクエストの件を知ってたからね。
通販が使えるよって言ったら、
凄い食いついてきたんだー☆
ふふー、ボクの狙い通りってわけ☆
《左耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
▽優しい声色になって。
それに……あの子も、ボクらと似てるって。
そう思ったからね。
(桔梗)
……?
(星蘭)
あー、ふふっ。
なんでもなーい。
《左耳かき棒浅めSE》
(星蘭)
そろそろ奥にも入れていくからねー?
《左耳かき棒深めSE》
(桔梗)
夜町先輩は夏休み、学園にいないの?
(星蘭)
▽意表を突かれた様子で。
……ふぇ?
あー、うんっ。
ボクも帰省組ってやつさー。
普段、お家を空けてる分、
長期休暇中は色々とやることが多くてねー。
(桔梗)
そっか、ちょっと寂しいね。
(星蘭)
ふふっ、そう思ってくれるだけ嬉しいよ☆
夏休みの間は静かで退屈だったって、
周りの子達もみんな言ってくれるし☆
《左耳かき棒深めSE》
(桔梗)
お休みが終わったら、ちゃんと帰ってくる?
(星蘭)
ふふっ、どうしたんだい桔梗ちゃん。
ボクと会えないのが、そんなに寂しいのかい?
(桔梗)
ううん、それはないけど。
(星蘭)
んなっ!?
そ、そこは『うん、寂しいよ先輩……ぐすん』って、
泣き落としにかかるところじゃないのかい!?
会話の流れ的に!
《左耳かき棒深めSE》
(桔梗)
……えっと、ただなんとなく、帰って来ないかもって。
(星蘭)
▽少し戸惑った声色で。
……っ。
キミって、鈍いんだか、鋭いんだか、よく分からないね……。
《左耳かき棒深めSE》
(星蘭)
でも……ふふっ。
大丈夫、ちゃんと戻って来るからさ☆
その間、月乃ちゃんのことを頼むよ、桔梗ちゃん☆
(桔梗)
うん、お礼も頑張るね。
(星蘭)
ふふっ、その調子さ☆
お休み明け、
良い報告が聞けるのを楽しみにしてるからね☆
《左耳かき棒深めSE》
(星蘭)
さてさてー、梵天いくよー?
《左耳梵天SE》
(星蘭)
そういえば、夏休みの間だけ、
夕食が全学年一緒の食堂になるんだよねー。
(桔梗)
先輩、一緒に食べてくれるかな?
(星蘭)
あー、確かに。
月乃ちゃんは人目を気にするからねー。
ふふっ、まぁ普段より人も少ないし、
大丈夫だとは思うよ☆
《左耳梵天SE》
(星蘭)
▽小声で。
そもそもボク的には、
人目を忍んで会ってる方が、意味ありげに見えちゃうけどね。
もう噂どころじゃなく、キミたちの仲はみんな知ってるし。
《左耳梵天SE》
(桔梗)
先輩、わたしといると迷惑かな。
(星蘭)
ふふっ、迷惑だなんて、そんなことはないさ☆
月乃ちゃん、最近は少し雰囲気が柔らかくなったんだ。
《左耳梵天SE》
(星蘭)
全然笑わないってのは、前から変わらないけど、
それでもボクには分かるのさ☆
桔梗ちゃんのおかげだね☆
(桔梗)
じゃあ、一緒にいてもいい?
(星蘭)
もちろんさ☆
夏休み、二人で楽しく過ごしてよ☆
《左耳梵天SE》
(星蘭)
▽耳に息を吹きかける。
はぁ……ふぅ――――。
よしっ、梵天もおしまい☆