朝露桔梗の想い
08. 朝露桔梗の想い
○サロン内、ベッド上
<状況>
施術を終え、二人が向き合っている。
(星蘭)
お疲れさまー☆
ボクのコースはこれでおしまいだよ☆
(桔梗)
ん、ありがとう。お金払うね。
(星蘭)
あー、ふふっ。
今回もお代はサービスしとくよ☆
▽怪しい笑みを浮かべて。
ふっふっふ……。
なんたって今のボクは、超お金持ちだからね☆
期末テストの成績ボーナスで、
学内通貨をたっぷり貰ったからさ☆
いたずらに使う道具も買い放題……☆
楽しみが増えちゃったなー☆
(桔梗)
ん、でも……。
(星蘭)
ふふっ、気にしないでー☆
……でもでも、そうだなー。
一つだけ質問に、答えて貰っちゃおうかな☆
お代はその情報料ってことで☆
(桔梗)
それだけで良いの?
(星蘭)
ふふっ、十分さ☆
それじゃあ質問っ。
……キミにとって、
月乃ちゃんはどんな存在だい?
(桔梗)
えっと、どういうこと?
(星蘭)
ふふっ、言葉通りさ☆
今、キミの胸にある気持ちを、
そのままボクに聞かせて欲しい。
断片的でも良いからさ☆
(桔梗)
じゃあ……えっと。優しくて、一緒にいるとぽかぽかして。
(星蘭)
うん、うん。
(桔梗)
慌てると先輩なのに可愛くて、どこかわたしと似てて。
(星蘭)
……うん、ふふっ。
(桔梗)
ずっと、一緒にいたいなって思う人。
(星蘭)
……そっか。
キミにとって月乃ちゃんは、
いつしか大切な子になってたんだね。
(桔梗)
そう、なのかな?
(星蘭)
うん、ボクが保証するよ☆
▽優しい声色で。
……ねぇ桔梗ちゃん、お願いがあるんだ。
これから先、その気持ちを、
月乃ちゃんに伝えてあげて欲しい。
……あの子はきっと、すぐに答えを出せないと思う。
だから、ゆっくりで良い。
月乃ちゃんから貰った優しさを、
キミからも返してあげてくれるかい?
(桔梗)
ん、分かった。今度のお礼も頑張るね。
(星蘭)
ふふっ、その意気さ☆
まずは夏休みの作戦、成功を祈ってるよ☆
▽自分の境遇を思いながら。
……ふふっ、ホントにもう。
キミたちが……羨ましいな。
(桔梗)
ん、どうかしたの?
(星蘭)
……あ。
ううん、なんでもない☆
さてさて、今日は来てくれてありがとー☆
夏休み、ボクはそばにいられないけど、
応援してるから頑張ってね☆