Track 2

ご耳愛の入り口

はい、じゃあここ、ベッドの端っこに座ってみて…難しく考えなくても、私のご耳愛を体験してみればいいの。 大丈夫よ、痛い事、怖いこと、なんにもないわよ。 そうね…校舎の屋上に出て、そよ風に頬を撫でられる、路地裏の仔猫ちゃんが足に、みーみーすりすりしてきた…そんなものよ。 そういう時、君はただ、されるがままじゃなくって、手に風をつかもうとしたり、仔猫ちゃんをなでなでしようとしたり、するんじゃない? 風を感じる事は自分の存在を感じる事だし、動物を、なでなですると、癒されるって言うでしょ…タッチセラピー、ペットセラピー? だからね、私が触れること、それを感じればいいのよ。 ふふ、確かにこの場合、君は触れられる側ね。 なら、私は君専用の、トリマーさんかしら。 んしょ…じゃあ、まずは…新しく手に入れたこのオイルで、頭皮マッサージしてあげるわね。 ご耳愛は主に耳だけれども、準備ってものがあるのよ、まったく…無粋な所に頭をまわすんじゃないの。 さ、そのかたぁい頭、やわやわにするわよ…んっ、ふぅ…これはね…んっ。 んしょ…染みこんで、乾くタイプのローションだから…。 んしょ、んっ…んふぅ…。 そうそう、頭皮だけじゃなくって、アロエ配合で、肌にもいいから、んしょ。 あとで、んっ、他の部分もマッサージしてあげるわね。 んっ、んしょ…指の腹で、押さえ込むみたいに…んふふ、気持ちいいかしら? まぁ、君はまだまだ頭皮を気にする必要ないと思うけれど…ちょっとした生活リズムの乱れから、一気に…んふふ、そんな震えなくてもいいじゃない、かわいいわ。 だから、今、こうしてマッサージしてるわけでしょ、はい、安心♪ んっ、ふぅ、んっ…全体的に、んっんっ、指を運んで…。 んしょ、んっ…んふぅ…んっ…頭皮は柔らかいほうが、いいらしいけど、君は大丈夫ねっ。 んっ、んしょ…、頭皮はこれくらいでいいかしらね。 気持ち良かったのかしら? まぁ何事も、過ぎたるはってやつだから、次にいくわよ。 ん、耳をやさしくもみもみするわ…んっ、んしょ…。 んふぅ、んっ…君、いい耳の形してるじゃない…んっ、耳たぶなんて…おっと、今はだめだめ…。 なんでもないわ、君は、気にしないの…んっ、んしょ、んっ。 あくまで、耳のまわりだけ…穴には、入らないように…慎重に、慎重に。 んっ、んしょ…さ、耳もあまりだと痛くなるから、首筋に降りるわよ。 ここはリンパ腺もあるし、んっ…んしょ。 首が、かなり凝ってるわ…んっ、毎日…緊張してるのね…するなとはいわない。 人って、抜きすぎると、ただただ、落ちていくし、適度な緊張は、いい結果につながるもの。 けれど…張りすぎはダメ。 張りすぎた糸は、ぴんと、見た目はよくあるけれど…んしょ、んっ。 少しの傷から、突然切れることもあるから…んしょ、んっ、んふぅ…。 さ、つながる肩もちょっと服の隙間からお邪魔して…マッサージしていくわね。 本当は、背中や腰も、もみほぐしてあげたいところだけど、これ以上は脱いでもらわないとだから、我慢…失礼、やめておくわ。 んっ、んしょ…んっ、ふぅ…んっ。 肩も、見事な凝りようね…何をそんなに…。 と、私も未熟ね。 そうね…ここへ来られたこと、それが理由。 大丈夫よ…ここにいる間、私が触れている間…緊張は、無用! ここへ来た瞬間、私と出会う刹那、心の荷物は扉の前に置いて来てるのよ。 んしょ、んっ…んっ…さぁ、反対側ね。 こっちも隙間からお邪魔するわ…んしょ、んっ。 凝ってるわ…私の指が、心まで届くには、君の助けも必要…んしょ、んっ。 そうね、特に難しい事はないわ…君は、ただ、大きく息を吸って、吐いて…ご耳愛部の空気を楽しむ、ひたる、それだけよ。 んっ、ふぅ…んしょ…んっ。 んっ、んんっ、んしょ、んあっ、んっ…。 よし、肩も首筋も、だいぶやわらかくなったかしら。 ふふ、そんな顔もできるじゃない。 心地よさを、離れる手を愛しいって思う顔よ。 大丈夫、これはまだまだ、ご耳愛の入り口…これからが本番よ♪