Track 4

痴漢

【日記】 「……今考えたら、学校での会話ってめちゃくちゃフラグか。こうなる為の……う、うるせー! 俺はまだ、男のつもりなの!! ていうか、一度くらいで調子に乗ってるんじゃねえ!! コレは、その……お礼というか、そういうんだよ! す、素直じゃないとかアホな事言ってるな、バーカ!!」 【日記】 「ああ、もう……とりあえず、学校は今日は何も無かった。お前がセクハラしてこようとしたの、全力で止めたし。ていうか、他の人が居る場所であんまり絡もうとするなって、本当にバレるから……」 【日記】 「続けるぞ? んで、学校が終わって遊びに行ったんだよな。ゲーセン、久々に行ったけど俺が行ってた時と置いてるゲーム違いすぎて訳わかんなかったなぁ」 【日記】 「ひゃぅ……だ、だから耳元で囁くな、くすぐったいって……ああ、もう……別につまらなかった訳じゃねーって。なんだかんだで2時間くらい遊んでただろ? つまらなかったらもっと早く引き上げてるって」 【日記】 「……まぁ、その方が良かったかもしれないけどな……帰りが遅くなって、帰宅ラッシュに巻き込まれた訳だし……だから、電車の中であんな事になった訳だし」 【日記】 「……はいはい、判ってるよ。誤魔化さないって……んじゃ、続きな。お前と遊んで、帰り道。ちょっと疲れたんで、いつもなら歩いて帰るんだけど、電車に乗って……その時の話だ……」 ;ちょっと間 ;ガタンゴトン、もしくはガヤ音を少し 「ぅ……く……うぐ……むぅ……」 「大丈夫かどうかと言われれば……大丈夫じゃない……苦しいし……はぁ、もう……だから通勤・帰宅時間の電車は嫌いなんだよ……」 「こうなるなら夜飯食ってけば良かったなぁ……ていうか、今日は本当に混みすぎだろ、これ……電車事故があって、遅れてたらしい? あー、なるほど……そうなのか……」 「うわ、と……す、すいません……ん、隣の人の足踏んじゃったんだよ……混んでるし、とりあえず少し黙ってようぜ?」 ;もう一度ガタンゴトン or ガヤ音 「(はぁ……本当、混んでるなぁ……こんなに混んでるんだったら、歩いて帰れば良かったかな……でも、歩いて帰ると三十分くらいかかるんだよな)」 「(……いつもなら、これくらい遊んだ程度じゃ疲れないのに……体力落ちたのかな? これも女になった影響か? 確かに力、あんまり出なくなったもんなぁ……元からそんなに力強かった訳じゃないけどさ)」 「(昨日、今日……まだ二日だってのに、何だか随分と女になってる気がする……はぁ、元に戻れるのかなぁ、俺……)」 「と、ととと……わ、悪い、揺れてちょっとバランス崩した……ん、支えてくれてサンキューな」 「(こいつはこいつで、昨日から妙にセクハラしてくるし……まぁ、おかげで助かってるところも多いんだけど、こんなに手癖の悪い奴だとは思わなかった)」 「(……はっ! 満員電車、身動きが取れない……このタイミング、こいつの事だ、絶対何かしてくる……警戒しとこ)」 「……こら、あんまりくっつくな。暑苦しい……ちょっと離れろ……無理言うなって言っても、近いんだよ……んじゃ、俺がこっち行く」 「(……ふぅ。まぁ、ちょっとくらいは距離あけておかないとな。嫌いな訳じゃないけど、このまま流されて、なんて考えたら自分でも怖いし)」 ;ちょっと間 「(……まだ、かな。もう少しか……やる事ないから、電車って時間が長く感じるな……すいてれば喋ったりして時間が潰せるんだけど)」 「ん……ん……ぁ……」 「(っ……尻に手、当たってる……あんにゃろう、やっぱりついてきて悪戯しやがったな……足踏んづけてやる……って、あれ? あいつの靴……周りにない……な?)」 「ぁ……ん……く……っぅ……」 「(いた……って、え……あいつ、こんなに乱暴に触っては来ない……よな? え、え……? じゃあ、これ……誰……?)」 「んぅ……ん……く……ぅ……ぁ……っ……」 「(痛い……思いっきり尻掴んできてる……っていうか、これ、痴漢……? ちょ、ちょっと待て! 俺、男子の制服着てるんだぞ? ど、どうして……?)」 「うぁ……ぅ……く……ぁ……うぁ……ん……っ」 「(ヤバイ、痴漢だ。本物だ。アイツじゃない。ど、どうする? 声出した方が良いよな、ちゃんと言った方が……でも、そんな事したら周りに見られる……ここ、学校近いから、他の連中に知られるかも……?)」 「は、ん……く……ぅ……ぁ……っぅ……ぅぅ……っ」 「(それはマズイって! 女になったってバレるのもマズイし、男だと思われたまま痴漢されたって思われても変だ! ていうか、どうして俺にこんな事するんだよぉ!?)」 「は、は……ん……っ……ぅぁ……ぅ……くぅ……っ」 「(手、動いてる……尻から足の間に入ってきた……ちょ、バカ、股間触ろうとするな……ズボン穿いてるだろ、男だ、男だ、俺は男なんだって、見て判るよな? 服装で判るじゃんっ! 確認しようとしてる……マズイって!)」 「は、ぁ……ん、くぅ……ん、んん……んぅ……っ」 「(脚閉じて何とか逃げなきゃ……って、あれ、腰動かせない……ベルト掴まれてる!? ちょ、こいつ力強い……脚、閉じきれないって……っ)」 「ん、ん……んぅぅぅ……ん、くぅ……ん……っ」 「(バレた……触ってる、確かめてる……パンパンするな! 何度触ったって無いもんは無いんだよ……っ!)」 「んぁ……ぁ……ん、く……は……ぁ……」 「(真後ろの奴だ、コイツだ……スーツ着てる……サラリーマン? 男、だよな……? な、なんで男が見た目男の恰好してる奴に痴漢してくるんだよぉっ)」 「ふぁ、は……ぁ……うぁ……ぁ……ん、くぅ……ぅ……ん……っ」 「(制服の上からあそこ撫でられてる……っていうか、擦られてる……痛いって……そこ、刺激に敏感なんだぞ、クソ童貞野郎が……絶対許さない、お前、絶対に駅員とかに知らせてやるからな……っ)」 「は、ぁ……ぅぁ、ん……んく……ひっ」 「(い、息……首、かかってる……荒い息、聞こえる……なん、だ……これ、怖いって……痴漢されるのって……こんなに、怖いのかよ……?)」 「ぅぁ……ぅ……ぁ……く……ん……んぅ……ふぁ、ぁ……ぁ……」 「(声、出せない……ヤバイ、コイツ調子乗ってる……手、遠慮なくなってきた……ば、ばか、ズボンの中に手を入れるなぁっ!)」 「ふぁ、は……ん、くぅ……ぁ……ん……んぅ……くぅ……ん、んん……っ」 「(ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイヤバイ、これ絶対ヤバイって! パンツの上からお尻とか触られてる……本当にマズイって……っ)」 「うぁ……ぅ……ひぅ……ぁ……ん……くぅ……っ」 「(声、かけられた……性同一性障害……? 確かにそうかも、しれない……身体は女だけど、心は男のままだから……そう、なのかもしれない)」 「(でも、そうだと思うならやめろって……本当にトラウマになるだろ、これ……やだ、女で居るの、怖い……こんな事されるの、すげー嫌だ……っ)」 ;徐々に涙声に 「ぅ、く……ひく……うぁ……んぅ、ん……ぁ……ふぁ……う、く……くぅ……」 「(ヤバイ……なんか涙でそう……声、詰まってる……余計に何も言えない……何で、周り誰も気づいてくれないんだよ……っ)」 「うぁ、ぅ……ぁ……ふぁ……ひく……ん……んぅ、ん……ぁ……ぁぁ……ん、んぅぅ……っ」 「(うぁ、あ……手……パンツの中、入ってきてる……は、ははは……怖くて脚震えてるし、本当に泣きそうになってるよ、俺……もう、わけわかんねぇ……)」 「ん、くぅ……うぁ、ぅ……ん……は、ぁ……ぁ……ん、んぅぅ……っ」 「(指、触ってきた……入り口、触られてる……気持ち、悪い……濡れてないって、当たり前だ……っ! お前にされて気持ち良い訳ないだろ、怖くて逃げ出したいだけだっての……っ)」 「ん、んぅぅ……ぅ……くぅ……ぁ……ん……ふぁ……は……」 「(広げられてる……入り口こねられてる……気持ち良い訳無いだろ……怖いんだよ、泣きそうなんだよ、判れよ、お前にされても嬉しくもないし、安心できねーんだよっ!)」 「(アイツと違う、お前はアイツと全然違う……お前になんかされても気持ち良く何てならない、感じない……いい加減、諦めてくれよ……っ)」 「ん、くぅ……ふぁ……ぅ……ひっく……んぅぅ、ん……くぅ……うぁ、は……ぁ……んぅ……っ」 「(痛い……そんな強引にされたら、痛いだけって……何で、判ってくれないんだよ……もう、やだ……嫌だ……怖い、助けて……助けてくれよっ)」 「ん……は、ぁ……はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……うぁ……」 「(? 手が……抜けた? 靴、見えない……何で……? あ……)」 「……来るのが、遅い……泣いて、なんかない…………うっさい、顔……見るなぁ……」 「(来てくれた……助けて、くれたのか……うう、くっそぉ……何だか……何だか凄く悔しい……)」 「ん……こら、こんなところで抱きしめようとするな……いや……うう、判ったよ……そうだな、倒れたら大変だもん、な……その代わり、ちゃんと……支えてろ……」 「(ああ、もう……最低だ、コイツ……人が一番グラついてるタイミングで抱きしめやがって……ていうか、俺も俺だ……何でこんなに安心しちまうかなぁ……)」 「ん……揺れるから、もっと……ちゃんとしろ……」 「(……まぁ、良いか……安心するし……嫌じゃない……しな……)」