『親友』にとっての『お前』
【日記】
「……うん、絶対やると思ってた。やると思ってたからそのドヤ顔やめろ」
【日記】
「俺の事恋しかったくせに-、じゃねえよ! そうじゃなくて、その……あの時は痴漢されたから弱気になってただけだっての!!」
【日記】
「ぬあ、抱きつくな、胸に顔埋めて嬉しそうにするなー! ひゃぅ……だ、だからまだ駄目だって……こら、発情するなっ!」
【日記】
「ぅー……たく、調子乗りやがって……って、そういえば俺の事痴漢してた人、結局どうなったんだ?」
【日記】
「……ふーん、そっか。まぁ、報告したりすると俺の事もバレるから困るし……それくらいしておいてくれたなら……うん、溜飲も下がった」
【日記】
「……あー、もう……はいはい、ありがとな。助かったし、感謝してるってばよ……たく、嬉しそうにして」
【日記】
「……ま、実際問題、お前が来てくれなかったらあのまま……って考えるとな。本当、感謝してるって……ありがとう」
【日記】
「……うっさい、顔くらい赤くならぁっ。面と向かってお礼するとか……照れるじゃん」
【日記】
「うう、にやにやしやがってぇ……笑うなぁっ! ていうか、顔覗き込むな、ほっぺ突くなっ、顔近づけ……んぅ、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅぅ……ん……」
【日記】
「ちゅぱ、ちゅぅ……ちゅ……ん……ぷぁ……また、キスしやがって……ホモ野郎め……うっさい、嬉しくなんかないわいっ」
【日記】
「……ま、何だ……えーと、そんなこんなで今日はトラブルがあったけど、なんやかんやで終わりまし……んぅ、ん……や、ちょっと……駄目だって……ん、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅるぅ……ちゅ……ん……」
【日記】
「ちゅ、ちゅぅ……ふぁ、は……は、は……に、日記記録してる最中はやめろって……うぅ……だ、だって、この後の事……言うのか?」
【日記】
「……いや、その……さすがに……お前の前で言うっていうのも新手のプレイっぽいし……んぁ、もう……抱きつくなぁ……」
【日記】
「ぅー……嫌、とかじゃなくて……本当、恥ずかしいんだって……察せよ……ばかやろう……ん……可愛いとか、言うなぁ……」
【日記】
「……もう、判ったよ……続き、だな? 言うよ……ちゃんと言いますよ……ドSめ……」
【日記】
「……電車から降りたら、お前が俺の手を握って凄い早歩きで歩き出した。お前は俺が止めても止まらないで、そのままうちまで来た」
;ちょっと間
;ドアバタン
;ベッドに投げられました
「ちょ、ちょっと待てって! 急ぎすぎ、急ぎすぎだから……ひゃんっ」
「あたた……いきなりベッドに投げやげって……尻、打ったじゃんかよ……って、ちょ……な、何だよ、肩掴んで、シリアスな顔……しちゃって……」
「え……何されてたかって……見てたなら判る、だろ? なんか……痴漢、されてた」
「……ん、見間違いじゃ……ない……ていうか、身体はともかく、服装は男なのに良くやるよなぁ」
「……うぇ? 男を狙った男の痴漢なんて要るのか? ……そうなのか、初耳だわ……いや、なんかそんなところに驚いている場合でも無い気がするけど……」
;後半かなり小さめで
「……何でされるがままだったのかって……いや、だって…………怖くて……」
「うっせ! 聞こえないとか言われても、もう言わないっての!」
「……は? 気持ち良いから黙ってたのか、って……? おいこら、頭出せ。思いっきり殴って起こしてやるから」
「ちげーし、そんなんじゃねーし。ていうか、気持ち良い訳ねーだろうが! 気持ち悪いだけだったわ!!」
「いや、だから……だったら何でだって言われても……うう、その…………しつこい、お前、本当にしつこいのな! 言わないったら言わない!!」
「……いや、そんな……何でお前が泣きそうな顔するんだよ……心配してくれるのは嬉しいけど……ああ、もう、判ったよ、言うよ、言うから……な?」
「……その、怖かったんだよ。あんな事されるの初めてだったし、しかも今、身体は女じゃん? でも、恰好は男だしとか、そもそも騒ぎになったら俺の事も話さないといけないとか、色々と考えると……なんか怖くなって動けなくなったんだよ」
「……うっさい、お前も痴漢されてみろ、どんだけ怖いか判るから……女の人って本当に大変だなぁ、って初めて思ったよ……女性専用車両も頷けるって」
「……というわけだ。もう良いか? とりあえず、何も言わなかったんじゃなくて、言えなかっただけだって……だからまぁ、その……本当に助かったよ、ありがと……な?」
「……うう、お礼とか言い出したよ、絶対言うと思った……ああ、もう、はいはい……どーせエロい事したいんだろ? だから嫌だったんだ……男なんてケダモノばっかりだ……」
「……ん、抱きつきたいだけ? よく判らん奴だなぁ……ま、いいや。ほら、来いよ」
「……なんか、抱きつかれると子供だっこしてるみたいだな……ん、別に嫌じゃねーよ。ていうか、たった二日でお前に抱きつかれるの、もう慣れたわ」
「うっさい、正確には慣らされた、だっての……ん……やっぱりおっぱいに顔埋めやがって。男って奴ぁ、本当によぉ……」
「……気持ちはまぁ、判るけどさ……ん……こら、ぐりぐり顔を押し付けるな」
「……はぁ、こうしてどこまで慣らされていくんだろうなぁ……お前が守ってくれたり、フォローしてくれるのは嬉しいけど、それ以上の事をされてる気がするぞ、俺は……」
「……何って、胸揉んで気持ち良くさせられたり、あそこも気持ち良かったし、キスも、されたし……ていうか、さらっと自分がした事聞くんじゃねえ!」
「あー、もう! ほら、離れろ、もう十分だろうがっ! ぬお、はーなーれーろー! くっつくなー!」
「はぁ、もう……お前、実は俺が大好きか? 思いっきり抱きつきやがって、全然離れようとしないし……冗談だとしても、さすがにちょっと引くぞ?」
「……なんだよ、急に。真面目な顔して……はいはい、俺の事、そんなに大好きかー。そりゃ知らなかったってばよ」
「お前はそうやって冗談ばっかり……たく、本当に、もうちょい真面目に生きた方が……え、ちょ……なんだよ、肩掴んで」
「冗談じゃない……? え……いや、だって……冗談だろ、何言って……んぅ、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅぅ……ちゅぅ……」
「ちゅぱ、ちゅぅ……ちゅ……また、キスしやがったな……ヘンタイめ……ていうか、あの……このタイミングでキスされると本気かと思うんだけど?」
;後半部分に次の台詞の心の声を被せて
「……まだ判らないのかって、え……あの……んぅ、ちゅぅ……ん、ちゅ……ちゅぱ、ちゅぅ……ちゅ……ちょ、待てって、何して……んぅ、ちゅぅ……ちゅ、ちゅぅ……ちゅぅ……ちゅ……ふぁ、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅぅ……ちゅ、ちゅぅ……」
「(うわ、マジでキスされてる……舌入れられてるし、うわ、ちょ、舌絡めるな、唾液飲ませんな……嫌じゃないとか思うから、やめろってば……)」
「ちゅぅ……ちゅるぅ、ちゅぅ……ぷぁ……は……は、は……ディープなキスをかましやがって、この野郎……いや、えと……これで本気か判っただろって……判った……けど……けど……え……本気?」
「いや、だって、本気とか絶対思わないだろ、普通。俺、男だよ? いや、身体は女だけど、中身俺だよ? 何言ってるの? え、もしかしてお前、ホモ……?」
「……ホモじゃないのか、そうか……え、余計によく判らないんだけど、じゃあなんで……ん、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅぅ……ちゅ……ちょ、キスやめ、話を少しはさせろ……ん、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅるl……ちゅ、ちゅぅ……」
「ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅるぅ……ぷぁ……は、もう……ちょ、本当に、真面目に……ひぁ……み、耳元で好きとか言うなぁっ! び、びびびビックリするだろうが!」
「え……あ、いや、まぁ……そんなに嫌じゃないけど……って、ちが、誘導尋問するな! ていうか、ひぁ……ちょ、また首にキスして……ちょ、本当に駄目だって……ん、ぁ……ぁ……ふぁ、あ……ん、くぅ……んぁ、あ……っ」
「(首、キスされてる……ゾクゾクする……でも、痴漢された時と全然ちげーし……はねのけようとしてるのに、力、全然入んねーし……)」
「ふぁ、ぁ……ん、ぁ……こら、やめ……ん……うう……なんか、朝のデジャブなんだけど……あの、押し倒されて、俺の上に四つん這いになられると……怖いというか、色々と想像してしまうんだけど……んぅ、ちゅぅ……また、もう……本当に、お前は……ちゅぅ、ちゅぱ……ちゅるぅ、ちゅぅ……ちゅ、ちゅぅ……」
「(またキスされてる……うぁー、ヤバイなぁ、本気で嫌とか言えれば良いんだけど……言えないっていうか、嫌じゃないって言うか……何してるんだろ、俺……)」
「ちゅ、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅるぅ……ちゅぅ……はぁ、もう……止まれないんだろ? 良いよ、もう……好きにしろ……どうせ遅かれ早かれ、こうなっただろうしな」
「……うっせ、好きじゃねーし。ただ、せっかく女になったんだし、お礼とかも、あるし……ま、一度くらいは良いかなって思っただけだっての」
「……その代わり、痛くしたり嫌になったら本気で暴れてでも止めさせるからな? ……ん、そうだ。気づかって少しは俺に優しくしろ、バカ」