お姉さまと登校の準備.
「はい、お姉さま、ブラウスをどうぞ。お次はスカートです」
「そしてソックスを。今日はこちらの色でよろしいですよね」
「はい、制服は……ばっちりですね、お姉さま。
制服姿のお姉さまも……毎日見ていても見飽きることがありませんよ」
「では次は髪の毛ですね。ふふっ、本日もお任せ下さい」
「はい、鏡の前にどうぞ。少々寝癖がついていますからね。
それはそれで私としてはかわいらしいと思うのですが……どうぞこちらへ」
「では……失礼致します。くすぐったければ言って下さいね」
「……痒いところはー……って、それは違いますよ、お姉さま……」
「お姉さまの髪、キレイですよね。
私、お姉さまの髪を梳かすの、大好きですよ?」
「えっ? 私のほうがきれいな髪ですって?
ふふっ、私にお気を遣う必要なんてありませんよ、お姉さま」
「こんなに長く伸ばしているのにサラサラで……すごい……
同じシャンプー、コンディショナーを使っているのに不思議ですね」
「……ふぅ……お姉さま……ちょっと失礼します……」
「……くんくん……すーすー……はぁ…………(セリフ)」
「甘くて優しく……お姉さまの香り……すごく……好き……」
「……くんくん……すーすー……はぁ…………(セリフ)」
「お姉さま……お姉さま……お姉さまの香り……」
「……す、すみません、準備、しないとですね。
あまりにもお姉さまの髪が素敵すぎて」
「ふふっ、髪だけでなく、お姉さまはとても素敵ですよ」
「ええと、お姉さま、本日は束ねたりは……」
「ふふっ、そうですね、やっぱりお姉さまはさらさらストレートが似合いますからね」
お姉さまと一緒に登校
「お・ね・え・さ・まー?」
「お姉さま、本日のお帰りはごいっしょできます?」
「ふふっ、知ってますよ、お姉さまの時間割は頭の中にありますので。
私は少し図書館で調べ物をしたいので、全然お時間は問題ありません」
「というわけで、本日もお帰りはごいっしょさせていただきますね。
ほとんど毎日一緒に帰ってますけどね、ふふっ」
「お姉さま、放課後の予定等お決まりだったりしますでしょうか?
どこか寄りたいところや見たいテレビ等は……」
「なるほどなるほど、お姉さまは特に放課後の予定は無いのですね」
「ええと、そうですね、ではお姉さまが気になさっていた
パフェ屋さんに寄ってみる、というのはどうでしょう?」
「ふふっ、ちゃんと場所は調べてありますので、大丈夫ですよ?
もし他にお姉さまのご意見があればそちらで構いませんが……」
「そうですねぇ、私もパフェを食べたくないことはありませんが、
お姉さまといっしょであれば、どこでも構いませんよ?」
「はいっ!! それでは帰りを楽しみにしてますね」
「はぁ……私もお姉さまと同じクラスだったら良かったですよー……」
「あ、そういわれればそうですね、学年が違いますよね、
同じクラスというのは難しいですね、ふふっ。」
「……さすがお姉さま、同じ学年として生まれてきたら
このように隣を歩いていなかったかもしれない、ですって?」
「ふふっ、それもそうかもしれませんね。
ですが、私はいつどこでどのように生まれようとも、
きっとお姉さまを探しにいくと思いますよ?」
「ですがお姉さま、そうなってしまわないように…………」
「……お姉さま? 手ですよ? お手を」
「ふふっ、恥ずかしいんですか?
大丈夫ですよ、私は恥ずかしくありませんし減るものでもありませんから」
「いいえ? お部屋の中で繋ぐのと外で繋ぐのは違うものですよ?」
「それともお姉さまは……私と人前で手は繋ぎたくないのですか……?
そう、ですよね……私なんかと手を繋いでいたら……」
「手なんて繋いでいる姿を見られたらお姉さまも困りますものね……」
「ふふっ、さすが優しいお姉さま、ありがとうございます」
「お姉さまの手、やわらかくてあたたかくて、大好きです」
「そうですそうです、美味しそうなお姉さまと手を繋いでいたら思い出しました。
そういえばお姉さま、本日の夕飯、何か食べたいものはありますか?」
「う、うーん、クリームコロッケ、ですか。
それは時間がかかりますので、休日にでもいっしょに作りましょう?」
「ふたりで作れば、きっととってもおいしいクリームコロッケができますよ。」
「では……夕飯の件は帰りまでにでも考えておいてくださいね?
私も一応考えておきますので」
「放課後が楽しみで仕方ありませんね、ふふっ」
「さあ、お姉さま、あんまりのんびりしていると遅刻してしまいますよ?
放課後まで会えなくて寂しいかもしれませんが……本日もがんばりましょうね!」