③鍛冶を見る女の子
<翌朝。鍛冶を始めた男の手伝いで薪を運ぶニア>
【ニア】
ん、しょ……っ、んしょ、っと……っ!
ふぅ……これで足りそうかの?
≪薪を床に下ろす≫
ふ~~~……っ……結構な重労働じゃった~~……
いつもこんなことを一人でしておるとは、意外に大変じゃのぉ……
……のぅ……鉄を叩くのは、そんなに面白いのか?
そんな、同じことの繰り返し……飽きそうなもんじゃがのぅ……
ふむ……じゃが、火花が散るのは、見ていて飽きないかもしれん……
叩くたびに浮かんでは、すぐに消えていく……
同じようで違う、いくつもの火花……
意外と悪くないかもしれんの……ふふっ
しかし人間というやつは、どうして火なんぞ扱おうと思ったのじゃろうなぁ?
恐れおののき、しかし最終的には自分たちのものにしてしまう……
未知に立ち向かう、まっこと不思議な生き物じゃよ
≪鉄を叩く音が途切れる≫
…ん? もうお終いか?
もうちょっと見ていたかったんじゃがなぁ……
≪男が出かける準備をする≫
…お? もしかして、出かけるのか?
おぉ、ついていく、ついていくぞーっ!
ふふふっ、よいではないか~♪
一人で待っていてもつまらんからのぉ…ついていってしんぜようぞ~♪
ふふっ、そう困ったような顔をするでない
言ったであろう? 逆にそういうのが、わしを煽っておるとな♪
さぁ、行こうではないか♪
うまいもんでも食えるとなお良しじゃなぁ、くふふっ♪