Track 3

機械生命体少女のアブダクション耳洗浄

対象の意識レベルの変化を確認。 目を覚ました。 地球人、アナタの協力に感謝する。 耳垢という今までにない研究資料も手に入れることができました。 母星からも感謝を意味する通信が届いている。 あなたが意識をなくしている間に体を洗浄し、 額と両方の手首へチップの埋め込みも完了した。 あとはこちらの耳だけ。 耳の穴の中を洗浄し、保護の為の薬剤を塗り込んでいきます。 洗浄用の器具は耳の中に生える毛を参考に作ったもので危険はない。 先ほど反対側を洗った際、あなたから不快を示す脳波パターンは検知されなかった。 安心してください。 洗浄液を付け耳の穴に挿入する。 ん・・・このように、洗っていきます。 貴重なサンプルを提供してくれた場所であり、特に念入りに扱うべきと考える。 左右に動かし洗浄しても痛みはない。 むしろモニターには心地よさの脳波が現れている。 この作業はあなたの協力に対しての謝礼である。 初めて出会った地球人類が、 あなたのような友好的な相手であったことに感謝が尽きない。 浅い入り口部分から、奥へ進む。 完全に耳垢を採取したはずであったのに、まだ奥や壁面にこびりついている。 我々の科学力を持っても取り残すとは・・・ やはり耳とは実に興味深い器官だ。 奥は洗浄器具を回すように動かしながらこすり洗う。 鼓膜・・・地球人の重要な聴覚器官に触れる直前まで、 我々の技術であれば安全に洗うことが可能。 そして、ここ。 外側に露出していながら隠された部分、 軟骨によって守られた箇所。 ここには耳の穴の中とは違う耳垢があった。 地球人類・・・特にあなたという個体は素晴らしい研究対象だ。 器具を横に滑らせるように、毛先を軟骨の間に潜り込ませながら洗浄していく。 これで洗浄の行程は全て完了した。 仕上げに残った洗浄液を落としながら、同時に保護剤を塗布していく。 冷たさや不快感は殆ど無いはず。 洗浄後そのままの状態では粘膜が傷つきやすく危険。 また、我々の開発した洗浄液は残っていても問題はないが、 ぬぐい去ってしまった方が粘膜にはいい。 そして、地球人の遺伝子サンプルから作成したこの保護剤。 これを塗布することで耳を雑菌から守ることが可能。 耳の穴全体に塗り広げていく。 また安心して耳垢を溜めて欲しい。 同じ様に溜まった頃には今回のサンプルの分析結果が母性から届くだろう。 その時には再び協力をお願いする。 これで全て完了した。 眠気が高まってきたでしょう。 次に目覚めるまでにあなたの体を元あった場所に移動する。 オヤスミナサイ・・・