Track 3

体を這い回る筆

寝たわね… じゃあ描くわ…筆はこれ…私の長い髪の毛先…これならいつでも携帯、いつでも使用可…そして一番なじむわ。 このヘアアクセサリー、これはね、私の髪筆(かみふで)の柄(え)でもあるの。 さらさらつるつる、しなやかで強いコシ…これで私は、君の全身に、描く。 外国でも綺麗だって言われたわ…まっすぐな深い藍色を込めた黒髪。 白い肌に映えるかしら? うれしい…でも今は君に描くの。 はじめるわ…君はじっとしてて…動いちゃだめ… じゃあはじめるわ…額から、私の髪の毛…筆先が触れるように薄い色をのせて。 鼻、頬は別の色。 次は耳…凹凸を色で丁寧に埋めて…ん…筆先をつかって…隅々まで…耳はこの色になりたい…そうね。 こっちの耳も…筆の先で、新しい色に…そう…この色がうれしい。 首筋は…これとこれ…浮き上がったラインは新しい色線(しきせん)を欲しがってる。 鎖骨には、線を長く足す…胸の薄い谷間…ここであの色とこの色をつなぎ、混ぜる。 乳首には、この形を…もっともっと、ぐりぐり、描き込むの。 乳首は重要…画布(がふ)の主張はそのままに、私の心を溶け込ます…先端は、念入りに…念入りに…筆の先を使って、細やかに。 そうすると、咲く。 今度はこっちの乳首。 乳輪を大きくこすって…乳首は、筆の腹でぐりぐりと大胆に…色が踊る。 そうね、色と色とが手をつないで…うん…お腹の広場で、ワルツ…くるくる、色の軌跡…おへそは中央の噴水…ここからまた色が広がっていく。 筆の先を押し込んで…かきだせば…ぽつぽつ、こっちにも脇にも…浮き上がる骨の一本一本が、色を欲しがってる。 ここで、この色、咲きたいのね。 おへそから続く先にも…ほら、そそりたって、色を頂戴っていってる、ちんちん…あふれてくる…初めての感情…色が、産まれる …いくつも…塗るわ…根元から、筆をこすりつけて…色をひろげる…何度も何度も、根元から、上まで行ったり来たりして、重ねる。 でも先っちょは特別…ここは繊細さが必要…形もぷっくりしてて面白い…この棒につながってるとこのマロンみたいなでっぱり …こんなに色を欲しがる場所、知らない…筆の先で…でっぱりをひっかくみたいに…優しくなんてわからない…ここは、色をもっと激しく荒々しく求めてる。 いくつもあげる…でっぱりの縁をぐるっとなぞってなぞって、小刻みに動かして変化…裏側は筋みたいなの走ってるのね。 筋の上を何度も行き来して。 そう、ここにも色を…うん、先っちょの穴まで筆を運んで…その中にも色を…筆の先を穴に押し込んで…抜く …しっかりちんちん持って、穴の縁も筆先で細かく…このタッチがここには映えるのね…ん…ちんちん穴の中から染み出してきた …キャンバスから反応があるなんて、初めて…この汁が、私にどんな色をくれるの…もっともっと、ここに色を置く。 ほら、色がいっぱい…穴に湿ってきた筆の先入れて…ぐりぐりぐりっと重いタッチに、していく。 何、出そう…精液が…ちんちんびくびくしてきた…精液が出る…精液は白いのね? …白い…出る、出るの…精液…筆で…私の髪の毛で、こうするのいいの? 私は色を重ねてるだけ…それなのに、出るの、精液が… あ、ちんちんがびくって、私の手の中で、固く…タマタマ、ぎゅって棒にくっつきそうなくらいに…ふあ、ああっ…ああっ! (射精) あ、ああ…キャンバスに白が…私の世界に初めて見る白が降る…んはっ…精液、白いの…飛び散って…手にも、筆…髪にもついた …白い…そう…白…これだったの…。 私、絵の具の白は使わないの…ううん…今まで使えなかった…白の使い方がわからなかった…本当の白を知らなかったから… でも、これだったのね…あ、指にもついてる…白いねばねば… んちゅぱ…味は…ちょっと苦しょっぱい…んちゅちゅじゅるる…ちゅぱぁ…指は綺麗になった。 すぅう、はぁああ~ ありがとう…君のおかげで、私は新しい色を知った…描くべき場所を得た…私は、これから本当の絵が描ける。 やっと、笑った…? そんなことない…私はずっと笑ってた…君にまた会えたから… 絵はもう描けたわ…今度、君の体を使って清書して発表するから、その時はよろしくね。 否定は無理…私たちの間に何があったとしても…私が絵を描き、発表することは、いろんな力で、優先させられるから。 いいじゃない、そんな事…あなたは、また私に描かれるの…それが嫌だ、なんて言わないはず… んふふ…私の筆運びで、甘い声ずっと吐いてた…集中してて、聞こえてないなんて思ってた? そう、私たちはそういう関係って思えばいいの… …そうだ、お手入れもしなくちゃ。 …君のちんちんも、体に飛び散ってる精液も綺麗にお掃除。