Track 2

クソご主人様の椅子

2. クソご主人様の椅子 「クソめんどくさいクソご主人様のご奉仕でとても疲れました」 「少々(しょうしょう)腰掛(こしか)けてもよろしいでしょうか。」 「・・・」 「ありがとうございます。クソご主人様」 「・・・」 「では、よつんばになって下さい」 「・・・」 「え? なぜかって?」 「先ほど腰掛(こしか)けてもよろしいでしょうかといったではないですか」 「性格だけでなく耳まで腐っているのですか、このクソご主人様は」 「本当にどうしようもないクソですね」 「・・・」 「ご理解されたら早くよつんばになられてはいかがでしょうか、 クソご主人様」 「・・・」 「はい・・・ありがとうございます」 「・・・」 「では・・・」 「・・・」 「ふぅ・・・(椅子に腰掛ける)」 「・・・」 「全然座り心地(ごごち)がよくないですね」 「・・・」 「クソでもひとつくらい役に立つことがあるかと思ったのですが」 「イスもまともにつとまらないのでしょうか、このクソご主人様は」 「・・・」 「ごみですね」 「・・・」 「あぁ、ゴミじゃなくて、クソでしたね」 「私としたことが失礼いたしました、クソご主人様」 「・・・」 「あまり動かないでいただけますでしょうか」 「動かれましてはリラックスできません」 「・・・」 「クソご主人様にこれほどまでにご奉仕ししているのに」 「座ってリラックスすることすら、させていただくことができないなんて」 「本当にひどいクソご主人様ですね」 「・・・」 「また動いています」 「何度いったらわかりますか? クソご主人様」 「学習することはできないのですか? クソご主人様」 「・・・」 「本当に私の気分を害することしかできませんねクソご主人様」 「せめて、何か私を楽しませることをして頂けますでしょうか? クソご主人様」 「・・・」 「どのように楽しませるかって?」 「・・・」 「そんなこともわからないのですか? この能なしクソご主人様は」 「一度小学校からやり直してみてはいかがでしょうかクソご主人様」 「その空っぽの頭を使ってよく考えてみてはいかがでしょうかクソご主人様」 「ああ・・・空っぽではなくて、その頭にはクソが詰まっているんでしたね」 「だってクソご主人様ですから」 「クソなら仕方がありませんか・・・」 「・・・」 「では、私もこの居心地の悪いいすに座るのも疲れましたし」 「もう休憩は終わりに致します」 「・・・」 「私の貴重な休憩をクソご主人様のせいで台無しにされてしまいましたが」 「しばしの休憩時間を頂きありがとうございました。クソご主人様」