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■02
お、おはようっ! ……友達が乗ってきてくれれば朝の苦痛はここまでです。
痴漢も諦めて去っていくでしょう……あれ? まださわってる。いつもなら、もう終わるはずなのに……。
え、暗い顔だねって……そ、そんなことないよ? 私は今日も元気……うん、心配事があったら必ず言うよ。
だから大丈夫……大丈夫……駄目だ。この言葉を、痴漢も聞いているのに。
ほら、この痴漢は私が言わないことを分かってる。
だから今日は、まださわり続けてる……んっ、んん! 嘘。
スカートの中に手、入れてきてる? 脚さわって……あぁ、お尻を……。
いつもはスカート越しだったのに、ショーツに触れてる。
うちの制服はスカート長めだから、まさかめくられるだなんてこと考えもしなかった。
この人、さわることに慣れてきてる?
え、う、ううん、なんでもない……ないから。
そういえば今日の国語の授業、漢字テストがあるって言ってたよね。
うん、そうね。イヤだよね……うん……イヤ……あぁ、はぁはぁ……。
初めてショーツを触っているせいか、いつもより激しい感じがしてイヤ。
手のひらの熱さが直接滲んでくるのもイヤだし、指の感触がより鮮明になっているのもイヤ……すごくイヤ。
右のお尻を掴んでゆっくりと揉む。
中指の先がショーツの端にかかって、ラインに沿って撫でられるのが気持ち悪い……かと思えば左のお尻に移って、またたっぷりと揉みまくってくる。
ショーツのフリルがくしゃくしゃにされている感じがしてとてもイヤだ。
今日はお気に入りのショーツだったのに、なんで今日に限って直接ショーツに触れてくるんだろう……あぁあ。
でもまだ、お尻の肉を揉んでいるだけならいい。
問題は谷間に指を這わされること……これがとても気持ち悪いの。
脚をギュッと閉じても、お尻の穴くらいまではさわられちゃうから。
あぁ、ほら来た……中指と薬指でお尻の谷間を撫で始める。
最初は尾てい骨の辺りを念入りに、そして徐々に降りてくる。
谷間に指を押し込んで、ショーツをお尻に食い込ませて……。
はぁはぁ、私はそんなに力がある方じゃないから、いつまでもギュッと力を込めていられない。
その隙を見計らって、谷間に指を滑り込ませてくる……あぁ来た、ほら来た……お尻ぃ。
中指がお尻の穴に触れてる。
この人は気付いているのかな。
それとも、単にここまでしか来られないだけ? でもその指先はクニクニと蠢いて、お尻の穴をくすぐり続ける……はぁはぁ。
私は恐怖と寒気ですぐに膝をカクカクと震わせてしまう。
普段1人の時は、誰もそのことに気付いてくれない。
でも今は友達がいる。声には出せなくても、必死でしがみつけばいい……。
ほら、どうしたのって言ってくれる。
私の様子がおかしいことに気付いて心配してくれる。
さすがにこれ以上は痴漢も攻め込んでは来ないてんほら、今日もおしまい。
ここまで……。これでもう心配はいらない。
あとは学校で、みんなと楽しく過ごすだけ……下校の時も誰かと一緒にいればいい。
朝も帰りも、痴漢してくるのは同じ人だと、もう分かっているから……。