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■02
ふぅ……先輩、ここ寄ってきましょ?
まだ時間は大丈夫ですよね?
門限、早いんですか?
うちは普通です。
遅くなる時は連絡入れておけば大丈夫ですし……さぁ、こちらへどうぞ。
夕暮れの公園。
ベンチでは若いカップルが談笑してる……なんて幸せそうな光景でしょう♪
こういう何でもないようなことが幸せだと思いませんか?
こうして、身を寄せ合って……。
ふむ……でも、暑いですね。
先輩、体温高い方ですか?
そうですか?
だって、顔赤いですよ?
耳まで真っ赤……ふふっ、私も赤いですか?
私の体温、高いですか?
どうですか。
腕もずっと組んでたから、汗かいちゃってますよね……ほら、しっとりしちゃってます。
む……そんな恐る恐るじゃなくて、しっかりさわってもいいんですよ?
だって、恋人同士じゃないですか。
ついさっきからでも、恋人同士だからいいんですっ。
それとも何ですか、先輩は私とこういうコトするって、妄想もしないで告白してきたんですか?
しましたよね?
妄想、想像……。
ふふっ、どんなことを考えましたか?
先輩の妄想の中で、私、どんなことされてましたか?
先輩は、私に何をされたいんですか……私に、何をしたいんですか?
……例えば、何?
聞こえませんよ、もっとハッキリ言ってください……あっ、あぁん♪
何ですか、もしかして、耳を舐めたいんですか?
内緒話?
あら、私にしか言えないようなコトなんですね♪
仕方ないから聴いてあげます……耳、舐めないでくださいね?
んっ、んん……あん!
息吹きかけるのも駄目ですよぉ、んふふっ、ん、んん……キス?
私とキスしたいんですか?
大丈夫ですよ、どうせ誰も聞いてません。
あそこのカップルも、あそこの老夫婦も、自分たちのことしか考えてませんから……ですから、私たちも自分たちのことだけ考えましょ♪
それにしても……キスですか。
せっかく恋人同士になったって言うのに、そんな初歩的なことしか妄想してないだなんて……先輩って、もっと激しい人かと思ってたのに……ふふふ。
でもいいです、それ以上のことだって考えてくれてますよね?
でも、恥ずかしくて言えないだけ……ねぇ先輩?
妄想の中で、私はどんな風に喘いでましたか?
どんな顔をして、先輩の腕の中にいましたか?
幸せそうに?
気持ち良さそうに?
淫らに?
それとも痛くて涙目でしたか?
何がって……もちろん、セックスの妄想ですよ。
あははっ……あれぇ、しないんですか?
だって、恋人同士なら必ずすることじゃないですか。
私とそういうコトしたくて、告白してくれたんじゃないんですか?
どうなんですか……。
もしかして先輩、性欲ないんですか?
ありますよね……ないなら、別れちゃいますよ?
だって、好きな人とそういうことするの、夢だったので!
私、先輩で妄想してましたので。
ふふっ、駄目でしたか?
嫌ですか、そういう妄想するのって……すみません、私ってばそういうコトするんです。
今もしてます。
今、先輩に何されるんだろうって、妄想してます……。
あの、いちおう訊いておきますけど、こんな私でもいいですか?
先輩とエッチなことする妄想して興奮しちゃうような女ですけど……ふぅん。
先輩って、ホント物好きな人ですよね。
あらら、私、そんなに知られちゃってますか。
先輩は私の研究でもしてたんですか?
暇な人ですねぇ……それなら教えてください。
先輩は、私の何を知ってるんですか?
どんなことを?
私が毎日毎日、何を考えていたか……もちろん知ってるんですよね?
さぁ、教えてください……私が今、何をしたいと考えてるか……ぺろっ。
あれ、もう逃げないんですか?
ぺろん。
だったら、さっさとしてください……目の前に、大好きな彼女の唇があるのに何もしないなんてこと、あるはずがありませんよね?
はい……んっちゅ♪
ちゅっちゅ、ん~っちゅぷ。
ちゅっ、んっ、んん、ちゅっぷ、んふっ、んっ、んっ、ん~っぷはぁ!
はぁはぁ、はい、正解♪
でも、こんなところでキスするなんて、先輩ってば結構強引なんですねぇ、あははっ。