Track 1

本編

ほら、鏡には何が映っているのか私に教えてください。 だめ、鏡から目をそむけないで。鏡から目をそむけることは自分から目をそむけること。 ここまでの人生であなたがしてきたこと。現実に目を向けられず理想だけを夢見て、 自分に嘘をつき続けることはつらかったでしょう。心に膿(うみ)があるように苦しかった。 この本を見て自分は変われる。私が自分を変えてくれる。そう信じてまじないをかけた。 私は鏡の女神――あなたを未来へ導く希望。さあ、私を信じてもう一度鏡を見つめて。 ふぅん。なるほど。鏡に映るのは理想の自分 ですか。 本物の自分より優れて、賢く、勤勉で、富と権力を持ち、異性にモテる。 友達が大勢、親友と呼べる存在がいて、会社では重役を任されるエリート。 本物の自分と遠くかけ離れた理想の自分が映っている。魔性の鏡は、決して嘘をつかない。 あなたの心の奥底に沈んでいる本心を見すかして、鏡に映してあなたに見せている。 次は ほら。 これが本物のあなた。理想の自分にはなれない怠惰(たいだ)で堕落(だらく)している人生を歩んでいる。 なに? 怒ってるの? 嘘をつき続けてきたあなたが真実を突きつけられて見せるのは怒り。 違う? 本当の自分はまだこれから。まだ本気を出していないだけ。社会がまだ自分を見ていないだけ。 何回「まだ」って言い続けるの?今のあなたを見るのはあなただけ。 誰もがあなたのことを、蔑み(さげすみ)の目で見くだしている。 誰しもがあなたのことを、あわれみの目でみつめている。 なに? 泣いてるの? いいわよ。泣けばいいわ。 よしよし。つらかったのよね。 ほら静かに呼吸をして、吸って、吐いて。 魔性の鏡に映るのは理想の自分。内側へくれば理想の自分になれる。どう?夢のような話でしょう? あら、信じてくれるの? そしたら、こちらへ足を踏み入れて。 現実はつらいから逃げ出してしまえばいい。 いらっしゃい。何も心配することはないのよ。 女神様だけを信じて。ほら。 ふふ。いい子ですね。 おりこうさんおりこうさん。 さあ、本当の自分になれる儀式をはじめましょう。 ふふ、鏡の中をきょろきょろ見回してかわいい。 まだ半信半疑ってところかしら。でも残念、現実なの。 あらどうしたの? 子犬みたいに肩をぷるぷるふるわせて。 怖いの? 怯えてるの? そんなにつらいの?  だいじょうぶ。しばらくしたら慣れるわよ。ほら、疲れたでしょう? ここは理想を現実にする力がみちあふれている。 あなたの求めるものを、鏡がきっと見つけ出してくれる。 何? あなたは今何をイメージしているの? ふふ。そうですか。 白くて四角い……。ふかふかの柔らかい。 もっとイメージして。 大丈夫。 女神様は何でも知っているから。 女神様は何でもわかってくれるから。 そう。ベッドでお休みしたいの? いいわよ。 ほら、あなたが求めたベッドがでてきたわ。 ここで休んだら、少しずつ理想のあなたになる。 目がさめるころには、あなたは過去の自分を捨てて未来へと進めるはず。 ほら、横になって。 そして静かに目を閉じて。いい子。 目を閉じると、視界が暗くなって私の声に集中しやすくなる。 そうすると、あなたは自然とリラックスして、わたしの声を聞き入れやくなる。 静かに呼吸をして、こうして私の声を聞いているだけで、少しずつ少しずつあなたの体は鏡の世界に溶けこんでいく。 それは私の世界に取り込まれるということ。怖がらなくていいの。 私のことを信じてくれた、可愛いあなたを悪いようにはしないから。 まぶたに意識を集中してみて。 あなたのまぶたは自然と閉じて脱力した状態。 いまから私が三つ数えたら思い切り力を入れて。ぎゅっと目をつむるの。 ありったけの力を込めて目をつむるの。  いい? あなたはいい子。いい子なら言うことを聞けるでしょう? 私の「はい」と言う声が聞こえたら力を一気に抜いて。 すると、気持ちのいい感覚が体中に伝わる。 さあ、いい? あなたの理想の実現への第一歩は眠りから始まるの。 3、2、1 ゼロ ぎゅっとしてまぶたに力を入れてできるだけ体中の力を込める。 「はい」力を抜いて 体からスーっと力が抜ける 気持ちいいでしょう? これをもう一度。 リラックスした状態で力を抜くと 気持ちのいい脱力感が 体に広がる。 当たり前のこと ごく当たり前のことをくり返して 深い 深い眠りへと入っていきましょう。 3、2、1 ゼロ 力を込めて 思い切り とてもとても ぎゅーっと。 そして「はい」 スーっと力が抜ける。 力が抜けすぎて 理性も抜けてしまいそうな脱力におぼれましょう。 でもまだまだ 力を抜いて 心をからっぽの状態にして 何も考えなくてもいい だって、あなた。 気持ちいいの好きでしょう? 眠ってしまったあなたはとてもかわいい。ずっと苦しかった現実から逃れて気持ちよさそうに寝ている。 そろそろ起こしてあげないと。手遅れになってしまう。夢を見るのは気持ちいいけど、いつかは覚めないと。 気持ちいいでしょ? 気持ちいいでしょ? あなたの頭はずーっと私の声がこだましている。 ずっとずっと、永遠に。 3,2,1 ゼロ。 パっと目をひらいて 「はい」  力が抜ける 頭がボーっとする感覚 目覚めはよかった。 このときあなたは催眠状態 信じられない?  別に意識できなくても、無意識ではすでに私の言葉に従いやすくなってるの。 それでは試してみようかしら。 気持ちのいい眠りに導く、女神様の儀式を。 3、2,1 ゼロ。 まぶたに力が集中する。 目がひらかない。  硬くなって硬くなってひらくことができない。 私の命令に従わないなんてことはありえない。 あなたの無意識が私の言葉を実行するのよ。 あなたの頭も体も私が支配している。 あなたは理想の自分になっているけど、理想のあなたは自分のものではなく、私のもの。 あなたの欲望は私が全て支配している。 ほら、あなたの体の熱もふるえも私の意のままに操れる。 自らの意思のない人間の末路(まつろ)って知ってる? 「存在しない」ことにされてしまうのよ。 あなたが理想を求めて、鏡の内側へきたとき疑問に思わなかった? 鏡の内側の自分はどうなったのか。 ふふふ。そして、あなたが眠っている間に、鏡の外はどうなってしまったのかしら? ほら、私がしめす外側の世界を見てごらんなさい。 ふふ。信じられないって顔してる。外側にいるのは理想のあなた。 あなたは何一つ変わっていない。 だってそうよね。 内側のあなたを外に出して、外側のあなたを内に入れただけ。 結局、あなたは何も変われていない。 ほら、もっとよく目をこらして。 理想のあなたの隣に……誰かいるのではないですか? 黒い服でセクシーで、そう、男をたぶらかす淫らな悪魔ような女性。 理想のあなたは外側に出て、その女性とたわむれてる。 本物のあなたと違って上手に立ち回り歩いている。 あらあら。あの美味しそうな乳房(ちぶさ)をもみしだいて。 これからホテルで楽しいことでもするんでしょうね。 それに比べてあなたは何?  鳥かごの中に閉じ込められている小鳥のよう。 一人でさびしく、さえずり鳴いている。 誰にも気づかれることなく。 孤独で、ひとりぼっちで。 存在しなくなったあなたを必要とする人はいない。 これからは理想のあなたが現実を生きてくれるから。 ただ、たった一つだけ救いの手があるとすれば、外側のあなたと心と体を一つにすること。 外側のあなたは、魅力的な女性とみだらな行為をして遊んでる。 あなたも同じような行為をすれば同化する。 べつに難しいことではないわよ。 だって、私がいるから。でも主導権はあなたにはなくてよ。 ほら、また横になって。体をラクにさせて。 体中から力を抜いて、あなたは鏡の虜になる。 鏡の虜になれば外側のあなたと同化すれば、あなたは理想の自分になれる。なりたいでしょう? 鏡の外で待っているのは過酷な現実だけど、世界は表と裏、つらい現実の中にも理想の幸せがある。 まぶたに意識を集中してみて。あなたのまぶたは自然と閉じて脱力した状態。 いまから私が三つ数えたら思い切り力を入れて。ぎゅっと目をつむるの ありったけの力を込めて目をつむるの あなたは下僕 私の下僕でしょう?。 私の「はい」と言う声が聞こえたら力を一気に抜いて。また気持ちのいい感覚が体中に伝わる。 さあ、いい? あなたがここにいたくていたくてたまらなくなるまで、深い 深い眠りに堕ちましょう。 3、2、1 ゼロ  ぎゅっとしてまぶたに力を入れて。 でも、私が力が抜けるあの言葉を言うと、まぶたから力が抜けて目をあけることができるようになる。 力が どこかに どこか遠くに 過ぎ去ってしまうの。 はい 体中の力が一気に抜けていく感覚。 気持ちいい感覚が 体中に伝わる。 あなたの体を支配する 気持ちのいい感覚が 何もかもを 面倒くさくさせる。 そして 気持ちよくなる。 頭が後ろに引っ張られるような感覚 眠りに引っ張られるような感覚 堕ちていく感覚 幸せでしょう。 さて、これから10からゼロまで順番に数えるわね。 少しずつ 少しずつ 鏡の虜になる。 ゼロになると あなたの眠りは いまよりももっと もっと 深いところに堕ちていくの。 残っている力が抜けて さらに気持ちのいいところに沈むの。  10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ すーっと堕ちていく。 考える力が抜けていく 頭がボーっとして 真っ白になるの。 もう一度カウントするわ。 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ 私の言葉が心に体にひびいて さらに気持ちよくなっていく。 体が とろけていく 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ とても気持ちいいね ただ眠りに堕ちていくだけなのに。 どんどん深い眠りに入るだけなのに、とても気持ちがいい。 私がカウントして、ゼロになればなるほど、あなたはより深いところへと堕ちていく。 限界なんてない。どこまでもどこまでも、永遠に堕ち続けていく 堕ちなさい。あなたの意識がとろけおちてしまうほどに。 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ ゼロ、ゼロ、ゼロ。 なにもわからない ただ真っ白な世界 気持ちのいい世界。 あなたの心は真っ白。  だから私の言葉を、一つ一つ素直に聞き入れてしまう。 そして 暗示が心に刻まれると、鏡から抜け出せなくなるの。 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ あなたの心に素敵な暗示を刻んであげる。 あなたの本能、本質をいじってあげて、私の虜にしてあげる。 うれしいでしょう? もう私からはなれられないわよ? ほら、鏡の中から完全に出られなくしてあげる。 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ どんどんどんどん堕ちていく。気持ちのいい世界へと。 私の声だけの世界へと。現実から遠く、遠く離れた、水底(みずぞこ)へと堕ちていく。 次に 三つ数えたら あなたは目を覚ますの。 目を覚ましても あなたの心は 催眠状態よ。 だから 私が30からゼロへと数えていくと、あなたは少しずつ 眠りに堕ちていくの。 それはあらがうことのできない夢。 30からゼロに近づくたびに あなたの頭はボーっとしていって、なにも考えられなくなってくる。 気持ちよすぎて、もしかするとゼロになる前に、あなたは私の中に堕ちてしまうかもしれないわね。 では 目覚めましょう。 ゼロ 1 2 3 はい 目をあけなさい。 考えることも見ることもできるでしょう。  でも30 あなたの意識は沈んでいく。 29 28 27 26 25 だんだんボーっとしてくる。 24 23 22 21  深い深い眠りに入っていく。 20 ほら スーっとあなたの頭の中は真っ白になる。  どんどん気持よくなってくる。 19 18 目があいていたら、目が重くなって。 閉じていたら気持ちよくなって、より深い眠りにはいっていく。 18 ほら 17 もっと深い場所へ。 16 気持ちいいね 15  でも我慢しなさい。できる限り。堕ちそうになるけど、がんばって。  14 我慢すれば我慢するほど気持よくなれるから。  13 まだ意識は保ってるかしら? 12 もう何も考えられないんじゃない?  11 ゼロになるまでもつかしら?  10 ほら一気にズーんとくる。堕ちてしまいそう。 なにもかもがどうてもよくなって、意識を手放してしまいたくなる 9 ほら がんばって まだまだ堕ちたらだめ。 8 ではいまから、一気にトランスに入りましょうか。 7 6 5 4 3 2 1 ゼロ ストンと堕ちていく。我慢してた分、とても気持ちよく深く深く堕ちていく感覚。 何も考えられなくなって 頭が真っ白になって 沈んでいく からっぽになる。 私の声に依存して 私の声に従って 堕ちていく。 とても幸せだね。気持ちいいよね。 でも、あなたが求める気持ちよさはこれだけじゃないよね。 この気持ちよさも好きだけど、エッチな気持ちよさも、大好きだよね? いまから 3つ数えてあげる。 でも ゼロになっても いきなり気持ちよくはならないの。 ゼロになると、あなたのお腹のあたりがほんのり熱くなってくるから。 そしてそれが少しずつ 少しずつ快感になっていくの。 3 2 1 ゼロ ほら、お腹に手を当ててみて? どう? あったかいでしょう? 気持いいでしょう? 次に3つ数えたら その快感が全身に広がるの。 3 2 1 ゼロ ほら、全身に熱いのが広がって ビクンビクンと体が感じて、快感に溶けていく。 私の声が聞こえるたびに、快感が押し寄せていく そして その気持ちよさは つま先からあなたの体にたまっていく。 あなたというコップに、甘いジュースがなみなみとそそがれていく。 それがいっぱいになった時 わかるよね? あなたは絶頂してしまうの。 ほら たまっていく 鏡の外側のあなたと少しずつ同化していく。 いまから3つ数えましょう そしたらそれが2倍に 快感が2倍になる 3 2 1 ゼロ ほら あなたのからだが熱くほてる。  息がはぁはぁと荒くなって体が熱くなる。 気持よさだけが、あなたのからだを支配する。 ほら自分に正直になりなさい。 あなたはここで何も考えず、気持よくなるのよ。 たまっていた欲望を、全部吐き出してしまいなさい。  ほら 熱いでしょ? 気持ちいいでしょ? 勝手にいきなさい まだ 快感が足りないかしら? ならまた 2倍にしましょう 3 2 1 ゼロ ほら ほら ほら ほら。  あなたの頭が 快感でドロドロにとけてしまって何が何だかわからなくなる。 そのままいってしまえばそれでいいの。 いってしまう。いって たまって またいって。  それを永遠に繰り返しなさい。 ほら最高の気分でしょう? ふふふっ。壊れてしまえばいいのよ。 そして頭と心が真っ白になったとき、私の下僕として生まれ変わる。 ご褒美として さらに2倍にしてあげる。 3 2 1 ゼロ。 体が震える。  ビクビク 快感になり ビクビク 痙攣してしまうの。 ほら どんどん体に快感がたまって凝縮(ぎょうしゅく)され、 そしていってしまう。 次に3つ数えたら、あなたにいままでに感じたことのなかった快感に、全身を包まれる。 宇宙がはじけるような、きらめく白の衝撃(しょうげき)で、一番深い眠りに入ってしまう。 頭と心が真っ白になって 何も考えられないまま  深く堕ちてしまう。 ほら 3 2 1 ゼロ。 ゼロ、ゼロ、ゼロ。 ほらとてつもない快感が あなたの体をかけめぐる。 ほらほらほら。快感にのたうち回りなさい。 気持ちいいでしょう? 気持ちいいでしょう? ふふ 頭がもう真っ白。 私の声だけ。 気持よさだけ感じなさい。 そしてうっとりと恍惚としたまま、眠りに堕ちるの。 あまりの気持ちよさに 体中の力がスーッと抜けて どんどん堕ちていく。 意識が漂白されて 理性がポロポロと崩れて いずれは形さえ保てなくなる。 いまのあなたを、友達家族、はたまた名前も知らず歩く人々が見たらどう思う? 快感の渦に飲み込まれた、哀れで情けない子羊をさげすむ目。  あなたはそれでも私の声を聞くだけで、気持よくなってしまう。  外の世界のことなど どうでもよくなる。 トリカゴの中で心も体も満たされて、エサをもらって喜ぶあなたは、二度と外へ出られなくなる。 私の声に心をあずける。私の声が聞こえなくなると、さびしくてたまらない。 だってそうでしょう。  あなたをかまってあげられるのは、私だけ。 世界中でたった一人、私だけ。 私の命令に従っていれば あなたは気持ちよくなれるの。 だから ね? ここは、この世でもっとも甘い香りはなつ、魔性(ましょう)の花びらの中心。 その柔らかいベッドに、すやすやと赤ん坊のように眠ってしまいなさい。 何も心配はいらないわ。 すべてが満たされて、信頼されて、信頼できる。 もし、私の命令を実行しなかったら 心が不安に包まれてしまう。 罪悪感にさいなまれて、悲しくなってさびしくなって。 また泣きそうになってしまう。 孤独になってしまうのを恐れてしまう。  でも従えば幸せ。逆らえば孤独なの。 あなたは私専用の下僕。トリカゴの中の鳥になる。 3つ数えたら 本当にそうなる。 従えば最高の気持ちになって、逆らえば孤独の牢獄(ろうごく)にとらわれる。 いい? 3 2 1 ゼロ。 あなたの心の奥の、そのまた奥。 とってもデリケートで繊細(せんさい)な部分。 そこに暗示が刻み込まれたわ。 私の命令を実行すれば すべてが満たされた気分になる。 あなたが求める本当の自分に出会える。 自然と笑顔になってしまう。 でもね、それは強制じゃないの。 自分の意志、本能に従いなさい。 私の命令に従うかそむくかは、あなた次第よ。 さあ数を逆に数えて。3になったら目をさましましょう。 1 2 3 はい おはよう。気分はどうかしら?  じゃあ まず 最初の命令は私に反抗してみなさい。 反抗して孤独を味わえば 堕ちた時にたくさん幸せを感じられるでしょう? あなたは現実で十分孤独をかかえて、さびしさにおびえてえて 悲しさをまぎらわせていた。 でも、ここにきてからのあなたは、とても気持ちよくなって、自分が幸せだと感じ始めている。 だから最初は反抗してみなさい。 じゃあ命令 右手をお腹の上に乗せなさい 我慢よ我慢。ほら、私の命令に反抗すればするほど、悲しくなってくるでしょう? 命令に従ってしまえば、あなたの人間としての尊厳(そんげん)が、音を立ててくずれてしまう。 だから、いくら幸せになりたくても我慢。 でも 悲しいよね? さびしいよね? 私の命令に従って、何も考えないからっぽな器(うつわ)になって、あふれるほどの幸せをそそがれたいよね。 さあ次に命令したら、あなたの気持ちに素直になりなさい。 反抗してもいいけれど、私はおすすめしないわ。 素直に自分の気持ちのままに。 私のかわいいかわいい下僕として飼われればいいのよ。 ほら 右手をお腹の上に乗せなさい。 私の命令通りに動くことがあなたの幸せ。 よくできたね。えらいね。いい子いい子。 じゃ次の命令を与えるわ。 私が「はい」って言ったら。僕は女神様の下僕です って言いなさい。 「はい」 ふふ かわいい。 じゃあ次は「はい」って言ったら 僕は女神様の忠実な犬です って言いなさい。 「はい」 そう あなたは私の忠実な犬。 私の命令にあなたは無意識に従ってしまうの。 私は強制はしてないわ 従うのって気持ちいいでしょう?  エサを待っている犬の気持ち。もしかしたら わかったんじゃないの?  首輪をつけられて飼いならされた犬は、外にはなたれることをこばんで、ご主人様の足元でスリスリとすり寄るのよ。 じゃあ次の命令。「はい」って言ったらズボンを脱ぎなさい もう抵抗しようなんて考えないわよね? だって、私に従っているだけで気持よくなれるんだから。 抵抗する意味がないもの。必要がないもの。 抵抗なんて概念(がいねん)、まるで存在しないもの。 「はい」 ふふ 滑稽(こっけい)よね。 私を疑って信じようとしなかったあなたが、今や私の忠実な犬。 ズボンを脱げと言われれば 素直に脱いでしまう。発情した犬のように。 欲望だらけの男の、変態なおちんちんを丸出しにして。 もう一度、今度はご主人様の忠実な犬だって言いましょうか。 命令よ私が「はい」って言ったら。 ほら 「はい」 ご主人様の命令に従うここちよさ。 段々と体にしみこんでいくでしょう? ん? 何をいやらしいことを想像してるの? 私には全部お見通し。本当におかしいわよね。 これじゃ人間じゃなくて、変態のマゾ犬よね。 次の命令。おちんちんを利き手でつかみなさい。まだしごくのはダメ。 ただつかむだけ。 お、あ、ず、け。 ほら私が命令しているのよ。ちゃんと聞きなさい。 私がオナニーしなさいって言うまで したくても我慢しなさい。 さあ次に三つ数えたら、おちんちんが熱くなって。 体がほてって とてもエッチな気分になる。 準備はいいかしら? 3 2 1 ゼロ。おちんちんが熱くなってる。 エッチな気持ちになって、とてももどかしくて、オナニーしたくてしたくてたまらない。 でも わかってるわね? 私の命令は、つかむ、それだけ。 オナニーは許可してないわ。 ふふ。別にシコシコしてもいいけど、私の命令にそむくとどうなるのかしら? ほら次に三つ数えたら もっともっとエッチな気持ちになって シコシコしたくなってくるの。 3 2 1 ゼロ。 ほら 体がムズムズする。 いてもたってもいられない。 いま手を上下に動かしたら、とっても気持よくなれるわよ? でも 命令に反抗すれば、どうなるかわかるよね? 孤独は嫌だよね? 私に捨てられるのは嫌だよね? 私に捨てられたら もうあなたは幸せになれない。 いま我慢すれば あとで最高に気持ちよくなれる。 いままでの不幸とたまりにたまった欲望を。同時にピュッピュッって、出させてあげる。 だから おちんちん握ったまま 待ちなさい。 でもそろそろ オナニーしたいよね? じゃあ命令 ゆっくりオナニーしなさい。 ほら体を動かして。 最高に気持ちのいい、自分勝手なオナニーをしなさい。 でも ゆっくり ゆっくり。 いくら気持ちよくても いきたくても ゆっくりオナニーするの。 どう? 気持ちいいね? おちんちん気持ちいいでしょう?  いままでいい子に我慢してきた分、おちんちんが勃起したまま、脈打っている。 ふふ。あなた とてもいい顔してるわ。 こちら側へ入ってきたときのあなたとは違う。 自分に素直になって、おちんちんを私の命令通りに動かしている変態な犬。 ほらそろそろいきたいよね? たくさんシコシコして 精液出したいよね? でもまだまだ、我慢しなさい。 舌をたらして、はぁはぁとだらしない姿で。 我慢、我慢、我慢我慢。 涙がでるくらい気持ちいのいい射精したことある? ないでしょう? 今からそれを体験させてあげる。 声がでてしまうほど 体が浮いてしまうような 精液ビュルビュルの射精。 それも連続で、連鎖的に。 精液があとからあとからわいてくる。 終わらない、終わらせたくない。 射精、射精、射精射精射精。 ほら頭を真っ白にして、口をだらしなくあけたまま、金玉の中にたまってる精液かれるまでシコシコさせてあげる。 ドロドロの精液いっぱい。利き手が白くぬりつぶされてしまうまで。 つらいでしょ? 苦しいでしょ? 射精には絶対に私の許可が必要。 私が「いい」って言うまで射精できないおちんちん。 かわいそうなおちんちん。支配されたみじめなオチンチン。 本当は手ではなく、あなたの好きなところへ出したいと思ってるのね。 だけどそれは許されない。あなたが望んだことだから。 私の犬として飼われ続けて、どんどん目的を失った精子を無駄うちしてしまうのよ。 「はい」ストップ ダメでしょう?私が「いい」って言うまで出したら命令にそむくことになる。 そしたら 私と幸せな気持ちになれなくなって孤独で さびしくて 悲しくて むなしいあなたに逆戻り。 おちんちんシコシコして、精液を搾り続けられたら、理想のあなたに近づくことができなくなる。 早く私から解放されたいと思ってる? 思ってないよね? もうすぐ鏡の外側のあなたと 本当のあなたが一体化して 鏡の外側へ出られる この世界で一生私に飼われたい? 何時間も精液たれながすマゾ犬になりたい? でも、そろそろ現実と目を合わせなくちゃダメ。 夢を見るのはいいけど、いつかは目覚めないと。 ほら、もうすぐ理想のあなたが近づいている。 彼と心と体を一つにして、感情を共有するの。 そうすればあなたは本当の自分へと変わる。 そのために共通の感情を生みやすい、オナニーという方法で、あなたを堕としてあげるの。  かわいそうなあなたを 救うにはこれしかないの。 抵抗なんてできない。あなたは私の命令に従うことしかできないから。 理想のあなたも同じ 本能にはあらがえない。 人間ってそういうもの いくら体裁(ていさい)をととのえてもみんな変わらないの。  現実のあなたも 理想のあなたも 紙一重なのよ。 だから「いい」わよ。 「いい」「いい」 射精していい。シコシコしてどぴゅどぴゅしてもいい。   「いい」「いい」「いい」「いい」。 ほらあなたの生臭くてドロドロの精液。 ビュルビュル出して頭真っ白にして射精しまくりなさい。  おちんちんは正直なものよ。 さっきから先端が痙攣(けいれん)してたわ。 ほらいっちゃえ。どぴゅって射精しなさい。 いままでおちんちんの中で我慢していた真っ白なアレ、好きなだけ出していいわよ。 いいわよ。いいわよ。 いきなさいいきなさい。 いきまくって狂いなさい。 ほら、ほらほら。 ほらほらほらほらほら。 どう? 気持よかった? 気持ちよすぎて 目の焦点が合ってない。  でもほら 鏡の外側の理想のあなたが消えてなくなってしまった。  手の中にこぼれた精液 カピカピになった精液。 もったいないから私がなめ取ってあげる。  ん、ちゅ。ちゅう、ん、じゅぷっ。ん……ちゅ。ん……ぷぱぁ。   ふふ 本当はこういうことがしたかったの? ダメよ。 私はあなたの性処理道具ではないから 私はあくまであなたを未来へみちびく女神様。 ずっと心の中で眠っていた、本当のあなたを引き出しただけ。  オナニーはその一つの手段。 何でオナニーだったかって?  それはあなたと私の求めていることの利害が一致していたから。 あなたは私の下僕に。私はあなたを下僕にして、その結果あなたが新しい自分になれたのなら。 それは幸せだと思わない? また鏡の中に入りたいと思ったら、心の中で私を呼べばいいから。 でも次は気をつけて。 私はいつまでも、あなたのご主人様。  あなたは私の忠実な下僕 もしもあなたが、また自分を信じられなくなったら。 鏡の内側で私と二人きり、夢を見ましょう。 さあ、私が「はい」って言ったら あなたは目を閉じて 体の力を込めて ぎゅっと目をつむるの。 「はい」 そう、これで最後 次に私が「はい」って言ったら 目をパッてひらく。 夢から目覚めるように そうしたら、あなたは現実へと帰る。 また会えるといいわね 三つ数を数えたら いい? 3 2 1 ゼロ 「はい」