主人公の部屋
(ノック)
ねぇ、いる?
起きてるぅ?
おーい…。
学校から預かったプリント持ってきたんだけど…おばさんいないから、あがってきたよ。
(返事がある、ドア開ける、室内へ歩み入る)
風邪、どう…って、何…ベッドで寝転んでゲームなんかしてる…調子悪いんじゃないの?
え、もう治ったって…風邪ってそんな簡単に治らないよ。
治ったとみせかけて、治りかけが一番注意しなきゃいけない時だよ。
うーん、今日に限って、さぼりってわけじゃないだろうし…あぁ、朝は咳も出てたし、ホントに熱があったんだ…そうかそうか。
じゃあないと、おばさんが休ませてくれるわけないもんね。
この季節だし、寝冷えでもしちゃったのかな…それとも暖房のせいで乾燥しちゃったかなぁ。
加湿器とか、濡れタオル干すとか、対策してる?
(ベッドの端に座る)
そ、そういえば、今日はさ…。
あ、うん、そうそう、誕生日、だよね。
うん、わかってる、わかってる…おめでとう。
あと、バレンタイン…うん、まぁ学校では結構盛り上がってたけど。
誕生日とバレンタインが一緒なの、そんなに嫌かなぁ…あ、でも確かに…おばさん、小さい頃から一緒にすますからねって、特別に何かあげたりしてなかったね。
まぁ私も学校でのバレンタインとか関係ないし…。
って、何…そんな、わかりやすく落ち込むかなぁ…か、関係ないって言ったのは、その…(語尾弱めにもごもご)もぉ…すぐ拗ねるんだから。
ん~、じゃあ、その…病み上がりだし、誕生日だし…何かひとつ言う事きいてあげるから。
何か、して欲しい事ある?
ケーキとか、そういうのは、お家でいろいろするでしょ。
子どもの頃は、お互いの誕生日に、お家でパーティしてお呼ばれとかしてたけど…当たり前になって薄れちゃってるし…この歳になって、改めてっていうのも…。
な、なんでもいいよ…その…無理なのじゃなかったら。
(少し間)
ん…え、み、耳かき…?
私に、耳かきしてもらいたいの?
うぅ…なんか変なお願いだなぁ…んん…まぁ、その…いいけど…。
か、彼女に耳かき…だから…うううう…わ、わかった、から。