Track 2

主人公の部屋

(ノック) ねぇ、いる? 起きてるぅ? おーい…。 学校から預かったプリント持ってきたんだけど…おばさんいないから、あがってきたよ。 (返事がある、ドア開ける、室内へ歩み入る) 風邪、どう…って、何…ベッドで寝転んでゲームなんかしてる…調子悪いんじゃないの? え、もう治ったって…風邪ってそんな簡単に治らないよ。 治ったとみせかけて、治りかけが一番注意しなきゃいけない時だよ。 うーん、今日に限って、さぼりってわけじゃないだろうし…あぁ、朝は咳も出てたし、ホントに熱があったんだ…そうかそうか。 じゃあないと、おばさんが休ませてくれるわけないもんね。 この季節だし、寝冷えでもしちゃったのかな…それとも暖房のせいで乾燥しちゃったかなぁ。 加湿器とか、濡れタオル干すとか、対策してる? (ベッドの端に座る) そ、そういえば、今日はさ…。 あ、うん、そうそう、誕生日、だよね。 うん、わかってる、わかってる…おめでとう。 あと、バレンタイン…うん、まぁ学校では結構盛り上がってたけど。 誕生日とバレンタインが一緒なの、そんなに嫌かなぁ…あ、でも確かに…おばさん、小さい頃から一緒にすますからねって、特別に何かあげたりしてなかったね。 まぁ私も学校でのバレンタインとか関係ないし…。 って、何…そんな、わかりやすく落ち込むかなぁ…か、関係ないって言ったのは、その…(語尾弱めにもごもご)もぉ…すぐ拗ねるんだから。 ん~、じゃあ、その…病み上がりだし、誕生日だし…何かひとつ言う事きいてあげるから。 何か、して欲しい事ある? ケーキとか、そういうのは、お家でいろいろするでしょ。 子どもの頃は、お互いの誕生日に、お家でパーティしてお呼ばれとかしてたけど…当たり前になって薄れちゃってるし…この歳になって、改めてっていうのも…。 な、なんでもいいよ…その…無理なのじゃなかったら。 (少し間) ん…え、み、耳かき…? 私に、耳かきしてもらいたいの? うぅ…なんか変なお願いだなぁ…んん…まぁ、その…いいけど…。 か、彼女に耳かき…だから…うううう…わ、わかった、から。