CHAPTER 1
すいません、そこのお兄さん、助けてください!
近所の空き家で遊んでたらわたしの妹が急に倒れちゃって……、困ってるんですっ!
あっ、ありがとうございます!こっちです。私についてきてください。
あぁ、どうしよう……ジェニーがいなくなったらあたし、ひとりぼっちになっちゃう……。
私達姉妹には両親がいなくて、今まで二人で支え合って生きてきたんですっ。
ジェニーは私にってかけがえの無い、大事な…、大事な家族なんです。
あっ、すいません、ただでさえ迷惑かけてるのに私ったら、取り乱しちゃって……。
あのっ、着きました。そこの空き家ですっ。古い建物なので……、
”足元に気をつけてくださいね。”
きゃははははっ、ひっかかったひっかかった~♪
いくら私でも、事前に罠を設置しておけば人間の1人くらいは捕獲できるものなんだね♪
くすくすっ…、身体が麻痺して動かないでしょ?そのトラップ高かったんだからね?
どうだった?私の演技、完璧だったでしょ?
ん?妹?ジェニー?誰よそれ?そもそもあたしには家族なんていないんだけど?
ねぇ、そんな架空の人物の心配なんかしてないで、自分の心配したらぁ?
くすくすっ……まだわからないの?お馬鹿さん♪
ようするにぃ、あんたは私にハメられたの♪
ほら、角と尻尾が生えてるでしょ?あたしは魔族よ、ま・ぞ・く!
あはっ、そんなに怯えられたら照れちゃうじゃない、もうっ♪
え?何でこんなことするかって?…………ねぇ、なんでだと思う?……くすっ。
ここにあんたを連れてきたのは、殺すためでも、身代金を要求するためでもないの。
じゃあなぜかって?……くすくすっ、そ・れ・は・ね~……。
あんたを辱めて日々の鬱憤を晴すためよ!あははははっ♪
これからあんたは高貴な魔物であるあたしに、陵辱されちゃうわけ。
くすくすっ。どう?怖いでしょ?
好き放題できる人間の玩具を手に入れるために、わざわざここまで念入りに準備したんだから。
今日はた~~っぷり楽しませもらうからね。あははははははは………。