第7話:補給
(シャワーから戻ってくる少女)
あれ?お前、シャワーはもう終わったのか?
(主人公頷く)
ふふ……まるでカラスの行水だな。
でも、ちゃんと温まらないと、湯冷めして風邪を引いてしまうぞ?
……まあ、シャワーで温まるっていうのもなんだか変な話か。
(主「遅かったね」)
いや、私は特に時間がかかったとは思っていないぞ?
そうだな……強いて言うなら、いつもお前が髪を洗ってくれるから、一人でした分手間取ったのかもしれない。
それにしてもここのシャンプー、ミント系で頭がスーってする……ちょっと寒い……
(少女の髪を手で梳く主人公)
ぁ……ん…………髪撫でるの……気持ちいい……
それに、暖かくて……ちょっとやらしいぞ……っん……ふぁ…………
…………な、お前。
さっきよりも元気がいいようだが、もう眠くなくなったのか?
そうか、シャワーを浴びたから……
だったら、また眠くなるまでのんびりしていようか。
……膝の間……いいか?
んしょ……っと。
ふふ……せっかく二人分のスペースにパソコンも二台あるのに、一人分の席でくっついてるの、少し面白いな。
(飲み物の入ったカップを手渡す主人公)
ぁ……これ、ココア?
そっか、ここはドリンクバー付きだったな。
くんくん……(匂いをかぐ)
しかもこの感じ……安っぽい自販機のじゃなくて、ちゃんと淹れたものみたいだな。
ちゅるる……(ココアを啜る)
ふふふ……甘い。
お前のは……いつもどおりのブラックか。
よくそんなもの飲めるよなあ……あんなの、人間の飲み物じゃないだろ……
私は……んむぐ!?
(コーヒーを口移しで飲まされる少女)
んむ……んく……んく……んきゅ…………ちゅる……ぷはぁ……
うえぇ……やっぱり苦い……
というか……急になんてことをするんだ、お前は……
こんな飲ませ方……口移しって言うよりも、無理やりじゃないか……
ほら、少し口からこぼれてしまってる……服についてシミになったらどうするんだよ、まったく……
(謝る主人公)
いや……突然されたからびっくりしただけだ。謝らなくてもいい。
ちゃんと解っていたら、こんな事にはならなかったと思うし。
それに……喉にキュルって流し込まれるみたいなの……悪く……なかったぞ?
したかったら……もっとしてもいい……
あ、でも、苦いのは嫌だから、私のココアで……頼む。
(ココアを飲ませてあげる主人公)
れりゅ……はむ……ん……んく……きゅ……んぐ……
んぷぁ……はぅ…………
やっぱりこっちのほうが……甘いほうがいいな。
でもちょっとだけコーヒーの風味も……んふ、なんだか不思議だ。
ふふふ……お礼に今度は私がしてやろう。
いいんだ、遠慮などするな。
ちゅるる……(ココアを啜る)
んりゅ……ん………………ぅ…………(口移しで主人公に飲ませる)
んぷぁ……ふぅ…………ふぅ…………
お前今、喉、鳴ってたぞ?
なんだかそうやって音を立てられると、加虐的な気分になってしまうな……ドキドキする……
(主「こんなの不可抗力だよ」)
ふふ……本当にこういうお前は「かわいい」という称号が相応しいな。
……なあ、もう一度……お前のコーヒー……飲ませて欲しい……
あ、少しでいいぞ。ほんの少しだけで。
あ~……ぁぷ。
んく……ん……ちゅ、ちゅぷ、れる……(一度だけ喉を鳴らし、そのまま舌を絡める)
ちゅる、ちゅ……やっぱり、苦い……んぅ、んぷ……っふ……
りゅ、ちゅぷ……でも……ぁぷ、ぢゅる……大人の味……ちゅ、りゅぷ……
ぷは……はぁ……ぁ…………
(主「キスしたかっただけだよね」と、ニヤニヤしながら)
うん……キスしたかっただけ……やはりお前にはお見通しか。
(主「今の結構音してたけど」)
音…………はっ!
……お前の膝の間だから家にいるような錯覚をしていたが、そういえばここはネカフェだったな……
さっきはあんなに気を使っていたのに……くぅ……面目ない。
でも……おかげで2点、貴重な体験ができたよ。
さっきのような口移しはなかなかに心地が良いという事と、喉を鳴らすお前はかわいいという事。
ふふ、メモしておかねば。
今度は本当に二人きりの時に……しような。