-夕方-怪談・人間もどき
ある男性が 田舎の古いホテルに 泊まった時のお話です
中庭に大きな池があり それを籠のように 回廊と部屋が配置されている
少し変わった作りの宿てした
ロービが絨毯であったり 最近は目っきり見かけない
ハンバーガーの自動販売機があったり
宿自体は古くがあったのですが 池は中々綺麗な物で
窓は大きく 見晴らしもよく
振る舞われる料理も 中々
価額の割には 十分過ぎる宿てした
ああー ここ当たりだな~ と
出張の疲れと 少し飲みすぎたお酒のこともあり
男性は程よいの中 少し早いですが 床に就きました
夜中 男性は目が覚めました
アルコールが入ると 眠りが浅くなるもので
ああ
喉が渇いた 水でも飲もうが と
暗い部屋の中 男性は体を起こしました
ふんわり明るいカーテンに 今夜は月がよく出ているな~ と
遠く 左の方で
コン コン
と
窓を叩く様な音が聞こえます
続いて
キイー
という回廊のぎしの音
酒の抜けない頭で ぼーとして聞きますと
コン コン
キイー
コン コン
キイー
一歩
コン コン
キイー
まだ一歩
コン コン
キイー
その音は 少しずつ この部屋に近付いているようでした
ああー 何が気味が悪い
キイー
コン コン
部屋の窓が ノックで微かに揺れています
それを見た瞬間 酷い違和感に 全身が総毛立ちました
カーテン越に 貼りつくように 右側の窓を叩く頭が
妙に大きな人影 人影と言うには 頭と体の比率がおかしく
手は 子供の様に細い
まるで 何かが人の真似をしている様な
一言と例えれば 人間もとき と
同時に気づいたのです
右端の窓で揺れる 私の部屋の 白いカーテン
酔いなと一瞬で覚め 全力で窓に飛びつきました
ダンンンン! と
カーテンこと引き戸を力一杯閉めると
目の前には 大きな頭の影が......
コン コン
キイー
足音はそのまま 遠さかって行きました
何か連れがあるって 妙な気持ち悪さを感じますよね
段々 不安になって来て
嫌な汗が滲む感覚
少し空いた襖とか
迷子になって 日が落ちた時とか
少し 似ている気がしません?
進もうか 戻ろうか
さて
もう 半分くらいは歩きましたか
最後は
この土地の話です
"Credit goes to hana from Bahamut (Taiwan site) for the JP Script."
- Hayate