Track 9

第6話 はじまりはプールでまたはじまりはプールから

月がとても綺麗な晩、学校のプールをこっそり貸切にしている二人  ミズキ 「ぷ、プールだね……学校の」 ミズキ 「あはは、あっくんはプールよりスクール水着の方が目当てなんだっけ……あはは……あ、手を握って……ごめんやっぱり震えてるのわかっちゃうよね」 ミズキ 「ううん、いいの私が頼んだことだから……もう結構慣れたけど、ちゃんと水に入れて初めてスクー ル水着を好きになれたって言える気がするの……だからこれが最後の関門かな……がんばるね」 ミズキ 「うん、じゃあプールサイドに座って足からつけてみる……あっくんが手を握っててくれるならきっと大丈夫だと思う」 主人公が先に足をつける ミズキ 「はぁ……今度は私の番だね」 ミズキ 「……」 ミズキ 「……んっ……えい」 ヒロインゆっくりと足をつける ミズキ 「はぁー、足入れた……ねぇ、頭撫でてほしいな」 ミズキ 「えへへ、ありがとう……入ってみると冷たくて気持ちいいね……じゃあお言葉に甘えてこのままちょっとお話しよっか」 ミズキ 「ふふっ、実はこういうのちょっと憧れてたんだ……夜の学校に忍び込んでプール……青春だよねぇ」 ミズキ 「え、学校のプールにはスク水だよなって……そんなの当たり前じゃ……あ、そっかもうこういう旧スク?だっけはもう着てないんだよね……うちの学校も競泳用みたいのだし」 主人公足をバタバタする 気に入らないらしい ミズキ 「うわっぷ……足バタバタさせてる……そんなに残念なんだ」 ミズキ 「ねぇ……あっくんはどうしてスクール水着が好きなの?……きっかけとかあるの?」 ミズキ 「へー、初恋がスクール水着を着た女の子だったんだ」 ミズキ 「あー、近所のあのプール?……へー、一目惚れ……名前とかわからないの?」 ミズキ 「そっかー、わかなんないんだ……ん、ただ……どうしたの?……興味……あるかな」 ミズキ 「ふぇ……その子を助けた思い出がある……うそ……じゃああっくんがスク水を好きなわけって……わあっ」 動揺の余りバランスを崩して主人公と落下 ミズキ 「あわわっ……どうしよう……落ちちゃった……うっぷ……足つかな……わあああっ……怖い、怖いよぉ!」 ミズキ 「あっ……あっくん……助けて……くれたんだ」 ミズキ 「あっ、ごめんね……背中掴まらせてもらうね……んっ」 ミズキ 「……」 ミズキ 「ねぇ……私も初恋の話してもいいかな」 ミズキ 「いいの!このまま聞いてほしいの……今度は私の番、でしょ?私の初恋はね……小さい時プールで 助けてくれた人なんだ」 ミズキ 「その人はね……お姉ちゃんのお下がりのスクール水着着て、浮き輪をなくして溺れかけてた私に そっと背中を貸してくれたの……こうやって」 ミズキ 「……ちゃんと覚えててくれたんだ……昔こうして溺れた時に助けてくれたこと」 ミズキ 「ふふっ、私、あの時は帽子もゴーグルもしてたし……顔がよくわからないよね」 ミズキ 「んー、もしあっくんが他にもスクール水着を着た女の子を助けたことがあれば人違いかもしれないけど」 ミズキ 「やっぱり私だよね……その時からね……あっくんは私の王子様なんだよ……またこうして助けて 貰ってとっても嬉しいよ……えへへ」 ミズキ 「へ?何で謝るの?」 ミズキ 「え、うーん、しょうがないって!……それから私はプール恐怖症になって一度もプール行ってないし……あっくんとお友達になったのはその次の年だったし」 ミズキ 「ふふっ……私達、初恋で両思いだったんだね……運命かな、なんてね」 ヒロイン背中から離れプールの中に立つ ミズキ 「んしょ……ありがとうあっくん……私、もう大丈夫だよ……こうしてプールにちゃんと立てるよ……そりゃそうだよね……私の身長よりプールの方が浅いんだもん……」 ミズキ 「私、勇気を出してスクール水着を着て本当によかったよ……そうじゃなきゃ何も知らずにこの恋は終わってたね……プールが怖かったのも……本当はあっくんの気持ちを知るのが怖かったからじゃないかな……あの時の思い出が全部台無しになっちゃうとか……本当は私に全然興味ないのかなとか……そういう不安だったのかも……私ってバカだよね……えへへ」 ミズキ 「……」 じっと主人公を見据えて ミズキ 「今なら言えるよ。私……あっくんもスク水も大好き!」 ミズキ 「ん……だーめ、あっくんの返事はまだ。来週のお祭り、夏休み最後の日に聞かせて……私からのお願い」 ミズキ 「うん、よーし、じゃあせっかくだから泳ぎも教えてよ!今まで楽しめなかった分、いっぱいプールを楽しまなきゃ……バタフライとかやってみようかな……いきなりは難しいかな」 ミズキ 「あれ?どうしたのじっと私を見つめて……」 ミズキ 「濡れたスクール水着が最高なの?……濡れて完成なの?……ふふっ、そうなんだ」