幽霊さんのうらめし耳舐め
旦那様・・・お呼びになりましたか?
あらあら、何を怯えていらっしゃるのですか?
・・・はい、昨日のことは夢でも何でもありません。
お屋敷で私達が出会ったのは本当にあったこと。
昼間、明るい内は私の姿が見え辛くなっているだけです。
ちゃんと旦那様の背後におりますよ・・・ふふ。
それとも・・・私が見えなくなって安心していましたか?
いじわるはおやめください、旦那様。
全部見て聞いていますから・・・
つい悲しみのあまりに末代まで祟ってしまいますよ。
安心してください。
私だって旦那様にそっくりな耳を持つあなたにそんな事はしたくありません。
いざという時は・・・そういう話です。
昨日お掃除しましたから・・・耳はお綺麗ですね。
それでは今日は別の事をしましょうか。
はむっ・・・ぺろ、ちゅ・・・
ん?何って・・・耳を舐めているんです。
旦那様・・・もう、前の旦那様、ですけど・・・その方が教えてくださったんです。
綺麗になるし気持ちいいから、と。
ぺろっ・・・ちゅ、ちゅぷ・・・はむぅ・・・ちゅ・・・
れろれろっ・・・ちゅ、ちゅぅ・・・ふぅ・・・。
旦那様、鳥肌が立っていますよ・・・。
私の舌が冷たいですか・・・あらまあ、生きている時は温かいと言われたんですが。
ふふ・・・ちゅむ、ちゅぅ・・・ぺろっ・・・
舐めた感触も前の旦那様とそっくりで・・・。
やはり、あなたが「肝試し」というのですか?
それでお屋敷に来てくれたのは・・・運命なのでしょうね・・・ちゅぷ、れろぉ・・・。
旦那様、信じてください・・・れろっれろぉ・・・ちゅぷぷ・・・
私はあなたのくださった耳かきを無くしてなどおりません・・・。
ふふ、解ってくださって嬉しい・・・はぷっ、れるちゅ・・・ちゅむちゅぅ・・・。
では反対側も・・・あら、旦那様、気を失って・・・。
そんなに喜んでもらえるなんて・・・ふふ、お慕いしております。
今度こそ勝手に成仏などさせませんよ。