第6話 ひとりぼっちの都会探索
[主人公の出向先の会社の前・結局会社の前までついてきて見送った後]
(街のイメージ・秋葉原、上野あたり)
《BG・朝方の街》
さて、と。
あいつは会社に行ってしまったし、これからどうするか……
微妙に時間早くて、どのお店も開いてなさそうだし……
まあ、人が少ないのは良い。このあたり、休日だと絶対ごった返すよな。
ん……そうだな。今日の私は都会人だ。
町中で時間を潰すことくらい造作も無いことだ……うん。
えっと……じゃあどうしよ……
(よく見る喫茶店お看板を発見する少女)
あ、あのカフェは開いてるな。
あそこで昼前まで様子を見て、それから行動するとしようか。
[家の近所にあるカフェと同じチェーンのお店にて、2人がけの小さなテーブルに座ってる少女]
《BG・カフェ的な》
んふふ……チェーン店は良いな。
どんなに遠くまで来ても、同じ雰囲気を提供してくれて、まるで家のそばにいるみたいに感じる……
それにこの店は席同士の敷居がしっかりしてるから、個室にいるみたいで凄く落ち着けていい……
ちゅるる……んく。(砂糖たっぷりのミルクコーヒーを啜る)
んふ……同じ味だな。
砂糖を3本、ミルクを入れればいつもの珈琲の完成だ。
あいつみたいにブラックでは飲めないが……これくらいなら十分私にも飲める……
ふぅ……さて、朝はバタバタしてしまったからな……
(ゴソゴソと、カバンの中からスマホと携帯ゲーム機を出す)
……こんなとこで申し訳ないが、日課を始めるとしようか。
なんだかんだ昨日の昼から殆ど触ってやれなかったしな。
スタミナが溢れにあふれてしまっているだろうし、取り返すためにもこの時間を使ってしっかりやらせてもらうよ。
[2時間弱後、お昼すぎ]
んふふ……フルコンボ……
今回のイベント曲、いつもよりも繋ぎやすかったな。
ふぅ……(つけていたイヤホンを外す)
さてさて、とりあえず今できることは全てやった、のかな。
時限クエストは……今はいいか。
珈琲一杯であまり長居しても申し訳ないし、私には他にもやるべきことがあるしな。
それに、イヤホンしてたから気づかなかったが、結構人増えてきたな……
店の外も……こんな中出ていかなきゃダメなのか……
……突然仕事終わったとかで迎えに来てくれないかな……
ん……弱気になってはダメだな。
ここを乗り越えれば明日は……うん。
よし、行くぞ……行くからな……
…………うぅ……
[しばらくして、都会の街中を歩く少女・色々散策した後]
しかし、家の周りを歩くのに慣れてきたから忘れていたが……
どうしてこんなに人間が多いんだ……
これだから都会は……ううう~……
だが、面白そうなところはいくつか見つけたから、全くの無駄ではなかったはずだ……
そろそろいい時間だし、一度部屋に戻るかな……
(視界にゲームショップの文字が入って立ち止まる少女)
ん?ここ……ゲーム屋か?
ふふ……なんだかんだ、こういう落ち着きのいい場所に入ってしまうの、良くないとは思っているんだがな。
でも、うちの周りじゃ見かけないレア物もあるかもしれないし、まあ、少しくらいはいいよな……うん。
[アナログゲーム専門店]
なるほど、ゲームはゲームでもアナログゲームの店だったか……
ボードゲームとかカードゲームとか、今までやる機会もなかったし、よくわからんな……
そもそも私はデジタル専門だし、遊ぶ相手も……ん……誘えば一緒にやってくれるかな……
最近アプリゲームでもカードゲームっぽいの増えてきてるし、少しくらいなら分かるかもしれない……
そうだな、せっかくのめぐり合わせだ。ここで一つ何か買っていって、今晩一緒に遊んでみるか。
どうせできることも限られてくるしな。それなら今だからこそできることをした方がいい。
となると問題はどれにするか……ふむ……
なんだか外国のっぽいパッケージのは難しそうで気が引けるな……
それに、あまり荷物にならないほうがいいだろうし……
じゃあ、この小さな箱のやつにしてみるか。手頃な値段だし、パッケージもかわいいし……
[ボードゲームを買って店から出てきた少女]
ふふ……買ってしまった……
こうやって、少しずつだが外に出られるようになって、いろんなお店に入れるようになって……
やはり私も、多少は成長しているのだろうか……
勇気を出して一歩踏み出して、レベルを上げて次のステージへ向かって、またそこでレベルを上げて……
ふむ……ローグ系と言うか、ハクスラ、と言うか……
そう考えると、人生も意外とゲームみたいなものかもしれないな。
だったらなおさら、リセットボタンを押してくれて、コントローラーを握ってくれてるあいつに感謝しなくては……
むぅ……本当に、どこまで私のことを愛してくれてるんだよ……はぁ……
なんだか寂しくなってきたな……そろそろ戻るか。
いつ帰ってくるかもわからないし、私が待っててやらないとな。
えと……どっちから来たんだっけ……