Track 2

旦那の目の前で編

男は一度体を許すと何度でも求めてくる。 勿論、弟君も例外ではなかった。 あの日以来、毎日のように私を求めてくる。 私は私で、それを拒否する事もなく受け入れてしまっている。 旦那への罪悪感を感じながらも、快楽に溺れる事を選んでしまう。 「あっ、あぁあんっ! はっ、はぁんっ! っ、うぅうん!! ひゃぅうっ!」 激しく突き上げられ、ベッドが軋み揺れる。 「っうん! んっ、んんっ! はぁんっ! イイッ! いいわっ!」 彼の動きに合わせて私も腰を淫らに揺らす。 繋がっている部分からはグチャグチャといやらしい水音が響く。 汗ばんだ体と体がぶつかる音と合わさって興奮を煽っていく。 「あんっ! はんっ! んっ、んんっ、あんっ、あぁあんっ! あっ、はぁっ!  っぅん! はっはんっ! そこっ、そこをもっとっ! そうっ、いいっ! もっとこすってぇぇ!」 何度も体を重ねる内に、彼は私のイイ部分をいくつも見つけ出した。 そうして私に快楽という麻薬を注入していく。 正しい判断が出来なく成る程に私の脳を侵食していく。 「んっ、あっ、はんっ! っぅうううっ!! んーっ、んーっ、んんんっ!!」 彼の動きが速度を増す。 同時に私の中の快感もいっきに上っていく。 「あぁあんっ!! いいっ、いいぃい!! っ、あっ、んっ!!」 頭が真っ白になっていく。 「あぁあんっ! いくっ! いくっ!! いっちゃううっ!! あぁあああああああああんっっ!!」 彼のちんちんから白い液が私のお腹に撒き散らされる。 とても熱い。体が焼けそう。 私はそれを指で少しすくいペロリと舐めた。 「んっ……濃いわね……」 体勢を直し、彼のちんちんを口に含む。 「んちゅっ……お掃除しなくちゃね……ちゅっ……ちゅぼっ! ぺろっ、ぺろぺろっ……ちゅっ」 彼の事を愛している訳じゃない。 勿論、愛しているのは旦那である彼のお兄さん。 だけど……今、私の体が求めているのは旦那じゃない。 <ねぇ、もう1回しようか> 彼が求めるまま、私が求めるまま。 何度も何度も私たちは重なり合った。 そんな生活も長くはつづかない。 旦那の単身赴任期間が終わり、実家へと戻ってきた。 ご両親は今だ海外旅行中。 この家には、私と旦那と弟君の三人。 旦那は弟君が居た事に驚きはしたけれど、兄弟仲は悪くないので嬉しそうに一緒に晩酌を楽しんでいる。 罪悪感が有るのか無いのか、弟君はいつもと代わらず余裕たっぷりな笑顔で私に話しかけてくる。 <お姉さん、水割りおかわり!> 「あ、はい」 弟君の手からコップを受け取ろうとした時、軽く手が触れてしまった。 「っ!」 思わず手を引くと、コップが床へと落下する。 幸い割れはしなかったものの、旦那と弟君が不思議そうな顔を向けてきた。 「ごっ、ごめんなさい! 手がすべっちゃって。すぐ作るわね」 私は慌ててコップを拾い上げキッチンへと逃げ込む。 心臓がドクンドクンと激しく動悸を打っている。 顔が赤くなっていくのを感じる。 (なっ、なんで……こんな……。意識しちゃ駄目よ。旦那にバレたらどうするのよっ!) 私は軽く頬を叩き、お酒を取り出す。 <駄目だよ、お姉さん> 「!」 振り返ると弟君が苦笑いで立っていた。 <あんな風な反応も可愛いけど、兄貴にバレちゃうよ?> 「っ……」 <……っふふ> 軽く微笑むと私の顎を持ち上げる。 「っ、駄目よっ」 理性が彼を押しのけようとする。 けど…… 「っ!! んっ……んちゅっ! ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ!! ぐちゅっちゅっれろれろっ……んっ……ごくっ」 大量の唾液を流し込まれ、私はなんとかそれを飲み込む。 「はぁっ……はぁっ……」 <お酒もらっていくね> 立ち去る後姿を見送りながら、私はその場へとへたり込む。 パンツに違和感を感じ、恐る恐る手を入れてみる。 茂みの奥は自己嫌悪に陥る程にぐっしょりと濡れていた。 「まったく、お酒に弱いくせにあんなに飲むからよ……」 私がぐちぐちと文句を垂れながら旦那をベッドに寝かせている。 風邪をひかないように布団をかけ、なさけなく歪んだ顔にキスを落とす。 「……ちゅっ」 無邪気に眠る旦那の顔に、じわじわと罪悪感が押し寄せてくる。 「っ……ごめんなさい……ごめんなさい……」 その言葉は自然と口から溢れた。 「ごめんなさい……ごめんなさい……」 何度も、何度も。 旦那を愛していながらも、快楽を求め旦那と弟との行為を繰り返す自分。 何も知らずに一生懸命働いていた旦那。 「っぅ……」 涙が頬を伝っていく。 <泣かないでよ、お姉さん> 「!」 振り向くと弟君がドアの近くに立っていた。 <泣かないで、お姉さん> 優しい声で繰り返す。 「あ、ごめんなさい。大丈夫……」 ゆっくりと彼は私に近づき、優しく抱きしめた。 「っ! だっ、だめよ! 旦那の近くよ?」 押しのけようとするけれど、彼の力は強い。 <……しようか> 「!?」 彼の口から出た言葉に唖然とする。 この状況で何を言うのだろうか。 混乱する私にお構いなしに彼は、深い口付けを落としてきた。 「んんっ! ちゅっぅうっ! んちゅっ……ちゅっんっ……んんっ!  だっ、だめっ、やめて! 起きちゃうっ」 傍で眠っている旦那を確認する。 まだ目は覚めていない。 <……パンツぐちゃぐちゃ> 「ひぅうっ!」 突然パンツの中に手をねじ込められ、体がはねる。 <もう、我慢出来ないんでしょう? お姉さんも> 「ちっ、ちが……!」 <俺もだよ> そう言うと同時に、熱いモノが私の中に押し入れられた。 「ひぐぅううっ!! うぅうっ!!!」 <声我慢しないで> 「ひっ! んっ、んっ、んんんんっ!!」 唇を噛み締め、必死に声を押し殺す。 <大丈夫。兄貴は朝まで起きないよ> 「っんんっ! んっ! んんんっ」 <意地っ張りだなぁ。……じゃ、無理やりにでも声を出させてあげる> 「はぁああんっ!!!」 強く突き入れられ、耳を舐められ、胸をもてあそばれ、クリをいじられ。 感じる部分全てに彼の手が触れていく。 「はっ、はんっ! はぁんっ! あんっ、あぁんっっ」 <いい声出てきたね> 我慢しなくちゃ。 こんなに声を出したら起きちゃう。 旦那を傷つけたくない。 なのに…… 「いやぁあんっ! あんっ、あんっ! っああんっ! はぁんっ! ひゃんっ! んっ、んっ!」 リズミカル打ち込まれていく。 淫らに揺れる体。 旦那のすぐ側で……旦那の弟に突き上げられて喘ぎ声を上げている。 「あぁあんっ! はぁんっ! んっ! んんっ!! いいっ、いぃいんっ!! はぅうっ!」 必死に声を抑えようとするけれど、私の口からはどんどん喘ぎ声がもれていく。 <いいね。お姉さんのアソコ、すっげぇ締め付けてくる。興奮してるだろ?この状況に> 「っぅうん! あっ、あっ、あんっ、あんっ、あぁああんっ!!」 彼の言う通りだった。 私は興奮している。 旦那の目の前で犯されているこの状況に。 いつ旦那が目を覚ますか分からないこのスリルに。 「っぁああんっ! ひゃぅぅうんっ! もっと突いて! 突いてぇえんっ」 <お望みのままに> 「はぅううん!! あっ、あんっ、あんっ、あんっ、はんっ、はんっ、んっ、んっ、んんっ、んっ、あっ、あっ、あぅぅうん!  はっ、はぁ……はぁあっ……あんっ、あんっ、あぁあああんっ、はんっ、はぅううんっ!!  あっ、あぁあんっ、はぁあんっ、あはぁあんっ、はぁんっ、はんっ、あんっ、ああぁああんっ」 <お姉さんしめすぎ……やべぇ、いくっ> 「あっ、あっ! あぁああんっ! あんっ、あんっ! はぁんっ! はぁああっ、はっ、はっ、はぁあっ!  んんんっ、いいわっ、いって! いっぱい精液出してっ、いっぱいいっぱい出して! 出してぇえんっ!  あっ、あっ、あぁああああああああんっ!!!」 顔にかかる熱い精液。 ……ふと目に入る旦那の寝顔。 罪悪感が私の中に積み重なっていく。 愛している。 愛している。 けれど、快楽に溺れた体には逆らえない。 心と体は別物。 本当にそう。 愛する心は旦那の物。 快楽を感じる体は弟君の物……。 私は最低だ。 ……分かっているのに、それを拒否する事が出来ない弱虫だ。 ……ごめんなさい……あなた……