03_カミングアウト
■カミングアウト
:それからというもの、後輩は率先して
:イベントに参加するようになっていた。
:同じ趣味に目覚めたのだと思い、
:聞き手は彼女との距離を縮めようとするのだが……。
ああ、先輩。
なにか御用ですか?
…え?今週末のイベント?
ええ、コスプレ参加するつもりでしたけど…。
(少し間を置く)
イベント後に打ち上げ…ですか。
……。
…あ~…ん~と…。
その、そういうの困ります。
前から薄々とは感じてましたけど…
なにか妙な期待を持たれるのも、あの。
…迷惑、かなって。
くすっ…ああ、いえ、ごめんなさい。
先輩のショック受けてる顔がちょっと面白くって。
でもハッキリ言った方がいいですよね、きっと。
そう、ハッキリ言っちゃうと、
先輩から好意を寄せられてるのは気づいてました。
でも、そのお気持ちには応じられません…♪
だって…。
わたし、"カレシいますし"。
(少し間を置く)
ふふっ…ふふふっ。
そんなに驚かないでくださいよぉ。
自分で言うのもアレですけど、
わたし、見た目も悪くないと思いますし。
フツーに"カレシ持ち"です♪
…えっ、先輩…ですか?
あははっ…コスプレの楽しさを
教えてくれたことには感謝してます。
けど、それで付き合うとか…
ちょっとナイです(笑)
それにしても、少~し仲良くしてあげただけで、
勝手に盛り上がっちゃうなんて…。
やっぱり先輩も"キモオタ"ですねえ♪
くすっ、くすくすくすっ…♪
…ああ、じゃあカレシと待ち合わせてるので。
わたしはそろそろ失礼します、"ただの先輩"さん♪