03
最初の不倫をしてから数日は、バレるんじゃないかと思ってずっと緊張していた。
けれどバレることはなかった。
夫はそうしたことに鈍感なのだろう。
性への欲求が薄いことも関係あるかもしれない。
もちろん、彼とセックスした後は必ずお風呂に入るようにしている。
彼の家のお風呂に、うちで使っているものと同じソープやシャンプーを置いてもらった。
念のために下着も替えておく。
コンドームを着けてもらっているから、膣内に彼の痕跡が残ることもない……。
フェラチオで精液を飲んだ時は念入りに歯磨きをして、おくび(げつぷ)が出ないように慎重に飲食をするようにした。
そう、フェラチオ……夫と五年付き合い、結婚してから三年経つが、一度もしたことがない。
そのことを言うと彼はとても喜んでくれた。
女性の初めてをもらえることが嬉しいらしい。
以来、彼はフェラチオにはまっている。
私も、求められるのが嬉しくてついついしてしまうのだけど、フェラチオでたっぷり出した後はセックスのテンションが落ちるのは気になるところ。
だけど、今日もまた望まれれば咥えてしまう……。
上手になったね、と言われるのが嬉しくて、いっぱいしゃぶってしまう。
今のお気に入りは、ペニスの幹を乳房で挟みながらするフェラチオ。
パイズリフェラ……オッパイ好きな彼にとって、このご奉仕は至福の時なのだそう。
上半身裸になって、椅子に座った彼の前に跪く。
期待感だけですでに勃起しているペニスを、まずは乳房で挟み込む。
Fカップあっても、オッパイはボールみたいなものではない。
挟むと言うよりは頑張って押し付けると言った具合になる。
私が両側から乳房を押さえたり、彼が自ら挟み込んだり。
熱くて硬いペニスが胸に押し付けられている感覚は嫌いではない。
しかも彼は本当に幸せそうな顔をするから尚更だ。
だけどパイズリは直接的な刺激は弱いようで、少し擦るだけで満足する。
やはり、フェラチオがいいのだろう。
オッパイに挟んでいる時、頑張って亀頭に舌を伸ばすのだけど、舐めるのが精一杯でさすがに咥えられるほどの長さはない。
だから、顔を下げていって。
亀頭を舐める。
カウパー液が出始めている先っぽをつつき、尿道口に舌先を当てる。
本格的にフェラチオを始めると、もう挟んではいられなくなる。
でも彼はオッパイから手を放さない。
私も放して欲しくないので、彼が乳房をもてあそびやすい位置でフェラチオをするようにしている。
ひとしきり亀頭を舐めて私の唾液の味にしたら、それを咥え込む。
エラが張っているので。
咥え込みやすくていい。
最初の頃は、歯が当たるのが怖くて咥えることができなかった。
けどすぐに慣れて、亀頭を咥えられるようになった。
次は、ペニスの根元まで咥え込むのだけれど。
これも歯が怖いし、息が詰まってしまうのが辛い。
それでも彼が喜んでくれるから、フェラに慣れないわけにはいかなかった。
今ではペニスの付け根まで咥え込めるようになっている。
肉棒を啜りながら徐々に咥え込んでいく。
口をすぼめ、舌の上にペニスを置き、甘噛みしながら奥へ、奥へ……そして唇が股間に付き、陰毛が鼻をくすぐる。
この時、上目遣いで見上げると。
気持ち良さそうな顔をして褒めてくれるのだ。
ご奉仕できている喜びで、私の女性器も潤ってくるのがわかる。
口ではなく、膣で咥え込みたくなってくる。
けど、フェラにはフェラの良さがある。
急所である男性器を咥え込んでいるというほのかな優越感。
舌を蠢かせると、彼だけが喘ぐ。
私の行為で男性を喜ばせ、喘がせているという嗜虐的に思える官能。
性的な強者である喜び。
ただ受け入れるだけだった弱者の性ではなく、快感を与えてあげるという上からの視点は、私にサディスティックな快感をもたらす……それでもやはり私は女だし、マゾヒスティックなのだ。
最終的には、攻めるよりも攻められる方が好ましい。
顔を前後させて口内でペニスを扱き、舌を蠢かせて快楽を与える。
先走り汁の味が口いっぱいに広がり、彼の射精欲が昂ぶってくるのがわかる。
フェラチオでもセックスでも、気持ちいい時はちゃんと気持ちいいと言ってくれるのが、彼のいいところだ。
快楽に喘ぐ彼の声をもっと聴きたくて、更に更に口淫を強めていく。
こうなると、もうパイズリをする余裕はない。
ペニスに歯が当たらないように注意しながら、激しく顔を前後させる。
口をすぼめ、舌を絡め、唾液を溢れさせながらオチンポを啜り続ける。
ジュボッジュボッと淫らな水音が響く。
最初はこの音に汚らしさが感じられたけど、今では興奮を増す音楽を奏でているかのよう。
彼も、ワザと音を出してフェラされるのが好きなようだ。
ならば遠慮することはない。
私の唾液と彼の我慢汁で濡れそぼった口内で、射精間近のペニスをしゃぶりまくる。
ゴツゴツとした肉棒が頬を擦り、上あごをすべり、喉の入り口を叩く。
息を詰まらせないように注意しながら、それでも派手に音を立てて啜る。
このままオチンチンを食べてしまうかのように、飲み込んでしまうかのように。
そうしているうちに、その時は来る。
彼が私の頭を掴み、射精を乞う。
出すよ、出すよ、と切なげに言われると、子宮の辺りがゾクゾクする。
そして私はペニスを根元まで咥え込み、射精の衝撃を待ち構える……そして。
ビクンッと跳ね上がるオチンチンを、口内全部で抱き締める……精液が喉にぶっかけられ、口いっぱいにその味が染み込んでくる。
ビクンビクンと脈動するペニスと、前後する腰。
彼は私の頭を抱えて、まるで膣にするようにペニスを抽送(ちゆうそう)する。
精液を絞りだそうとしているのだろう。
実際、擦っている間中精液が噴射しているのを感じる……口内に中出ししている。
口内射精されるのはとても苦しいし、歯に当たらないように、気管に注ぎ込まれないようにと注意しなければならなくて大変だ……けど、その労力に見合った官能がもらえるのが嬉しい。
亀頭を咥えたまま、まずは口内にある精液を飲む。
ねっとりとして飲みにくいけど、鼻に抜ける精液の香りにうっとりとする。
喉にこびりつく感じもたまらなくエロティックだ。
そしてもう一度ペニスを根元まで咥え込み、尿道に残っている精液もすべて搾り取る。
射精後にまた咥え込まれる気持ち良さに喘ぐ彼が可愛くて、そのままフェラを続けることになるのだ。