03
私は基本的に大人で落ち着いた感じがして、お金も持ってそうな中年紳士を援交相手に選ぶんだけど、たまには若い人もいいかな~なんて思う時がある。
若いと言っても、二十代後半だけど。
連絡を受けて、直接話しをする前に、遠くから相手らしき人を観察をする。
若すぎ駄目、デブ駄目、ブサもっと駄目、貧乏そうなのも嫌だし、挙動不審なのは最悪……若いと落ち着きがない場合が多い。
おどおどとした雰囲気を滲み出してるのは駄目で、そのまま会うこともない。
時々、まだ若くて結構なイケメンなのに、引っかかる人がいる。
まぁ、そういう人はたいてい問題あるんだけど。
でも、ついつい顔につられてOKしてしまうことがある。
その日の相手もそういう男性だった。
年の頃は二十代半ば。
少し前の流行りっぽい風体。
落ち着いた雰囲気ではあるんだけど、
どこか頼りない感じがするお兄さん……ちょっと頑張れば彼女の一人や二人、ヤらせてくれるセフレの一人くらいはいそうな感じ。
そういう人の場合でも、あえて私みたいなのを買うこともある。
でもその人は、本当に初めてだった。
つまり童貞!
私で筆下ろししたいっていうコト!
もうホテルに入っちゃったからしょうがないけど、童貞ってちょっと苦手なのよね……面倒くさい。
私は楽しいセックスがしたいんだけど、童貞は基本的に自分のことしか考えてない場合が多い。
根本的なやり方を知らない人もいるから、いろんなコトの加減もわからなかったりすることも。
避妊についてのことも知らなかったりね。
ま、その辺は私の方でちゃんとするからいいんだけど……ということで、久しぶりの童貞クン。
そこそこイケてるのに、二十後半になっても未経験。
よっぽど人間的な問題でもあったのかしら、と思ったらナルシストだった。
自分に見合う女性を探してるうちに、もうすぐ三十歳。
このままじゃ理想の女性に出会った時、恥ずかしい思いをしてしまうかも。
男の人は、童貞なのが恥ずかしいと思うんだなぁ……女は、人によるかな。
処女であることを恥ずかしがる人も稀にいる。
そういう意味では男も稀なのかもしれない……恥ずかしがらない人の方が、ね。
私はセックスが上手な人が好きだから童貞は苦手だけど、童貞を卒業しておきたい、という気持ち自体はわからなくもないから、セックスの手ほどきはしてあげる……つもりだったんだけど。
どうやらこのナルシスト童貞は、セックスも自分の思い通りでないと嫌らしい。
女にリードされたくないという男のプライドもわからなくはない……というか、面倒臭いから好きにすれば?
……って感じ。
私は、せいぜいおぼこい雰囲気を出してあげるコトにする。
セックス上手なオジサマ方でも、性に不慣れな様子を見せると喜ぶ人は多いから、そういう演技は自然にできる。
案の定、童貞クンは興奮してくれた。
これはこれで面白いかしら?
と、か弱い雰囲気を醸し出し、童貞クンに組敷かれる。
まずはオッパイを揉まれた。
そして激しいだけで下手くそなキス。
体をまさぐる指の動きが、どこか陰湿な感じがする。
いつまでもブラの上から揉まれてても痛いから、服を脱がしてくれるように促したいけど……脱がせて、なんて言ったら幻滅されそうだ。
仕方ないから、脱がせてくれるのを待つ……けど、一向に脱がしてくれる気配がない。
このままだとシワになっちゃう。
服の隙間から手を入れようとしたり、ファスナーを探したりする童貞。
あぁなるほど、脱がし方がわからないのね……。
開き直って着衣エッチされるのも面倒だから、バレないように少しだけ脱ぐ。
そして童貞クンの意識を服に持っていって、脱がせてもらう。
脱がせられて安心したのか、一気に全裸にされる。
そして、うっとりとした表情で語りかけてきた……ボクが気持ち良くしてあげるよ、とか。
童貞がどの口で言うのよって呆れるしかない。
そしてやっぱり、避妊に対する知識はないようだった。
まだ濡らしてもらってないマンコに、普通よりやや小さめのチンコを突き立てようとする……私は怖がる振りをして、避妊を願った。
童貞クンはコンドームの着け方も知らないから、最初は拒む。
そして、責任は取るから、なんて口から出任せを言う。
だいたい、こんな童貞に責任を取ってもらいたくなんてないワケで。
なだめすかして……チンポを無理矢理褒め称えてコンドームを着けさせる。
ちゃんと着けたかどうかを確認する間、私はこっそりとクリちゃんを弄って、膣に潤いを持たせておく。
そしてついに、筆下ろしの時……童貞クンは勿体ぶって、女性器を指でいじったり、ペニスでまさぐったり。
膣口を探してるんだろうけど、少し焦ってるだけで、うろたえていないところは悪くない。
やっと入り口を見つけて一安心。
またもナルシーなコトを語りながら、少しずつ挿入してくる。
特に太くも長くもないけど、やっぱ挿入される時の感覚は嬉しくて気持ちいい。
焦らされたこともあって、小さく悶えてしまう。
それが童貞クンには嬉しかったようで、そこからは一気に攻め込んできた。
初めてのセックスの喜び、挿入の快感、自分のチンポの素晴らしさを叫び、喘ぎながら笑う。
ちょっとキモいところもあるけど、セックスを喜んでもらえてること自体は嬉しいから、まぁいっかって思う。
後の心配は、挿入、即、射精……っていうところだけど。
それは大丈夫だった。
何度も腰を振り、抽送を繰り返す。
強弱も緩急もない、ただひたすら突き込んで引き抜くだけの作業的セックス。
だけど本人は気持ちいいんだろうし、セックスとして満足はしてるよう。
それはいいんだけど、しきりに感想を聞いてくるのにはかなりウンザリ。
気持ちいいかい?
ボクのチンポ凄いかい?
……もちろん、望むままの答えを返してあげる。
ここで嫌々言うと、
セックス自体が楽しめなくなってしまうので、私は自己暗示をかけるかのように快感を訴える……あ、いや。
気持ちいいことは気持ちいいから、嘘じゃないんだけどね。
でも、満足はしない。
最後の最後まで彼のナルシズムに付き合ってあげて、むしろゲッソリ。
彼を受け入れてあげられる女性が現れればいいけど……私にも、セックス上手な中年紳士が現れて欲しいものだわ。