Track 3

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私は基本的に大人で落ち着いた感じがして、お金も持ってそうな中年紳士を援交相手に選ぶんだけど、たまには若い人もいいかな~なんて思う時がある。 若いと言っても、二十代後半だけど。 連絡を受けて、直接話しをする前に、遠くから相手らしき人を観察をする。 若すぎ駄目、デブ駄目、ブサもっと駄目、貧乏そうなのも嫌だし、挙動不審なのは最悪……若いと落ち着きがない場合が多い。 おどおどとした雰囲気を滲み出してるのは駄目で、そのまま会うこともない。 時々、まだ若くて結構なイケメンなのに、引っかかる人がいる。 まぁ、そういう人はたいてい問題あるんだけど。 でも、ついつい顔につられてOKしてしまうことがある。 その日の相手もそういう男性だった。 年の頃は二十代半ば。 少し前の流行りっぽい風体。 落ち着いた雰囲気ではあるんだけど、 どこか頼りない感じがするお兄さん……ちょっと頑張れば彼女の一人や二人、ヤらせてくれるセフレの一人くらいはいそうな感じ。 そういう人の場合でも、あえて私みたいなのを買うこともある。 でもその人は、本当に初めてだった。 つまり童貞! 私で筆下ろししたいっていうコト! もうホテルに入っちゃったからしょうがないけど、童貞ってちょっと苦手なのよね……面倒くさい。 私は楽しいセックスがしたいんだけど、童貞は基本的に自分のことしか考えてない場合が多い。 根本的なやり方を知らない人もいるから、いろんなコトの加減もわからなかったりすることも。 避妊についてのことも知らなかったりね。 ま、その辺は私の方でちゃんとするからいいんだけど……ということで、久しぶりの童貞クン。 そこそこイケてるのに、二十後半になっても未経験。 よっぽど人間的な問題でもあったのかしら、と思ったらナルシストだった。 自分に見合う女性を探してるうちに、もうすぐ三十歳。 このままじゃ理想の女性に出会った時、恥ずかしい思いをしてしまうかも。 男の人は、童貞なのが恥ずかしいと思うんだなぁ……女は、人によるかな。 処女であることを恥ずかしがる人も稀にいる。 そういう意味では男も稀なのかもしれない……恥ずかしがらない人の方が、ね。 私はセックスが上手な人が好きだから童貞は苦手だけど、童貞を卒業しておきたい、という気持ち自体はわからなくもないから、セックスの手ほどきはしてあげる……つもりだったんだけど。 どうやらこのナルシスト童貞は、セックスも自分の思い通りでないと嫌らしい。 女にリードされたくないという男のプライドもわからなくはない……というか、面倒臭いから好きにすれば? ……って感じ。 私は、せいぜいおぼこい雰囲気を出してあげるコトにする。 セックス上手なオジサマ方でも、性に不慣れな様子を見せると喜ぶ人は多いから、そういう演技は自然にできる。 案の定、童貞クンは興奮してくれた。 これはこれで面白いかしら? と、か弱い雰囲気を醸し出し、童貞クンに組敷かれる。 まずはオッパイを揉まれた。 そして激しいだけで下手くそなキス。 体をまさぐる指の動きが、どこか陰湿な感じがする。 いつまでもブラの上から揉まれてても痛いから、服を脱がしてくれるように促したいけど……脱がせて、なんて言ったら幻滅されそうだ。 仕方ないから、脱がせてくれるのを待つ……けど、一向に脱がしてくれる気配がない。 このままだとシワになっちゃう。 服の隙間から手を入れようとしたり、ファスナーを探したりする童貞。 あぁなるほど、脱がし方がわからないのね……。 開き直って着衣エッチされるのも面倒だから、バレないように少しだけ脱ぐ。 そして童貞クンの意識を服に持っていって、脱がせてもらう。 脱がせられて安心したのか、一気に全裸にされる。 そして、うっとりとした表情で語りかけてきた……ボクが気持ち良くしてあげるよ、とか。 童貞がどの口で言うのよって呆れるしかない。 そしてやっぱり、避妊に対する知識はないようだった。 まだ濡らしてもらってないマンコに、普通よりやや小さめのチンコを突き立てようとする……私は怖がる振りをして、避妊を願った。 童貞クンはコンドームの着け方も知らないから、最初は拒む。 そして、責任は取るから、なんて口から出任せを言う。 だいたい、こんな童貞に責任を取ってもらいたくなんてないワケで。 なだめすかして……チンポを無理矢理褒め称えてコンドームを着けさせる。 ちゃんと着けたかどうかを確認する間、私はこっそりとクリちゃんを弄って、膣に潤いを持たせておく。 そしてついに、筆下ろしの時……童貞クンは勿体ぶって、女性器を指でいじったり、ペニスでまさぐったり。 膣口を探してるんだろうけど、少し焦ってるだけで、うろたえていないところは悪くない。 やっと入り口を見つけて一安心。 またもナルシーなコトを語りながら、少しずつ挿入してくる。 特に太くも長くもないけど、やっぱ挿入される時の感覚は嬉しくて気持ちいい。 焦らされたこともあって、小さく悶えてしまう。 それが童貞クンには嬉しかったようで、そこからは一気に攻め込んできた。 初めてのセックスの喜び、挿入の快感、自分のチンポの素晴らしさを叫び、喘ぎながら笑う。 ちょっとキモいところもあるけど、セックスを喜んでもらえてること自体は嬉しいから、まぁいっかって思う。 後の心配は、挿入、即、射精……っていうところだけど。 それは大丈夫だった。 何度も腰を振り、抽送を繰り返す。 強弱も緩急もない、ただひたすら突き込んで引き抜くだけの作業的セックス。 だけど本人は気持ちいいんだろうし、セックスとして満足はしてるよう。 それはいいんだけど、しきりに感想を聞いてくるのにはかなりウンザリ。 気持ちいいかい? ボクのチンポ凄いかい? ……もちろん、望むままの答えを返してあげる。 ここで嫌々言うと、 セックス自体が楽しめなくなってしまうので、私は自己暗示をかけるかのように快感を訴える……あ、いや。 気持ちいいことは気持ちいいから、嘘じゃないんだけどね。 でも、満足はしない。 最後の最後まで彼のナルシズムに付き合ってあげて、むしろゲッソリ。 彼を受け入れてあげられる女性が現れればいいけど……私にも、セックス上手な中年紳士が現れて欲しいものだわ。