Track 3

12話目 BB弾は愛を撃ち抜いて

[休日の昼前の街を歩く二人] なんというか、オタクっぽい街だから親近感は持てるよな。 私たちと方向性があってるかは別にしても。 パッと見た感じでも、ゲームセンターとかカラオケとか結構多いなってわかるし、そういう街なんだろうな。 でも、そういうのは向こう(家の方)にもあるし、せっかくならこういう街でしかできないことをしたいなと思って、今日の予定を組んだんだ。 えっと、確かこの辺りだった気がしたんだが……ちょっと地図で確認するぞ。 えっと……ん……(スマホの地図アプリで位置を確認する少女) ああ、そうだ。この道の、もうひとつ曲がったところだったな。 [シューティングレンジに入ったふたり] なるほど、中はこんな感じなんだな。 ※昨日は偵察で外から覗いただけだったんだが、思ったよりも広い…… (レンタルのエアガンを持ってくる主人公) お、お前はその銃にしたのか。 私はこれだ。(小さめのエアガンを見せる少女) なんだか変わった形で面白いし、他のよりも小さいから私にはちょうどいいかと思ってな。 ふふ。驚いたか?こういうとこに連れてこられて。 シューティングレンジ、というんだっけか。 覚えてるか?この前やってた、サバゲをテーマにしたアニメ。 ※FPSとかも触る程度だがプレイはするし、実は前々から気になってたんだよ。 この街はこういうお店が多いなっていうのは、昨日歩いてて気づいてたし、うちの周りにはあまりないからな。 せっかくだから今のうちに触れてみようかなって。 えっと……あの的に当てればいいんだよな。 セーフティを解除して、狙いを定めて…… (軽くトリガーを引くと、勢いよくBB弾が出る) わっ…… ふむふむ、なるほどな……こんな感じなのか…… 思ったよりも反動というか、衝撃みたいなのはないんだな。少し大げさに構えてしまったよ。 だが、意外と弾が速くて、どこに飛んでったのかよくわからんな。 (もう数発撃って見る少女) ん……ふむ…… (1発が標的の空き缶に当たる) あ、当たったかも。 なるほど、見えなくても音でわかるんだな。ふーむ。 しかし、エアガンって結構重いんだな。 こんなの担いで動き回ってたら一瞬でバテてしまいそうだ。 あ、お前も撃って見たいだろ?ほら、遠慮するな。 (少女のエアガンよりも派手な音を立てる主人公の選んだ銃に驚く) うおぉ……それは結構迫力があるんだな。もしや銃によっても作りが違うんだな? ふむ……奥が深い…… だが、全然当たってないみたいだぞ。ふふふ。 (近くに用意されているターゲット用の紙を見つける少女) あ、もしかして、ここに置いてある紙って、照準を調整するためのやつじゃないか? 確かに、これならどこに当たったのか一目瞭然だな。 だが、どうやって使うんだろ…… 向こうまで置きに行くわけにもいかなそうだし…… (主「ここに挟んで向こうにやるんじゃない?」) (ターゲット用の紙を挟んで奥の方に送り出す仕組みがある) あ、こいつに挟んで向こうに送ればいいのか。なるほど、 (高い位置にあるその仕組に背伸びするが全然届いてない少女) ん……全然届かんな。お前、頼む。 (スイッチを操作し、ターゲットシートをレンジの奥に送る主人公) よし、ではこれで大体どの辺りに飛ぶのかがわかるな。 じゃあお先に…… (ターゲットシートに向けて数発撃つ少女) ん……音はしたから当たってはいるんだろうが、ここからだと流石に見えないか…… (目を細める少女に「目、悪かったっけ」と主人公) ん……確かに、前よりは目、悪くなったかもな。 あまりこうやって遠くを眺めることがないから気づかなかったが…… (主「コンタクトレンズにする?」) ん~……でも、コンタクトってちょっと怖くないか? だって、眼球にあんな薄っぺらいものを入れるんだろう? 何かの間違いで目の裏に入ってしまったらって想像すると…… それに、寝る前にわざわざ外しに行くのも面倒だ。 ゲームやってて寝落ちするのは最高に気持ちいいからな……ふふ。 それだったら、メガネの方がいいのかな……うーん。 (主「今度一緒にメガネを見に行こうよ」) ……ああ、そうだな。お前が一緒なら、眼鏡屋だろうがどこだろうが、怖くないもんな。 それに、お前の顔、遠くからでももっとはっきりと見たい。 じゃあ、今度暇な時にでも、お願いするよ。 [しばらく遊んだあと、利用時間終了直前] あ、そろそろ時間みたいだな。少し弾が残ってしまったが、腕の方が限界だしちょうどいいか。 結構楽しませてもらったよ。ふふふ。 思ったよりもよかった。いつか実際にサバゲーに出向くのもありかもしれないな。 (主「機会があれば一緒に行こうか」) ああそのときは是非、一緒に戦おうな。 それじゃ片付けて、これ返して、次に行こうか。 (主「次はどこに連れてってくれるの?」) ああ、次はちょっと戻って、駅の方に行くぞ。