鼻うがいと点眼と
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;Track5 鼻うがいと点眼とフェイスウオッシュ
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;3/右
「手、ハンドシャワーの温度みてほしいんですけど。少しだけいいですか?
ん……」
;SE 水栓コックひねる
;SE 洗面台のハンドシャワーの音、しばらく
;3/右(近い)
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ちょっとこれだと冷たいですね。
もうちょっとだけあっつく――(呼吸音)(呼吸音)――ん。ちょうど体温くらいになりました」
;SE コック締め→シャワーstop
「便利ですよね、洗面台のハンドシャワー。
診療所でいっつも助かってるから、自宅にもほしいんですけど……
水回りの工事って、なかなか思いきれませんよね~」
;3/右 (通常)
「じゃなくて、鼻うがいでしたね。
鼻うがいは、実はまだ防疫に有意な効果があるかについて、広い指示を得ている論文ってないんです。
だからもしかしたら気休め程度なのかもしれませんけど――
でもやっぱり、‘大量の水で洗い流す”っていうのは単純に効果ありそうだから、わたしはいっつもやってるんです」
「花粉症の患者さんとかだと、習慣にしてる方も最近じゃめずらしくないんですよ。
そういう方のお話だと、やっぱり体感で効果あるってことですし――
それなら感染症の予防にも、ちょっとは効くんじゃないかなーって思って」
「で、ですね。鼻うがいには、大雑把にふたつのやり方があります。
ひとつはシャワーのぬるま湯を、お鼻の奥に流し込む方法。
で、もうひとつは、これ。ドラッグストアとかでも売ってる、鼻うがい専用の洗浄機」
;SE 洗浄機しゅこしゅこ
「これと、1%の生理食塩水――専用の洗浄液とかも売ってるみたいですけど、1%の生理食塩水が一番やすくて効率よさそうかなって、わたしは思ってます」
「100円ショップで計量スプーン買ってきて、すりきりで5gのスプーンにお塩とって。
ペットボトルにお水――500mlのやつになら一杯、1リットルのやつになら二杯っていれてくだけで、超簡単につくれちゃいますからね、生食(せいしょく)」
「今日はお教室だから、両方やってみせますね。
まずは、シャワーとお湯を使う方。
ご家庭にハンドシャワーなくても、体温程度のお湯が用意できればそれでオッケー、おんなじです」
「じゃ、やってみせますね。まずはシャワーからお湯を出して――」
;SE ハンドシャワーお湯出し(継続)
;“そしたら”以降、左の鼻の穴を抑えてしゃべってください
「で、手をコップにしてそのお湯をためて――
貯めたのを右の鼻の穴の下にもってって。
そしたら左の鼻の穴を指でふさいで」
「この形――コップの手を鼻にあてたまま、手と首を同時に上に上にってむけていくんです。
慣れるまでは、鼻で水をすいあげないように意識して、ただただ首と手の動きで自然に流れ込んでくる水を、鼻孔の奥でうけとめてためるイメージで」
「それができたら、我慢できる時間我慢して、それから下を向いてお水を自然に流し出します。
奥までお水はいってたら、口からも出てきますから、それも自然にペってしてください」
「じゃ、やってみせますね。
鼻うがいしてるときはしゃべれないから、ちょっと無口になっちゃいますけど」
;*鼻うがいの音は後で足しますので、息とニュアンスいただけますと幸いです
;SE 鼻うがい
「ん……(上を向いて鼻に水を流し込んでく呼吸音)――(呼吸音)(呼吸音)――
ぁ――(下をむいて、水を排出してく呼吸音)……(呼吸音)――ふぁ――あ~」
;鼻の穴抑えてた手をはずす
「ちょっと……あはは、流石に恥ずかしいですね。
あなたの前で、鼻水たらしちゃってるみたいな感じしちゃって――」
「けど、やっぱり覚えておいてほしいから……
例えほんの0.1%でも、あなた……と、あなたのご家族が、感染症になる確率を下げてほしいって思うから」
「ですから――えへへっ! もう片っぽう、洗浄機を使うほうもやっときますね。見ててください。
慣れちゃえばこっちの方がらくらくですし鼻孔――鼻の穴の奥まで洗浄できちゃいますから。
えと、まずはこれが洗浄機。ハンディタイプの鼻洗浄器です――」
;SE 洗浄機ぺこぺこ
「MITURIN(密林)とかでも、『鼻洗浄器』で検索すれば、一杯でてきます。安いのから高いのまで色々ありますけど、慣れるか慣れないかの問題だと思うから、わたしてきには、『洗浄機そのものを洗いやすいの』がおすすめですね。
洗浄機が雑菌の繁殖の場所になっちゃって――とかだと、逆に有害になっちゃいますから。鼻うがい」
「っていうか、100円ショップで売ってる吸い飲みとか、ドレッシングとか用の細口のボトルでもいいと思います。
そういうのの方が、気軽に買い替えできて、かえって清潔を保てるかもですし」
「とにかく、鼻洗浄器は清潔が第一。あ! さっきの手をコップにして式も、手洗いばっちりすませてあるのが最低限の条件ですから、そこは気をつけてくださいね?」
「100度のお湯に耐えられる洗浄機だったら、煮沸消毒が一番安全確実ってわたし、思います。沸騰したたっぷりのお湯で5分煮る。
人類、20世紀に入るまで、煮沸消毒一本槍で戦ってきた歴史がありますし。
オートクレーブによる物理的滅菌だって、飽和水蒸気をつかった超高温煮沸消毒ですからね、ご家庭でできる一番有効でコスパいい消毒法だと思います。煮沸消毒」
「で、清潔な鼻洗浄器を用意したら、1%の生理食塩水をいれます。いれたら、上を向いて洗浄器のボトルを押して生理食塩水を流しこんで、『おーーーー』って高い声をだして、鼻孔から喉まで生理食塩水を流します」
「喉に来たなーって思ったら、声をとめて下を向いて、自然にお水を鼻からも口からも流れ出させる。
これを、左右1~2回ずつやれば、おしまいです」
「じゃ、やってみせますね。そんなに綺麗なものじゃないですし、地味~だとは思いますけど」
;*鼻うがいの音は後で足しますので、息とニュアンスいただけますと幸いです
;SE 鼻うがい
「ん……『おーーーーーーーーーーーーーー』……んぁ――(静かに吐き落とす呼吸音)」
「(ちょっと荒い1呼吸)……カッコ悪いけど、見えましたよね?
鼻からも喉からもお水でました。ちゃんと、一番奥までうがいできてる証拠です」
「これで左右それぞれの方法で鼻うがいできましたから、やり方はオッケーですよね!
そしたらこのまま最後の仕上げ! 目薬とフェイスウオッシュもしちゃいましょー」
「っと……目薬、さすがにいまさらさしかたを教えるもないですから。
『ちっちゃいこにさして上げるとき』の上手なやりかた、わたしがあなたにさす形でおしえますね」
「(呼吸音)(呼吸音)――そしたら、こんな洗面台のとこでアレですけど。
膝枕に頭、預けてください――わたし、正座しますから、その上に、天井に顔をむける形で」
;SE ありす座る
;1/前
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん、ありがとうございます。
それじゃあ目薬、相手がちっちゃいこのとき、どうやってさしてあげたらいいか、やっていきますね」
「前準備として、手洗いをばっちりやっておいてください。親御さんの方だけじゃなくて、ちっちゃいこの方も。
こどもって、目、素手でこすっちゃったり普通にしちゃいますから。
あと、おこさんの洗顔もやっておいてあげてください。まつげとかの雑菌、洗い流しておいたほうが安全ですから」
「で、そこまでできたらこの体制。ひざまくらで、お子さんの顔が天井を向いてるようにしてあげてください。
手元には、目薬とティッシュ、忘れずに用意しておいてくださいね」
「目薬になれてないうちは、おこさん、顔を反射的にそむけたり、目をとじちゃったりしますから、
最初っから、優しくこういってあげてください」
;1/前(顔寄せ、ささやきぎみ)
「『目、かるくとじてていいからね。おねーさんが目を触っても、くすぐったがってうごかないでね?』って」
;1/前
「『痛くないから』みたいなことをいっちゃうと、痛いのかなーって怯えちゃうから。
『くすぐったくても』っていってあげてください。
そしたらおこさん――ふふっ――ね? 素直に、目を閉じてくれますから――」
「目薬を利き手でもって、反対側の手でかるうく、お子さんの下まぶただけをひっぱるんです。
あっかんべーをするときみたいに。で――(呼吸音)」
;SE 点眼
「目薬さしたら、すぐに指を離して、
『そのまま目をつむっててねー』って伝えてあげてください。
まばたきとかはさせないで。ただ、目をつむってて、って」
「そのすきに、今度は反対側の目に。
おんなじように、下まぶただけかるくあかんべーにして――(呼吸音)」
;SE 点眼
「はい、これでおしまいです。あとは目をつむったままのお子さんの目からこぼれてる薬液を――」
;SE ティッシュ引き抜き → 顔をちょんちょん拭く
「――こうして、ティッシュで――(呼吸音)(呼吸音)――こするんじゃなく、かるくく叩いて吸わせる感じで――
(呼吸音)(呼吸音)――拭き取ってあげれば――(呼吸音)――うん。おしまいです。姿勢、もとにもどしましょうね――(呼吸音)(呼吸音)――っと」
;3/右
「もちろん、このやり方がどのこにもうまくいくーってわけじゃありません。
けど、そういう目薬むつかしいこにでも、まずまずうまくいく方法も、念の為教えておきますね?
そういうときには――うふふっ」
;3/右 (接近囁き)
「ぐっすりねむったとこに目薬。これが最終手段です」
;3/右
「たくさんたくさん遊んだあとで、スイッチきれちゃってるときとかなら、大丈夫――目薬くらいじゃおきませんから。うふふっ」